ビバップの伝道師、バリー・ハリス(Barry Harris)。残念ながら2021年12月08日、新型コロナウイルス感染に伴う合併症のため、91歳で逝去されました。
また最晩年まで教育者としてジャズの神髄を伝える活動に従事し、ワークショップを通じ多くのジャズミュージシャン達を指導していた事でも知られております。
さて、タッド・ダメロン(Tadd Dameron)という「ピアニスト」兼「編曲者」は、ジャズトランペットがお好きの方なら、早世した2人の天才トランペッター、ファッツ・ナバロ(Fats Navarro)や、クリフォード・ブラウン(Clifford Brown)のアルバムに参加している事でお耳にした事があるかと思われます。
彼らのいくつかのアルバムでピアニスト、タッド・ダメロン(Tadd Dameron)の名前を見つけることが出来るでしょう。
またタッド・ダメロン(Tadd Dameron)は編曲者としてビバップ期に、いくつかのビック・バンドに編曲を提供しています。
あのマイルス・デイビス(Miles Davis)とは名盤「クールの誕生」を録音した頃、早世したファッツ・ナバロ(Fats Navarro)の代わりとして共演しておりますね。
そんな玄人向けともいえるタッド・ダメロン(Tadd Dameron)の作品群を、バリー・ハリス(Barry Harris)が「Plays Tadd Dameron (Xanadu XANADU-113)」として録音しております。
このアルバム「Barry Harris plays Tadd Dameron」は、「タッド・ダメロン作品集」と言うだけあり、曲をじっくりと聴かせることに重点を置いた構成で、ミディアム・テンポでの演奏が多いです。渋い!
そんな中、最後にアップ・テンポで演奏される「Our Delight」は、「At The Jazz Workshop 」を思い起させる快演で、お勧めです。
バラッド「If You Could See Me Now」は、新潟のベテラン・ジャズ・ミュージシャンが時々、演奏していたりしますので、案外知られた曲なのかもしれません。
「Casbah」は確か、タッド・ダメロン(Tadd Dameron)がマイルス・デイヴィス(Miles Davis)を含むバンドで録音してた記憶があります。
まあ、バリー・ハリス(Barry Harris)の「Plays Tadd Dameron (Xanadu XANADU-113)」は玄人好みな渋めのアルバムではありますが、ジャズ喫茶の大音量で聴いてみたいですね。新潟のジャズ喫茶で聴けるかな?
別ジャケットも存在するようなので、参考までに。
Barry Harris - Plays Tadd Dameron
Xanadu Records XANADU-113 / Tokuma Japan Communications TKCB-71512 [1998.11.21]
side 1 (A)
01. Hot House (Tadd Dameron) 4:29
02. Soultrane (Tadd Dameron) 5:38
03. The Chase (Tadd Dameron) 4:58
04. Ladybird (Tadd Dameron) 5:03
side 2 (B)
05. Casbah (Tadd Dameron) 8:27
06. If You Could See Me Now (Tadd Dameron, Carl Sigman) 5:28
07. The Tadd Walk (Tadd Dameron) 3:35
08. Our Delight (Tadd Dameron) 4:15
Barry Harris (p) Gene Taylor (b) Leroy Williams (ds)
June 4, 1975 at RCA Studios, NYC.
バリー・ハリスと言えば、ライブ・アルバム「Barry Harris At The Jazz Workshop [RLP 12-326]」が、お好きな方も多いと思われます(私も好き!)。
バリー・ハリス(Barry Harris)は、自身のリーダー録音の他、キャノンボール・アダレイ(Cannonball Adderley)、デクスター・ゴードン(Dexter Gordon)、リー・モーガン(Lee Morgan)というそうそうたるジャズの巨人達と共演、数多くの名盤に参加
しております。
ボビー・ティモンズ(Bobby Timmons)だけかと思ってたら、曲によりバリー・ハリス(Barry Harris)も参加してたようです。
デクスター・ゴードン(Dexter Gordon)の渋めのアルバムですが、ビバップ・ピアニストとして手堅いバッキングが印象に残るアルバムです。
リー・モーガン(Lee Morgan)がリーダーの、ジャズ・ロックの古典。
このアルバムへの参加は、ハービー・ハンコック(Herbie Hancock)の推薦だったらしいですが、参加要請を受けたとき「たまには大ヒット(するであろう)アルバムに参加してもいいいか【意訳】」とご本人が言ってたという話もあったりします。