加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)がジャズ名盤の個人的感想など綴ってます。

「Stan Getz & Kenny Barron - People Time (Verve/Gitanes Jazz) 1991」公式最後の録音


先日、阿賀野市の出湯温泉街にある石川さんが経営する愛着珈琲でこのアルバムを聴き、速攻で図書館(ほんぽーと)から最新リマスターCD借りてきました。

前から持ってたCDですが、1990年代に発売されたものなんで、音がショボくて(笑)。

 

ライナーノートを読んでたら色々と面白い情報が載ってたんで、勢いでアルバムの紹介もしちゃいます(笑)。

 

「Stan Getz & Kenny Barron - People Time (Verve/Gitanes Jazz) 1991」公式最後の録音

「People Time (Verve/Gitanes Jazz) 」は、デンマークコペンハーゲンのライブ・スポット「カフェ・モンマルトル(Jazzhus Montmartre)」で録音されたスタン・ゲッツStan Getz)とケニー・バロン(Kenny Barron)のデュオアルバム。

 

約3ヶ月後の1991年06月06日、惜しくも膵臓癌で亡くなったスタン・ゲッツ公式最後の録音です。

 

ケニー・バロンのいつになく饒舌なピアノをバックに、美しいメロディを紡ぎだすゲッツ。癌を患い闘病中である事を感じさせない素晴らしい演奏の連続に、いつの間にか引き込まれていきます。

もしかすると癌からくる痛みを忘れるため、演奏に没入していたのかもしれません。

1音1音に感情を込めたソロを聴いていると、3ヶ月後に世を去ってしまったのが思わず「嘘だ!」と叫びたくなりますね。

 

Stan Getz & Kenny Barron - People Time (1991)

Verve/Gitanes Jazz P2-10823 / EmArcy(F) 510 136-2 / Universal Music UCCU-5313/5314 [2005.06.22]

 

Stan Getz (ts) Kenny Barron (p) 
March 3-6, 1991 at Jazzhus Montmartre, Copenhagen, Denmark.

 

People Time [Disc 1]

01. East Of The Sun (And West Of The Moon) (B. Bowman) 9:29
02. Night And Day (Cole Porter) 8:16
03. I'm Okay (Eddie Del Barrio) 5:24
04. Like Someone In Love (J. V. Heusen, J. Burke) 8:02
05. Stablemates (Benny Golson) 8:46
06. I Remember Clifford (Benny Golson) 9:03
07. Gone With The Wind (A. Wrubel, H. Magidson) 7:11


People Time [Disc 2]

01. First Song (For Ruth) (Charlie Haden) 9:55
02. (There Is) No Greater Love (Isham Jones, Marty Symes) 8:36
03. The Surrey With The Fringe On Top (R. Rodgers, O. Hammerstein II) 9:21
04. People Time (Benny Carter) 6:14
05. Softly, As In A Morning Sunrise (O. Hammerstein II, S. Romberg) 7:54
06. Hush-A-Bye (A. Thomas, J. Seelen, S. Fain) 9:32
07. Soul Eyes (Mal Waldron) 7:31

 

スタン・ゲッツStan Getz)は1950年代、クール派のテナー奏者として頭角を現した後、1962年にはボサノヴァ・ジャズを世界的にヒットさせてます。

1967年にはチック・コリアらを擁したカルテットで「Sweet Rain (Verve)」を録音するなど、時代の流れに上手く乗りつつ演奏活動を続けておりました。

 

 

また1989年には電子楽器を導入し、ブラジル風ポップスを取り入れた「Apasionado  (A&M 75021 5297-2)」を録音。

 

Apasionado

Apasionado

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翌1990年、「Apasionado」収録曲を演奏するセクステットと、従来のアコーステック・カルテットの二本立てでツアーを行い、後年「The Final Concert Recording  (Eagle Jazz CD WK 55891)」という2枚組アルバムで発売されました。

 

 

1990年のツアーの様子は、NHK-FMの「Jazz In Europe」という特番で放送され、CDが発売されるまで長年、そのエアチェックテープを愛聴していたものです。

 

しかし、西海岸で活躍したチェット・ベイカーChet Baker)同様、スタン・ゲッツも初期より晩年の録音の方に心惹かれるアルバムが多いのは何故なんだか・・・。

 

ちなみに私的には、最晩年に録音されたアルバム群がお気に入りだったりします。

 

 

2010年頃にBOXセットが発売されたようですが、すでに品切れ。

現在は、コレクターズ価格で取引されている模様。