モダン・ジャズ・オルガンの開祖、ジミー・スミス(Jimmy Smith)が、ハーレムで唯一、アフリカン・アメリカンによって経営されていた高級クラブ「Smalls' Paradise」でのライブを収録したアルバムが「Groovin' At Smalls' Paradise Vol. 1 (Blue Note BLP-1585)」です。
録音日は1957年11月15日、ジミー・スミス(Jimmy Smith)の他、ギターのエディ・マクファデン(Eddie McFadden)、ドラムスのドナルド・ベイリー(Donald Bailey)で、アルバム・タイトルに「Vol. 1」とある通り、2枚に分散され発売されました。
私が所有する、1999年に発売された2枚組米RVG盤(Blue Note 7243 4 99777 2 3)には合計4曲が追加収録され、アナログ・レコードで発売された時と曲順が異なるので、私は一旦、パソコンに取り込み、あえてアナログ・レコードに準拠した曲順に修正の上で聴いております。
録音データを確認すると、米RVG盤の収録順は、マイケル・カスクーナ(Michael Cuscuna)が再発時に好んでやっちゃう「録音順」に並べ替えている模様。
まあ、オリジナル・テープから24ビット・トランスファーしたそのまんまの順番で
収録した方が、当時録音を担当し、リマスターも手掛けたルディ・ヴァン・ゲルダー(Rudy Van Gelder)にとって作業工程が省略出来て楽だったのかもしれませんが・・・。
オリジナルのアナログ・レコードに準拠したアルバム紹介をやってる私にとっては、曲順が変わる事でアルバム自体の印象がガラっと変わってしまうので、収録曲が多いのは有難いですけど、まあ、一手間かかるよなあ・・・とか、ブツブツ言ってしまいます(笑)。
という事で、今回掲載している曲順で追加曲入りのCDは世の中には存在しておりません。「Imagination」です、イリュージョンです(笑)。
オリジナル・アルバムで、店内のざわつきが少し聴こえた後始まる1曲目「After Hours」は、シングル「Jimmy Smith - After Hours, Part 1 & 2 (Blue Note 45-1703)」としても発売された模様。
「After Hours」というタイトル通り、ゆったり寛いだ雰囲気の中、演奏は進んでいきます。
ジミー・スミスのソロの後、登場するギターのエディ・マクファデン(Eddie McFadden)のゆったりしたソロを挟み、高揚気味なジミー・スミスの2回目のソロが始まりますが、演奏が進むにつれて、どんどんヒートアップしていきます。
2曲目は「My Funny Valentine」は、トランペッターのチェット・ベイカー(Chet Baker)の代表的な持ち歌であったりしますが、こちらの演奏もチェットのバージョンに負けず劣らず感情を込めたバラッド風の演奏となっております。
バラッド風の演奏の為か、オルガン本来のロングトーンを多用した、古のオルガンを聴いている風情の演奏に終始しております。
3曲目「Slightly Monkish」は、ジミー・スミス(Jimmy Smith)の自作曲。タイトルで何となく察する人も居るかと思われますが、「少し(セリニアス・)モンク風」な曲であります。
ジミー・スミス(Jimmy Smith)も、モンクの摩訶不思議な演奏スタイルを少し模倣しつつ、愉快な演奏を繰り広げております。
4曲目「Laura」は、これまたゆったりとしたバラッド風の演奏。
ジミー・スミス(Jimmy Smith)はロング・トーンを多用しつつ、オルガンによる美しくも重厚なハーモニーを聴かせてくれます。
Jimmy Smith - Groovin' At Smalls' Paradise Vol. 1 +2 (RVG)
Blue Note BLP-1585 / Blue Note 7243 4 99777 2 3 [1999]
side 1 (A)
01(2-06). After Hours (Avery Parrish) 10:58
02(1-03). My Funny Valentine (Rodgers & Hart) 11:03
side 2 (B)
03(2-05). Slightly Monkish (Jimmy Smith) 6:59
04(1-06). Laura (D. Raksin, J. Mercer) 10:28
Bonus Tracks
05(1-02). Walkin' (Richard Carpenter) 11:41
06(1-04). It's Only A Paper Moon (Rose, Harburg, Arlen) 10:28
Jimmy Smith (org) Eddie McFadden (g) Donald Bailey (ds)
November 15, 1957 at Smalls Paradise, Harlem, NYC.
私が所有している当時の録音順に聴ける2枚組CDは、こちらだす。