ビル・エヴァンス(Bill Evans)派の番頭格というイメージが強い白人系叙情派ピアニスト、ドン・フリードマン(Don Friedman)。
さて、日本で一番売れたであろうドン・フリードマン(Don Friedman)のアルバムが、今回ご紹介する「Circle Walz (Riverside RLP-9431)」でありまして・・・。
表題曲「Circle Walz」が日本企画盤で再演されてたりする事から推測するに、日本人のこのアルバムに対する思い入れは、相当なものであると思って間違いないかと・・・。
もちろん私も「Circle Walz (Riverside RLP-9431)」は、大好きなアルバムです(断言)。
ジャケットに描かれた印象的なイラストを提供したのはフレッド・シュワブ(Fred Schwab)さん。
漫画家、フォト・ジャーナリスト、グラフィック・デザイナーと多彩な活動をしていた方の様で、このイラストに魅かれレコードやCDを手にした方も多いかと思われます。
以前紹介したアルバム「A Day In The City - Six Jazz Variations On A Theme (Riverside RLP-9384)」が、前衛的な色彩が濃い硬質なピアノ・タッチであったのに対し、「Circle Walz (Riverside RLP-9431)」は、抒情的で綺麗なタッチの演奏である印象が強いですね。
1曲目で表題曲の「Circle Waltz」は、ドン・フリードマン(Don Friedman)が書いた抒情的な3拍子の曲。
3拍子の曲というとビル・エヴァンス(Bill Evans)トリオの名演「Waltz For Debby」を思い浮かべる方も多いかと思われますが、「Circle Waltz」もかなりロマンテックな曲であると思います。
2曲目「Sea's Breeze」は、ドン・フリードマン(Don Friedman)自作のアップテンポ・ナンバー。
ドン・フリードマン(Don Friedman)の流暢かつ華麗なピアノ・ソロを堪能する事が出来ます。
3曲目「I Hear A Rhapsody」は抒情的な無伴奏ソロから始まる演奏で、リズム隊が加わった後は、軽快にスイングする演奏となります。
4曲目「In Your Own Sweet Way」は、デイブ・ブルーベック(Dave Brubeck)が書いた人気曲。
この曲も無伴奏ソロから始まり、リズム隊が加わった後に、ビル・エヴァンス(Bill Evans)トリオの様な抒情的な演奏が展開されていきます。
5曲目「Loves Parting」は、ドン・フリードマン(Don Friedman)自作のバラッド。
演奏の雰囲気としては、ビル・エヴァンス(Bill Evans)トリオが奏でる「My Foolish Heart」に近いですかねえ。
6曲目「So In Love」は、コール・ポーター(Cole Porter)が書いた名スタンダード。
抒情的でありながら、やや饒舌なピアノ・ソロが展開されます。
7曲目「Modes Pivoting」は、ドン・フリードマン(Don Friedman)自作の曲。
表題曲「Circle Waltz」に似た雰囲気の曲でありますが、表題曲よりやや明るめな演奏の様に思えます。
Don Friedman - Circle Waltz (1962)
Riverside RLP-9431 / Victor VICJ-60310[1999.06.02]
side 1 (A)
01. Circle Waltz (Don Friedman) 5:57
02. Sea's Breeze (Don Friedman) 6:02
03. I Hear A Rhapsody (Fragos-Baker) 7:29
side 2 (B)
04. In Your Own Sweet Way (Dave Brubeck) 5:18
05. Loves Parting (Don Friedman) 5:42
06. So In Love (Cole Porter) 3:22
07. Modes Pivoting (Don Friedman) 6:44
Don Friedman (p) Chuck Israels (b) Pete LaRoca (ds)
May14,1962 in NYC