加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

「Lou Donaldson - Quartet / Quintet / Sextet (Blue Note) 1952, 1954」初期ハードバップを様々な編成で楽しむ

ルー・ドナルドソンLou Donaldson)名義の10曲入り初12インチアルバムが「Quartet / Quintet / Sextet (BLP-1537)」です。

 

「Lou Donaldson - Quartet / Quintet / Sextet (Blue Note) 1952, 1954」初期ハードバップを様々な編成で楽しむ

タイトル通り1952年06月20日のカルテット編成、1952年11月19日のクインテット編成、そして1954年08月22日のセクステット編成による演奏が、それぞれ収録されております。

 

2枚の10インチアルバムで発売された演奏を再編集しているのですが、12インチレコードの収録時間の関係で、「New Faces-New Sounds Lou Donaldson Quintet-Quartet (BLP-5021)」では、「The Things We Did Last Summer」をカット。

 

もう1枚の10インチアルバム「Lou Donaldson Sextet Vol. 2 (BLP-5055)」では、「After You've Gone」がカットされているのが惜しい処であります。

 

さて、「Quartet / Quintet / Sextet (BLP-1537)」に関しては、1980年代後半のブルーノートCD化最初期に、別テイク含めた形でCD化されてはいたのですが。

あえて、ルディ・ヴァン・ゲルダー(Rudy Van Gelder)による追加曲入りリマスターCDが発売される事を、首をながーくして待ち望んではいたのですが結局、願いかなわず。

 

追加曲が聴きたいがために、追加曲なしのRVG盤の他に、CD化初期の1988年に発売された別テイク入りCD「Lou Donaldson Quartet/Quintet/Sextet (CDP 7 81537 2)」も入手するという、トホホな事をやってしまいました。

 

てな訳で今回は、資料的に分かりやすい様、カルテット、クインテットセクステットという編成別に、曲を紹介していきたいと思います。

 

さて、1952年11月19日は、トランペットを加えたクインテット編成での録音でした。

 

このアルバムには、「New Faces-New Sounds Lou Donaldson Quintet-Quartet (BLP-5021)」に収録された4曲全てが収録されております。

 

ホレス・シルヴァーHorace Silver)、アート・ブレイキー(Art Blakey)、パーシー・ヒース(Percy Heath)という鉄壁のリズム隊に加え、ブルー・ミッチェルBlue Mitchell)のトランペットが加わります。

 


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01曲目「If I Love Again」は、シングル盤を想定したのか2分40秒とかなり短い演奏ではあるものの、各メンバーの軽快な演奏を聴く事が出来ます。

 

02曲目「Down Home」は、テーマはその場で作られた如くラフな感じではありますが、ルー・ドナルドソンホレス・シルヴァーブルー・ミッチェル、で、再びルー・ドナルドソンと、ツボを押さえた見事なソロが続きます。

 

03曲目「The Best Things In Life Are Free」は、アップテンポで「バードランドの夜」での演奏のような、熱い演奏が続きます。

 

06曲目「Sweet Juice」は、甘酸っぱいというか、ちょっとセンチメンタルな雰囲気漂うバラッド風味の演奏です。

 

1952年06月20日の録音は、一番シンプルなカルテット編成で行われました。

 

このアルバムには3曲収録されておりますが、「New Faces-New Sounds Lou Donaldson Quintet-Quartet (BLP-5021)」に収録された「The Things We Did Last Summer」が、前述の通りカットされてます。

 

04曲目「Lou's Blues」は、テーマ部はちょっとラテン風味が混ざる感じですが、ソロはアーシーな感じのブルース・コード進行で作られた曲です。

 

05曲目「Cheek To Cheek」は、超アップテンポで演奏されてますが、ルーさんは涼しい顔で余裕たっぷりに演奏している感じがしますね。

 


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08曲目「Roccus」は、ホレス・シルヴァーHorace Silver)作曲の、一聴で記憶に刻まれる名曲。ルー・ドナルドソンのブルージーな演奏がより引き立つ感じの曲でもありますね。

 

 

1954年08月22日の録音は、トランペットのケニー・ドーハムKenny Dorham)、トロンボーンのマシュー・ジー(Matthew Gee)を加えたセクステット編成。


