加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

Gerry Mulligan & Chet Baker - Carnegie Hall Concert (CTI) 1974

1974年11月24日、ニューヨークのカーネギー・ホール(Carnegie Hall)で行われたジェリー・マリガンGerry Mulligan)とチェット・ベイカーChet Baker)の再会コンサートは、CTICTI Records)により最初2枚のアナログレコード「Gerry Mulligan & Chet Baker - Carnegie Hall Concert (CTI Records CTI-6054/CTI-6055)」として発売され、後にCD1枚にまとめられて発売されました。

 

その他の演奏メンバーはピアノとキーボードがボブ・ジェームスBob James)、ベースがロン・カーターRon Carter)、ドラムスがハーベイ・メイソン(Harvey Mason)、ヴィヴラフォンとパーカッションのデイブ・サミュエルス(Dave Samuels)、そして何とギターがあのジョン・スコフォールド(John Scofield)だったりします。

 

まさに「しまった!ジョン・スコフォールドだ!」という感じですね。

 

確か、CDのライナーノーツで読んだ記憶がありますが、コンサート当日のチェット・ベイカーChet Baker)が大舞台で演奏する事に、かなりナーバスになっていたみたいですね。

 

ネットで調べると、カーネギー・ホール(Carnegie Hall)メイン・ホールは2804席あるそうで。普段、30~50席程度であったろうジャズ・クラブなどを中心に演奏していたチェット・ベイカーChet Baker)が、神経質になるのも不思議ではないかと思ったりします。

 

Gerry Mulligan & Chet Baker - Carnegie Hall Concert (CTI) 1974

 

開演前はかなりナーバスになっていたチェット・ベイカーChet Baker)ではありますが、ジェリー・マリガンGerry Mulligan)の叱咤激励を受けたのか、録音を聴く限り、ちょっと高揚気味かなあ・・・と感じる程度で、冷静さを保った演奏を聴かせてくれます。

 

さて1曲目は、お馴染みの「Line For Lyons」が演奏されております。

 


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ソロはチェット・ベイカーChet Baker)、ジェリー・マリガンGerry Mulligan)に続き、キーボードのボブ・ジェームスBob James)、ギターがジョン・スコフォールド(John Scofield)、ヴィヴラフォンのデイブ・サミュエルス(Dave Samuels)と、軽やかなソロが続いていきます。

 

演奏の最後には、チェット・ベイカーChet Baker)とジェリー・マリガンGerry Mulligan)が同時にソロをとっておりますが、これがまた良かったりしますね。

 

その他、オリジナル・カルテット時代からお馴染みの「My Funny Valentine」、「Bernie's Tune」が演奏されておりますが、このコンサートのもう一つのハイライトは、ジェリー・マリガンGerry Mulligan)の新曲です。

 

 

特にチェット・ベイカーChet Baker)が抜け、ジェリー・マリガンGerry Mulligan)がメインで演奏される7曲目の「K-4 Pacific」が私は大好きで、それが聴きたいがためにこのCDをかける事が多かったりします。

 


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如何にもフュージョンっぽい、リズム隊のキメも多い曲ですが、マイナー調のハードな演奏は、一度ハマると抜け出せない魅力があるように思えます。

 

ソロで登場するボブ・ジェームスBob James)のピアノ、ジョン・スコフォールド(John Scofield)のギター、デイブ・サミュエルス(Dave Samuels)のヴィヴラフォン、ハーベイ・メイソン(Harvey Mason)のドラムが、旧来の曲では様子伺いつつしている演奏している風だったのと比較して、この「K-4 Pacific」では活き活きと演奏している風にも思えます(笑)。

 

8曲目の「There Will Never Be Another You」では唯一、チェット・ベイカーChet Baker)がヴォーカルを披露しております。

 


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Gerry Mulligan & Chet Baker - Carnegie Hall Concert (CTI Records CTI-6054/CTI-6055)」は1970年代のいわゆる、フュージョンサウンドの代表的レコード会社である「CTI Records」から発売されたアルバムなので、硬派ジャズ・ファンには敬遠されているかもしれませんが。

 

チェット・ベイカーChet Baker)だけに的を絞ると、ギャラが良かったのか、あの時代最良の演奏が多く残されているレコード会社であったりします。

 

チェット・ベイカーChet Baker)のファンで、このアルバムを聴いた事の無い方は現在、廉価な日本盤も発売されておりますので、一聴をお勧めしておきます。

 

あと、ジョン・スコフォールド(John Scofield)のまっとうなギター・プレイが、オマケでついてきます(笑)。

 

Gerry Mulligan & Chet Baker - Carnegie Hall Concert (CTI) 1974

Gerry Mulligan & Chet Baker - Carnegie Hall Concert
CTI Records CTI-6054/CTI-6055 / CBS Associated Records ZK-40689 / 
King Records KICJ-8213 [1997.06.21]

Carnegie Hall Concert Vol. 1 (CTI-6054)
side 1 (A)
01. Line For Lyons (Gerry Mulligan)  8:17
02. (Song) For An Unfinished Woman (Gerry Mulligan)  8:53

side 2 (B)
03. My Funny Valentine (Rodgers & Hart)  8:38
04. Song For Strayhorn (Gerry Mulligan)  9:35


Carnegie Hall Concert Vol. 2 (TI-6055)
side 3 (C)
05. It's Sandy At The Beach (Gerry Mulligan)  9:10
06. Bernie's Tune (Bernie Miller)  7:58

side 4 (D)
07. K-4 Pacific (Gerry Mulligan)  11:44
08. There Will Never Be Another You (Harry Warren, Mack Gordon)  6:51


Chet Baker (tp,vo) Ed Byrne (tb) Gerry Mulligan (bs) Dave Samuels (vib,per) 
Bob James (p,el-p) John Scofield (g) Ron Carter (b) Harvey Mason (ds) 

November 24, 1974 at Carnegie Hall, NYC.