1977年に録音された「The Herbie Hancock Trio (CBS/Sony 25AP-650)」から、約4年後の1981年07月28日、東京信濃町にある「CBS/Sony 信濃町スタジオ」にて録音されたアルバムが「Herbie Hancock Trio (CBS/Sony AP-2190)」です。
演奏メンバーは、1960年代マイルス・デイヴィス(Miles Davis)アコーステック・クインテットのリズム隊であるピアノのハービー・ハンコック(Herbie Hancock)、ベースのロン・カーター(Ron Carter)、ドラムスのトニー・ウィリアムス(Tony Williams)というお馴染みの3人です。
日本で開催された大型野外ジャズ・フェスティバルの一つ、「Mt. Fuji Jazz Festival with Blue Note」で、私もこのトリオを生で見た事ありますが、貧乏学生時代であったので、やっすい最後方の席で、音は聴こえるが、姿は豆粒大でしたね(笑)。
同日にこのトリオに新進気鋭のトランペッター、ウイントン・マルサリス(Wynton Marsalis)を加え、アルバム「Herbie Hancock Quartet (Columbia C2-38275)」が録音されているのは興味深いですね。
「CBS/Sony 信濃町スタジオ」にて録音された2枚のアルバム「Herbie Hancock Trio (CBS/Sony AP-2190)」と「Herbie Hancock Quartet (Columbia C2-38275)」は、1981年7月22日から26日まで「田園コロシアム」で開催されたライブ・アンダー・ザ・スカイ (Live Under the Sky)に、「Herbie Hancock & Carlos Santana Band With Wynton Marsalis」で出演した後、翌々日に録音された模様。
しっかしハービーにサンタナ、そしてゲストにウイントン・マルサリスという、個人的にはカオスな感じがするバンドの演奏が日本で聴けたというのも当時、日本の各地で野外ジャズフェスティバルが次々と開催される流れの一環だったんでしょうねえ。
1981年版アコーステック・トリオによる1曲目はベニー・ゴルソン(Benny Golson)作曲の「Stablemates」です。
トニー・ウィリアムス(Tony Williams)がテーマ部はブラシ、ソロに入るとステックに持ち替え、小技を駆使してハービー・ハンコック(Herbie Hancock)の刺激的なソロをサポートします。
2曲目、ハービー・ハンコック(Herbie Hancock)の代表作の一つ「Dolphin Dance」は、ブルーノート(Blue Note Records)時代のテイストを残しつつ、ハービーの刺激的なソロが展開されております。
4曲目の「That Old Black Magic」は、イントロ部分のさりげないアレンジが心地よいですね。
こんな感じのアルバム「Herbie Hancock Trio (CBS/Sony AP-2190)」は、トニー・ウィリアムス(Tony Williams)のでしゃばらず、かっこいいバッキングも聴けるアルバムとも言えますね。しかし頃のトニーは、アコーステック・ピアノ・トリオでも刺激的な演奏してますね。
ジェリ・アレンの「Somethin'else」盤とか、ミッシェル・ペトルチアーニとの競演盤とかでの演奏とは、別人の様(以下自粛)。
Herbie Hancock - Herbie Hancock Trio (1981)
CBS/Sony AP-2190 / Sony SRCS-9172 [1996.12.12]
side 1 (A)
01. Stablemates (Benny Golson) 11:06
02. Dolphin Dance (Herbie Hancock) 10:19
side 2 (B)
03. A Slight Smile (Ron Carter) 9:04
04. That Old Black Magic (H. Arlen/J. Mercer) 8:34
05. La Maison Goree (Tony Williams) 6:41
Herbie Hancock (p) Ron Carter (b) Tony Williams (ds)
July 28, 1981 at CBS/SONY Shinanomachi Studio, Tokyo, Japan.