加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)がジャズ名盤の個人的感想など綴ってます。

「Art Blakey and The Jazz Messengers - At The Jazz Corner Of The World Vol. 2 (Blue Note) 1959」

1958年10月30日に世界的な大ヒットを記録した「Art Blakey And The Jazz Messengers - Moanin' (Blue Note BLP-4003)」を録音し、続く欧州巡業の熱狂的な歓迎を受けたアート・ブレイキー(Art Blakey)率いるジャズ・メッセンジャーズ(The Jazz Messengers)。

 

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翌年の1959年03月08日、長年お蔵入りする事となる「Just Coolin' (Blue Note ST-64102)」セッションを録音します。

 

そんな流れを経て1959年04月15日、お馴染みのバードランド(Birdland)で行ったライブの第2弾が「At The Jazz Corner Of The World Vol. 2 (Blue Note BST-84016)」です。

 

「Art Blakey and The Jazz Messengers - At The Jazz Corner Of The World Vol. 2 (Blue Note) 1959」

 

ドラマーのアート・ブレイキー(Art Blakey)率いる、この時、ジャズ・メッセンジャーズ(The Jazz Messengers)在籍していたメンバーは、トランペットのリー・モーガンLee Morgan)、テナーサックスのハンク・モブレーHank Mobley)、ピアノのボビー・ティモンズBobby Timmons)、ベースのジミー・メリット(Jymie Merritt)。

 

リー・モーガンLee Morgan)がデビュー当時から共演し、相性も良かったであろう「M(Mobley) & M(Morgan)」コンビが復活したライブでもありますね。

 

 

アート・ブレイキー(Art Blakey)による懇切丁寧なアナウンスの後演奏されるのがピアニスト、レイ・ブライアントRay Bryant)の作品「Chicken An' Dumplins」。

 


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この曲を取り上げたのは多分、1958年11月09日録音の「Art Blakey - Holiday For Skins Vol. 1 & 2 (Blue Note BLP-4004,4005)」に、レイ・ブライアントRay Bryant)が参加していた「縁」でしょうねえ。

 

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如何にもレイ・ブライアントRay Bryant)といった風情で、何というか、上品さとファンキーさを兼ね備えた曲です。

 

ハンク・モブレーHank Mobley)、リー・モーガンLee Morgan)、ボビー・ティモンズBobby Timmons)とソロが続いた後、フロント陣によるバック・リフが入り、間にアート・ブレイキー(Art Blakey)のドラム・ソロも挟まれます。

 


急速調で演奏される「M & M」は、ハンク・モブレーHank Mobley)の作品。

 

ハンク・モブレーHank Mobley)、リー・モーガンLee Morgan)、ボビー・ティモンズBobby Timmons)と痛快なソロが続き、最後に登場するフロント2人とアート・ブレイキー(Art Blakey)によるソロ交換も、まさに痛快と表現するに相応しい出来です。

 


ゆったりとしたイントロから始まる「Hi-Fly」はピアニスト、ランディ・ウェストン(Randy Weston)の作品で、ジュークボックス向けのシングル盤「Chicken An' Dumplins / Hi-Fly (Blue Note 45-1788)」としても発売された様です。

 


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ちょっと幻想的な雰囲気漂うテーマに続き、リー・モーガンLee Morgan)、ハンク・モブレーHank Mobley)、ボビー・ティモンズBobby Timmons)とソロが続いた後に登場する、セカンド・リフではアート・ブレイキー(Art Blakey)、ジミー・メリット(Jymie Merritt)にさりげなくソロ・スペースが割り当てられます。

 

曲の最後には記載されておりませんが、短めの「The Theme」とピー・ウィー・マーケット(Pee Wee Marquette)の甲高いアナウンスが聴こえます。

 


続く「The Theme」では、9分にも及ぶ熱演を聴く事が出来ます。

 

リー・モーガンLee Morgan)、ハンク・モブレーHank Mobley)、ボビー・ティモンズBobby Timmons)とファンキーなソロが続きますが、ボビー・ティモンズBobby Timmons)のソロの合間に豪快なセカンド・リフが挟まれます。

 


急速調かつシリアスな曲調の「Art's Revelation」はピアニスト、ギルド・マホネス (Gildo Mahones) の作品。

 


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哀愁漂うテーマとソロのバックで、豪快に煽るアート・ブレイキー(Art Blakey)のドラムがたまらないですね。

 

リー・モーガンLee Morgan)、ハンク・モブレーHank Mobley)、ボビー・ティモンズBobby Timmons)と気迫溢れるソロの後、バック・リフを挟んで御大アート・ブレイキー(Art Blakey)の痛快なドラム・ソロを聴く事が出来ます。

 


絶頂期に突入したアート・ブレイキー(Art Blakey)率いるジャズ・メッセンジャーズ(The Jazz Messengers)は後に、ハンク・モブレーHank Mobley)に代わりテナー・サックスのウェイン・ショーターWayne Shorter)を音楽監督として迎え入れる事で、さらなる名演・名盤を生み出す事となります・・・。

 

 

 

Art Blakey and The Jazz Messengers - At The Jazz Corner Of The World Vol. 2 (RVG)
Blue Note BST-84016 / 東芝EMI TOCJ-9208 [2000.07.26]


side 1 (A)
01. Announcement By Art Blakey 0:19
02. Chicken An' Dumplins (Ray Bryant) 7:06
03. M & M (Hank Mobley) 6:39
04. Hi-Fly (Randy Weston) 7:55

side 2 (B)
05. The Theme 9:14
06. Art's Revelation (Gildo Mahones) 8:15


Lee Morgan (tp) Hank Mobley (ts) Bobby Timmons (p) 
Jymie Merritt (b) Art Blakey (ds) Pee Wee Marquette (ann)

April 15, 1959 at Birdland, NYC.