ジャズ・ピアニスト、クラッシックの指揮者兼ピアニスト、映画音楽の作曲、編曲、音楽監督と多彩すぎる音楽的な才能を遺憾なく発揮したアンドレ・プレヴィン（Andre Previn）。
一例を挙げると、1964年制作のミュージカル映画「マイ・フェア・レディ（My Fair Lady）」では、アカデミー賞の「編曲賞」を受賞している様です。
そんなアンドレ・プレヴィン（Andre Previn）の代表作とも言えるジャズ系のアルバムが、1960年の02月20日と03月01日の二日間かけロサンゼルスのコンポラリー・レコード（Contemporary Records）のスタジオで録音したアルバム「King Size! (Contemporary S7570)」です。
バド・パウエル（Bud Powell）を源流とするビ・バップ・ピアノ・スタイルに、洗練されたハーモニー感覚、そして時折、オスカー・ピーターソン（Oscar Peterson）を彷彿させる豪快でファンキーな感じのする華麗なるピアノを、全編で聴かせてくれます。
共演するミュージシャンは、ベースがレッド・ミッチェル（Red Mitchell）、ドラムスがフランク・ギャップ（Frankie Capp）。
洗練されたビバップ・スタイルで流暢に演奏される１曲目「I'll Remember April」、アンドレ・プレヴィン（Andre Previn）自身の作曲で上品なファンクと言った風情の２曲目「Much Too Late」、時折、ホレス・パーラン（Horace Parlan）風にねちっこく弾き倒す３曲目「You'd Be So Nice To Come Home To」と、あっという間にレコード時代のＡ面に相当する前半３曲を聴き終えてしまいます。
幻想的でロマッテック風味の４曲目「It Could Happen To You」、アンドレ・プレヴィン（Andre Previn）の自作曲で、ボビー・テイモンズ（Bobby Timmons）ばりでファンキーに弾き倒す５曲目「Low And Inside」、ファンキーなアーマッド・ジャマル（Ahmad Jamal）といった感じの６曲目「I'm Beginning To See The Light」と、レコード時代のＢ面に相当する後半３曲も、あっという間に聴き終えてしまいますね（笑）。
ドイツ出身で、こういうビバップを源流としたファンキーなピアノを弾くピアニストといえば、私はすぐユタ・ヒップ（Jutta Hipp）を思い出しますが、ヨーロッパはお国ごとに特徴ある演奏スタイルが形成されていると考えると、ヨーロッパ系ジャズにハマる人の気持ちが、何となく分かるような・・・これ以上は「沼」にハマりたくないですけど（笑）。
Andre Previn - King Size! (1958)
Contemporary S7570 / OJCCD-691-2 / Victor Entertainment VICJ-41800 [2006.08.23]
side 1 (A)
01. I'll Remember April (Don Raye, Gene DePaul, Patricia Johnston) 6:25
02. Much Too Late (Andre Previn) 9:31
03. You'd Be So Nice To Come Home To (Cole Porter) 7:04
side 2 (B)
04. It Could Happen To You (Jimmy Van Heusen And Johnny Burke) 5:57
05. Low And Inside (Andre Previn) 10:01
06. I'm Beginning To See The Light (Don George, Duke Ellington, Harry James, Johnny Hodges) 8:02
Andre Previn (p) Red Mitchell (b) Frankie Capp (ds)
February 20 & March 1, 1960 at Contemporary Records' Studio, LA, CA.
