加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)がジャズ名盤の個人的感想など綴ってます。

「Kenny Burrell - Blue Lights Vol. 1 (Blue Note) 1958」期待の若手顔見せ興行的なアルバム(1)

「Blue Lights Vol. 1 (Blue Note BLP-1596)」は、ギターの名手、ケニー・バレルKenny Burrell)をリーダーに据え、今後、ブルーノート(Blue Note Records)での活躍がいっそう期待される若手を中心に集められたっぱい感じの、1958年05月14日に行われたスタジオ・ジャム・セッション風の録音です。

 

「Kenny Burrell - Blue Lights Vol. 1 (Blue Note) 1958」期待の若手顔見せ興行的なアルバム(1)

アルバム・ジャケットを飾る色っぽいおねーさんが描かれたイラストは、後にポップ・アートの巨匠となるアンディ・ウォーホルAndy Warhol)の手によるものです。

 

ケニー・バレルKenny Burrell)以外のメンバーとしては、まず、フロントには複数のホーン奏者を配しており、今回のメンバーはトランペットのルイ・スミス(Louis Smith)、テナー・サックスのティナ・ブルックス(Tina Brooks)、同じくテナー・サックスのジュニア・クック(Junior Cook)という3名。

 

リズム・セクションはピアノのデューク・ジョーダンDuke Jordan)と、同じくピアノのボビー・ティモンズBobby Timmons)が参加しておりますが、録音記録を眺めると前半がデューク・ジョーダン、後半がボビー・ティモンズがピアノの席に座っており、共演はないようです。

 

リズム隊の要であるベースのサム・ジョーンズSam Jones)、ドラムスのアート・ブレイキー(Art Blakey)の2名のみ、全曲参加といった具合です。

 

 

まず、ピアノにデューク・ジョーダンDuke Jordan)が座るセッションから。

 

11分にも及ぶダウン・トゥ・アースな1曲目「Yes Baby」は、ケニー・バレルKenny Burrell)の自作曲で、シングル盤「Kenny Burrell - Yes Baby, Part 1 & 2 (Blue Note 45-1716)」としても発売されている様です。

 


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かなりねちっこいテーマに続いてケニー・バレルKenny Burrell)のシングルトーンによる朴訥なギター・ソロが始まります。

 

ソロ2番手はダークなテナー・サックスのティナ・ブルックス(Tina Brooks)、続いてトランペットのルイ・スミス(Louis Smith)が登場しますが、スミスはブラウニーライクな魅力的なソロを聴かせてくれます。

 

やや明るめの音色で高速フレーズを吹きまくるテナー・サックスのジュニア・クック(Junior Cook)、ピアノのデューク・ジョーダンDuke Jordan)はシングルトーンで洗練されたソロを聴かせてくれております。

 

最後にベースのサム・ジョーンズSam Jones)が登場しますが、一番ファンキーなソロを弾いてる様に思われます。

 

 

約8分の2曲目「Scotch Blues」は、デューク・ジョーダンDuke Jordan)の自作曲。

 

テーマ部で何とも摩訶不思議なフレーズを弾くケニー・バレルKenny Burrell)が最初にファンキーなソロを聴かせてくれます。

 

続くティナ・ブルックス(Tina Brooks)もファンキーよりのハード・バップなソロを聴かせ、ルイ・スミス(Louis Smith)はハード・バップど真ん中なソロ・フレーズを連発し、ジュニア・クック(Junior Cook)もややブルージーなソロで攻めてますね。

 

デューク・ジョーダンDuke Jordan)は珍しくバド・パウエルBud Powell)っぽい感じのフレーズを連発、アート・ブレイキー(Art Blakey)の短いドラム・ソロを経て後テーマに雪崩れ込んでいきます。

 


3、4曲目にはピアノにボビー・ティモンズBobby Timmons)が座っております。

 

6分弱の3曲目「Autumn In New York」では、ケニー・バレルKenny Burrell)の奏でる美しいギターの音色とソロをじっくりと堪能出来ます。

 

 

10分弱の4曲目「Caravan」は、デューク・エリントン楽団でお馴染みの曲。

 


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ソロはルイ・スミス(Louis Smith)、ジュニア・クック(Junior Cook)、ティナ・ブルックス(Tina Brooks)、ケニー・バレルKenny Burrell)、ボビー・ティモンズBobby Timmons)、アート・ブレイキー(Art Blakey)の順で演奏されていきます。

 

それぞれ持ち味を生かした個性的なソロを聴かせてくれますが、中でもトランペットのルイ・スミス(Louis Smith)のソロが抜きん出て素晴らしく、次点がドラムスのアート・ブレイキー(Art Blakey)かな?

 

 

 

Kenny Burrell - Blue Lights Vol. 1 (SBM)
Blue Note BLP-1596 / CDP 7243 8 57184 2 7 [1997.06.15]

side 1 (A)
01. Yes Baby (Kenny Burrell)  11:05
02. Scotch Blues (Duke Jordan)  7:56

side 2 (B)
03. Autumn In New York (Vernon Duke)  5:44
04. Caravan (Ellington, Mills, Tizol)  9:55

 

#01,02  May 14, 1958 at Manhattan Towers, NYC.

Louis Smith (tp) Tina Brooks (ts) Junior Cook (ts) 
Duke Jordan (p) Kenny Burrell (g) Sam Jones (b) Art Blakey (ds) 


#03,04  May 14, 1958 at Manhattan Towers, NYC.

Louis Smith (tp #4) Tina Brooks (ts #4) Junior Cook (ts #4) 
Bobby Timmons (p) Kenny Burrell (g) Sam Jones (b) Art Blakey (ds) 

 

 

 

 

Blue Lights 1 & 2

Blue Lights 1 & 2

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