エルモ・ホープ(Elmo Hope)アート・ブレイキー(Art Blakey)、パーシー・ヒース(Percy Heath)というリズム隊は珍しい感じですね。

 

このアルバムには3曲収録されておりますが、「Lou Donaldson Sextet Vol. 2 (BLP-5055)」に収録された「After You've Gone」は、前述の通りカットされてます。

 

 

07曲目「The Stroller」は、超アップテンポの曲。ルー・ドナルドソンケニー・ドーハム、マシュー・ジーと、ややビバップ寄りの熱いソロが続きます。

 


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09曲目「Caracas」は、エキゾチックな雰囲気混ざるルー・ドナルドソンLou Donaldson)の自作曲。


ソロに入ると、よくありがちなハードバップ風味の演奏にはなるのですが、ルー・ドナルドソン、エルモ・ホープケニー・ドーハム、マシュー・ジーとソツのないハードバップなソロを聴かせてくれてます。しかし、リズム・パターンだけで存在感を示すアート・ブレイキーの存在感たるや(笑)。

 

10曲目「Moe's Bluff」は、メロディ・ラインやや長めの、ビバップ風味混じる1曲。
この手の曲調だと俄然存在感増すのが、ビバップ寄りのソロフレーズを連発するマシュー・ジーと、ケニー・ドーハム

 

それに対し、ルー・ドナルドソンとエルモ・ホープは、ビ・バップの影響から抜けだした、洗練されたモダンなフレーズを聴かせてくれてます。

 

Lou Donaldson - Quartet / Quintet / Sextet (RVG)
Blue Note BLP-1537 / 東芝EMI TOCJ-9144 [1999.11.26] 24 Bit By RVG

side 1 (A)
01. If I Love Again (Oakland, Murray)  2:40
02. Down Home (Lou Donaldson)  3:16
03. The Best Things In Life Are Free (De Sylva, Brown, Hendersn)  3:21
04. Lou's Blues (Lou Donaldson)  3:40
05. Cheek To Cheek (Irving Berlin)  2:59
06. Sweet Juice (Horace Silver)  3:26

side 2 (B)
07. The Stroller (Lou Donaldson)  5:33
08. Roccus (Horace Silver)  3:22
09. Caracas (Lou Donaldson)  5:57
10. Moe's Bluff (Elmo Hope)  5:07


●New Faces-New Sounds Lou Donaldson Quintet-Quartet  (Blue Note BLP-5021)

●BLP-5021 omit The Things We Did Last Summer

#04, 05, 08  June 20, 1952 at WOR Studios, NYC.
Lou Donaldson Quartet
Lou Donaldson (as) Horace Silver (p) Gene Ramey (b) Arthur Taylor (ds) 


#01-03, 06  November 19, 1952 at WOR Studios, NYC.
Lou Donaldson Quintet
Blue Mitchell (tp #1-3) Lou Donaldson (as) Horace Silver (p) Percy Heath (b) 
Art Blakey (ds) 


Lou Donaldson Sextet Vol. 2 ( Blue Note BLP-5055)

●BLP-5055 omit After You've Gone

#07, 09, 10  August 22, 1954 at RVG Studio, Hackensack, NJ.
Lou Donaldson Sextet
Kenny Dorham (tp) Matthew Gee (tb) Lou Donaldson (as) Elmo Hope (p) 
Percy Heath (b) Art Blakey (ds) 

 

ちなみに「New Faces-New Sounds Lou Donaldson Quintet-Quartet (BLP-5021)」からは、4曲もシングルとして発売されており、アルフレッド・ライオン(Alfred Lion)の、ルー・ドナルドソンに対する商業的な期待というか、入れ込みようが伺えます。

 

Blue Note 1598 Lou Donaldson - Roccus / Cheek To Cheek 1952
Blue Note 1599 Lou Donaldson - Things We Did Last Summer / Lou's Blues 1952

Blue Note 1609 Lou Donaldson - Sweet Juice / The Best Things In Life Are Free 1953
Blue Note 1610 Lou Donaldson - Down Home / If I Love Again 1953

 

Quartet/Quintet/Sextet

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最後に、ルー・ドナルドソンLou Donaldson)関連の過去記事を貼っておきますね。

 

 

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