短期間ではあるもののマイルス・デイヴィス(Miles Davis)のグループで共演したアルト・サックスのキャノンボール・アダレイ(Cannonball Adderley)と、ピアノのビル・エヴァンス(Bill Evans)が、MJQ(Modern Jazz Quartet)のリズム・セクションであるベースのパーシー・ヒース(Percy Heath)、ドラムスのコニー・ケイ(Connie Kay)と共に、1961年の01月から03月に渡る3回のセッションから編纂されたアルバムが「Know What I Mean ? (Riverside RLP-9433)」です。
情熱的でファンキーな演奏を得意とするキャノンボール・アダレイ(Cannonball Adderley)が、ビル・エヴァンス(Bill Evans)とMJQ(Modern Jazz Quartet)のリズム・セクションという、どちらかというとクラッシック寄りのメンバーをバックに演奏する事で、端正で格調高きアルバムとなっている事を、最初にこのアルバムを聴いた時に驚いた記憶があります。
マイルス・デイヴィス(Miles Davis)が自伝で述べている様に、キャノンボール・アダレイ(Cannonball Adderley)は物事の理解力が高く、どんな演奏スタイルでも、あっという間に自分のモノにする事が出来たんでしょうね。
アルバム全体が統一されたムードで進行していくので、印象に残る曲だけ紹介していきます。
不朽の名ライブ・アルバム「Waltz For Debby (Riverside RLP-9399)」のタイトル曲そのままのロマンテックで端正なイントロで始まる1曲目「Waltz for Debby」。
キャノンボール・アダレイ(Cannonball Adderley)のアルト・サックスが入ると、途端にファンキー風味漂う処はご愛敬(笑)。
ビル・エヴァンス(Bill Evans)が描く耽美な方向性に合わせつつも、自身のスタイルで軽快に吹き切るキャノンボール・アダレイ(Cannonball Adderley)も大したものだと思ったりします(笑)。
6曲目の「Elsa」も、ビル・エヴァンス(Bill Evans)の端正で耽美なピアノが美しいですね。
こういう格調高い音楽性にも合わせられる、キャノンボール・アダレイ(Cannonball Adderley)の柔軟さを、もっと評価すべきではないかなあ・・・と思ったりします。
アルバムタイトル曲でもある、8曲目「Know What I Mean ?」は、ビル・エヴァンス(Bill Evans)の作品。
ビル・エヴァンス(Bill Evans)が弾く耽美なイントロで演奏はスタートしますが、途中、コニー・ケイ(Connie Kay)がリズミックなビートを刻み始める辺りから、やや明るく力強い演奏にシフトしていきます。
こういう明るい雰囲気になると、キャノンボール・アダレイ(Cannonball Adderley)の独断場となりますが、ビル・エヴァンス(Bill Evans)も負けじとハードなソロで応酬しております(笑)。
Cannonball Adderley with Bill Evans - Know What I Mean ? +2
Riverside RLP-9433 / OJCCD-105-2 / Victor Entertainment VICJ-41628 [2006.03.13]
side 1 (A)
01. Waltz for Debby (Evans-Lees) 5:17
02. Goodbye (Gordon Jenkins) 6:18
03. Who Cares ? [take 5] (I&G.Gershiwin) 5:59
04. Venice (John Lewis) 2:56
side 2 (B)
05. Toy (Clifford Jordan) 5:10
06. Elsa (Earl Zindars) 5:52
07. Nancy (With the Laughing Face) (Van Heusen/Silvers) 4:09
08. Know What I Mean ? [re-take 7] (Bill Evans) 4:57
CD Bonus Tracks
09. Who Cares ? [take 4] (I&G.Gershiwin) 5:57
10. Know What I Mean ? [take 12] (Bill Evans) 7:03
Cannonball Adderley (as) Bill Evans (p) Percy Heath (b) Connie Kay (ds)
#02,03,07 & 09,10 January 27, 1961 at Bell Sound Studios, NYC.
#05,06 February 21, 1961 at Bell Sound Studios, NYC.
#01,04,08 March 13, 1961 at Bell Sound Studios, NYC.
今回の記事に関連する「過去記事」も、貼っておきますね。
「Bill Evans - Waltz For Debby (Riverside RLP-9399)」
「Miles Davis - Kind Of Blue (Columbia CL-1355/CS-8163)」
「Miles Davis – 1958 Miles (CBS/Sony 20AP-1401)」