1961年のお正月にアート・ブレイキー(Art Blakey)率いるジャズ・メッセンジャーズで初来日を果たしたピアニストのボビー・ティモンズ(Bobby Timmons)ですが、自身の人気も高まったであろう1961年の秋にはジャズ・メッセンジャースを退団し、自らのトリオを結成した模様。
さて、このニューヨークにある有名なジャズ・スポット、ヴィレッジヴァンガードで
1961年10月01日に録音されたライブアルバム「The Bobby Timmons Trio In Person (Riverside RLP-9391)」は、とーってもファンキーで、濃ゆい演奏が詰まっております。
新潟県の燕三条地区の名物、背油ラーメンみたいにコテコテな演奏の濃さに慣れてしまうと、もう後戻り出来なくなりそうですね(笑)。
もう、1曲目の「枯葉(Autumn Leaves)」からコテコテ(笑)。
ぼーっと聴いてると「Moanin'」と聴き間違えてしまう程、濃厚な風味漂っておりますが、この演奏、私の心の中で不動の「枯葉の3大名演」であったりします。
ちなみにその他の演奏は、ビル・エヴァンス(Bill Evans)の端正で知的な「枯葉」と、
ウイントン・ケリー(Wynton Kelly)のお小粋な「枯葉」です。
アップテンポで演奏される2曲目「So Tired」は、ロン・カーター(Ron Carter)の重低音ベースが会場中に轟き渡る様子が目に浮かぶ、このアルバム中で最大の聴き処だったりします。
メンバー全員が爆走するこの演奏の破壊力(笑)に対抗出来るのは多分、「Horace Parlan - Us Three(Blue Note BLP-4037)」くらいなものでしょう。
まあ、しょぼいステレオ装置で聴いても、物凄い圧迫感と共に音の塊が迫って来ますね。
いやーしかし、ファンキーナンバーを演奏する時のロン・カーターがこんなに凄いとは。ホント、参ったね。
私の場合いつも、強力な最初の2曲だけ聴けば、満足なので、残りは軽く(笑)。
そういえば、8曲目の「時さえ忘れて(I Didn't Know What Time It Was)」と9曲目の「朝日のごとく爽やかに(Softly, As In A Morning Sunrise)」は、端正なトリオ・アルバム「Sonny Clark Trio(Blue Note BLP-1579)」にも収録されていますね。
「The Bobby Timmons Trio In Person (Riverside RLP-9391)」で聴く事が出来る、鼻血が吹き出る位にファンキーな演奏と聴き比べてみるのも、楽しいかと思います。
意表を突いて、ロン・カーター(Ron Carter)が重低音鳴り響くベースでテーマを演奏する「朝日~」なんて聴いていると、重さでお日様が沈んでいくのではないかと思うほど暑苦しい雰囲気漂ってます(笑)。
こんな感じでファンキー、ファンキー万歳!と叫びたくなる程のアルバムでございますので、背油ギトギト的なコテコテ風味が嫌いな方は、ご注意下さいませ。
The Bobby Timmons Trio In Person (1961)
Riverside RLP-9391/OJCCD-364-2 / Victor Entertainment VICJ-41734 [2006/08/23]
side 1 (A)
01. Autumn Leaves (Prevert, Mercer, Kosma) 7:59
02. So Tired (Bobby Timmons) 6:24
03. Goodbye (Gordon Jenkins) 4:46
04. Dat Dere (Theme) (Bobby Timmons) 0:53
CD Bonus Tracks
05. They Didn't Believe Me (Raynolds, Kern) 6:47
06. Dat Dere [Full-Length] (Bobby Timmons) 4:33
side 2 (B)
07. Popsy (Bobby Timmons) 6:02
08. I Didn't Know What Time It Was (Rodgers & Hart) 8:14
09. Softly, As In A Morning Sunrise (Hammerstein, Romberg) 5:31
10. Dat Dere (Theme) (Bobby Timmons) 0:55
Bobby Timmons (p) Ron Carter (b) Albert Heath (ds)
October 1, 1961 at The Village Vanguard, NYC.
#05,06 - Additional tracks not on original LP