アート・ブレイキー(Art Blakey)をリーダーとし、1958年11月09日に録音されたハードバップ風味な「リズムの饗宴」を記録したセッションの第1弾が、アルバム「A Message From Blakey – Holiday For Skins Vol. 1 (Blue Note BST-84004)」です。
このアルバムはブルーノート(Blue Note Records)がモノ録音から脱却し、ステレオ録音を開始にする為の録音テストを兼ねた、1957年03月07日録音「Orgy In Rhythm Vol.1,2 (Blue Note BLP-1554/1555)」の続編的アルバムであり、前回同様、アルフレッド・ライオン(Alfred Lion)の個人的趣味から企画されたセッションに、アート・ブレイキー(Art Blakey)が担ぎ出された模様・・・。
ドラム3人、ボンゴ(とコンガ)5人、ティンバレス1人、マラカス1人、詠唱(chant)2人が奏でる盛大なるパーカッションが全編、鳴り響くアルバムですが、トランペットのドナルド・バード(Donald Byrd)とピアノのレイ・ブライアント(Ray Bryant)によるソロが登場する場面では一転、「良質なハードバップ」作品に変貌を遂げます。
前述の「Orgy In Rhythm Vol.1,2 (Blue Note BLP-1554/1555)」に比べ聴き易く、比較的メロディアスな曲が多いのもポイントかと・・・。
「A Message From Blakey – Holiday For Skins Vol. 1 (Blue Note BST-84004)」の4曲は全て、ピアニストからドラマーに転向したアート・ブレイキー(Art Blakey)が書いた曲の様です。
メンバーの詠唱(chant)から始まる1曲目「The Feast」は、派手な「リズムの饗宴」から始まり、続いて、ドナルド・バード(Donald Byrd)のはち切れんばかりな溌剌としたトランペットが炸裂する曲であり、ソロ2番手に登場するレイ・ブライアント(Ray Bryant)の上品かつファンキーなピアノ・ソロも聴き応えありますね。
演奏の後半は、アート・ブレイキー(Art Blakey)を中心とする「リズムの饗宴」が繰り広げられますが、しっかし、ここまでパーカッションの音がクリアに捉えられているのは驚きです。
壮大なゴングを合図に、楽しそうなメンバーのハーモニー付き詠唱(chant)が始まるのが、2曲目「Aghano」。
パーカッション部隊が刻むリズムにのり、ドラマー各位のソロが次々と登場しますが、レイ・ブライアント(Ray Bryant)が奏でるリズミックなピアノも良いですね。
ウェンデル・マーシャル(Wendell Marshall)の朴訥とした感じのベースから始まる3曲目「Lamento Africano」は、レイ・ブライアント(Ray Bryant)の華麗なるピアノをバックにした詠唱(chant)に続き、パーッカッションとメンバーの絶叫絡んだりと、そこはかとなく異国情緒溢れる演奏となっております。
コンガの連打から始まる4曲目「Mirage」は、単純なテーマメロディを持つファンキーな曲。
ここでもドナルド・バード(Donald Byrd)の、はち切れんばかりな溌剌としたトランペットが炸裂し、レイ・ブライアント(Ray Bryant)の流暢なピアノ・ソロへと続きます。
Art Blakey - A Message From Blakey – Holiday For Skins Vol. 1 (RVG)
Blue Note BST-84004 / 東芝EMI TOCJ-9128 [1999.08.25]
side 1 (A)
01. The Feast (Art Blakey) 8:55
02. Aghano (Art Blakey) 6:06
side 2 (B)
03. Lamento Africano (Art Blakey) 8:22
04. Mirage (Art Blakey) 10:29
Donald Byrd (tp #2,4) Ray Bryant (p) Wendell Marshall (b)
Art Taylor (ds) Art Blakey (ds, chant) Philly Joe Jones (ds, chant, vo)
Ray Barretto, Victor Gonzales, Julio Martinez, "Sabu" Martinez, Chonguito Vincente (bongos, congas)
Fred Pagani (timbales) Andy Delannoy (maracas) Austin Cromer, Hal Rasheed (chant)
November 9, 1958 at Manhattan Towers, NYC.