キャノンボール・アダレイ(Cannonball Adderley)が、ピアニストのセルジオ・メンデス(Sergio Mendes)を含む「The Bossa Rio Sextet Of Brazil」をバックに、当時一世を風靡したボサノヴァ風味の曲を演奏した人気アルバムが、「Cannonball's Bossa Nova (Riverside RLP-455/RS-9455)」です。
ネット・ラジオや飲食店のBGMでも時々、このアルバムに収録された「Sambops」を聴く事が出来ますが、兎に角、適度にファンキーでボサ・ノヴァ・タッチの聴き易い演奏が詰まっております。
このアルバムも何曲か、かいつまんで。
けだるい雰囲気が如何にもボサ・ノヴァといった風情の1曲目「Clouds」。
ボサ・ノヴァの代表的なサックス奏者、スタン・ゲッツ(Stan Getz)であれば、ひたすらクールに演奏する処ですが、キャノンボール・アダレイ(Cannonball Adderley)は自身の持ち味である、勢いあるファンキーな演奏スタイルで押し通しておりますね(笑)。
ミデァム・テンポで演奏される美しいメロディが印象的な7曲目「O Amor Em Paz (Once I Loved)」は、ギター入りのリズム隊に加え、2管ホーン隊がアンサンブルに加わるという豪華な編成となっております。
キャノンボール・アダレイ(Cannonball Adderley)は、美しいメロディをなぞる感じで穏やかな演奏に終始しておりますが、ファンキーな吹き方を時折混ぜたりして、見事に演奏に緩急つけております。
超アップテンポで軽快に演奏される8曲目「Sambops」は、このアルバムの代表的な演奏と言ってよろしいかと。
ラジオやコンピレーション・アルバムには、この曲がよく取り上げられているほど、アルバム随一の、キャッチーで勢いある演奏となっております。
超アップテンポでリム・ショットを叩き続けているので、時々、リズムがあやしくなったりしますが、この辺りが人力で演奏している醍醐味という事で・・・。
「Cannonball's Bossa Nova (Riverside RLP-455/RS-9455)」は人気盤だけあり、何種類か別ジャケットがあるようですが、この辺りはポップな感じでよろしいですね(笑)。
Cannonball Adderley - Cannonball's Bossa Nova +2
Riverside RLP-455/RS-9455 / Landmark LCD 1302-2
side 1 (A)
01. Clouds (Durval Ferreira, Maurício Einhorn) 2:43
02. Minha Saudades (João Donato) 2:22
03. Corcovado (Antonio Carlos Jobim) 6:44
04. Batida Differentes (Ferreira, Einhorn) 3:25
side 2 (B)
05. Joyce's Samba (Ferreira, Einhorn) 3:12
06. Groovy Samba (Sérgio Mendes) 4:59
07. O Amor Em Paz (Once I Loved) (Jobim, Vinicius de Moraes, João Gilberto) 7:47
08. Sambops (Ferreira, Einhorn) 3:34
CD Bonus tracks
09. Corcovado [alternate take] 5:35
10. Clouds [single version] 2:41
Julian "Cannonball" Adderley (as) with
Sergio Mendes (p) Durval Ferreira (g) Octavio Bailly Jr. (b) Dom Um Romao (ds)
Pedro Paulo (tp #2,4,5,7,8) Paulo Moura (as #2,4,5,7,8)
December 7, 10 and 11, 1962 at Plaza Sound Studios, NYC.