加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

「A Date With Jimmy Smith Vol. 1 (Blue Note) 1957」豪華なオール・スター・セッション(1)

1957年02月11日から13日の3日間に渡り、ニューヨークの「Manhattan Towers」でオルガン・ジャズの革命児、ジミー・スミスJimmy Smith)をリーダーとするオール・スター・セッションが行われました。


曲目により編成やメンバーが入れ替わり録音された大量の演奏はシングル盤で発売された他、「A Date With Jimmy Smith Vol. 1 (Blue Note BLP-1547)」、「A Date With Jimmy Smith Vol. 2 (Blue Note BLP-1548)」、「The Sounds Of Jimmy Smith (Blue Note BLP-1556)」、「Jimmy Smith At The Organ Vol. 1 (Blue Note BLP-1551)」、「Jimmy Smith At The Organ Vol. 2 (Blue Note BLP-1552)」という5枚のアルバムに分散収録される事となります。

 

体裁的にはいわゆる「Jam Session」ではあるのですが流石、ブルーノート(Blue Note Records)が企画したオール・スター・セッションだけあり、その場の雰囲気と勢いに任せた演奏とは一味違う仕上がりとなっております。

 

「A Date With Jimmy Smith Vol. 1 (Blue Note) 1957」豪華なオール・スター・セッション(1)


さて、今回ご紹介する「A Date With Jimmy Smith Vol. 1 (Blue Note BLP-1547)」は、1957年02月11日と13日に録音されたものから拾遺編纂されております。

 

 

「Falling In Love With Love」と「Funk's Oats」の2曲は1957年02月11日の録音。

演奏メンバーはジミー・スミスJimmy Smith)の他、トランペットのドナルド・バードDonald Byrd)、アルトサックスのルー・ドナルドソンLou Donaldson)、テナーサックスのハンク・モブレーHank Mobley)、ギターのエディー・マクファデン(Eddie McFadden)、ドラムスのアート・ブレイキー(Art Blakey)という豪華すぎるメンバーが顔を揃えております。

 

「How High The Moon」は1957年02月13日の録音。

演奏メンバーはジミー・スミスJimmy Smith)の他、ギターのエディー・マクファデン(Eddie McFadden)、ドラムスのドナルド・ベイリー(Donald Bailey)です。

 

 

12分に渡り演奏される1曲目「Falling In Love With Love」は、1957年02月11日に録音されたもの。

 


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ジミー・スミスJimmy Smith)のファンファーレの様なオルガンの音から始まり、トランペットのドナルド・バードDonald Byrd)と、アルトサックスのルー・ドナルドソンLou Donaldson)が順にテーマ・メロディを吹いた後、ハンク・モブレーHank Mobley)のテナーサックス・ソロが始まります。

 

ハンク・モブレーのソロを盛り立てるアート・ブレイキー(Art Blakey)とジミー・スミスのバッキングが大げさすぎるのはご愛敬といった処ですかねえ。

 

続いてギターのエディー・マクファデン(Eddie McFadden)、ジミー・スミスドナルド・バードルー・ドナルドソンと熱いソロが続き、フロント陣とアート・ブレイキーとのオーバーヒート気味なソロ交換へと雪崩込みます。

 

この曲は何かもう、他のメンバーの鼓舞するポイントをしっかり押さえた、アート・ブレイキーのドラムス独り勝ちという風に思われます(笑)。

 

 

2曲目「How High The Moon」は、1957年02月13日に録音されたもので、シングル盤「Jimmy Smith - How High The Moon / Jimmy Smith, Lou Donaldson - Summertime (Blue Note 45-1667)」も発売されております。

 


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ギターのエディー・マクファデン(Eddie McFadden)、ドラムスのドナルド・ベイリー(Donald Bailey)を従えたジミー・スミスJimmy Smith)のレギュラー・トリオによる演奏となっておりまして、寛いだ雰囲気の中、ジミー・スミスのソウルフルなオルガンの音色を堪能出来る1曲です。

 

 

約16分に渡り演奏される、3曲目のソウルフルなブルース「Funk's Oats」は、1957年02月11日に録音されたセッションからで、この曲はまた、シングル盤「Jimmy Smith - Funk's Oats, Part 1 & 2 (Blue Note 45-1677)」としても発売されております。

 

ルー・ドナルドソンLou Donaldson)のブルージーでソウル寄りなアルトサックス・ソロ、ドナルド・バードDonald Byrd)の溌剌としたトランペット・ソロ、ハンク・モブレーHank Mobley)のマイルドなテナーサックス・ソロとフロント陣の演奏が続きます。

 

エディー・マクファデン(Eddie McFadden)の流暢なギター・ソロを経て、ジミー・スミスJimmy Smith)のオルガン・ソロが登場。

 

アート・ブレイキー(Art Blakey)の抑え気味ながら奏者を盛り立てるドラムスをバックに、ジミー・スミスの指が、鍵盤上を縦横無尽に動き回りまっております。

 

 

A Date With Jimmy Smith Vol. 1 (1957)
Blue Note BLP-1547 / 東芝EMI TOCJ-1547 [1996.02.28]

side 1 (A)
01. Falling In Love With Love (Hart, Rodgers)  12:06
02. How High The Moon (Lewis, Hamilton)  5:57

side 2 (B)
03. Funk's Oats (Jimmy Smith)  15:53


#01,03  February 11, 1957 at Manhattan Towers, NYC. [Jimmy Smith Sextet/Trio]

Donald Byrd (tp) Lou Donaldson (as) Hank Mobley (ts) Jimmy Smith (org) 
Eddie McFadden (g) Art Blakey (ds) 


#02  February 13, 1957 at Manhattan Towers, NYC. [Jimmy Smith Trio/Duo/Solo]

Jimmy Smith (org) Eddie McFadden (g) Donald Bailey (ds) 

 

ア・デイト・ウィズ・ジミー・スミスVol.1

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このお祭り的なセッションは、「A Date With Jimmy Smith Vol. 2 (Blue Note BLP-1548)」へと続きます。