加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

「Kenny Burrell - Blue Lights Vol. 2 (Blue Note) 1958」期待の若手顔見せ興行的なアルバム(2)

「Blue Lights Vol. 2 (Blue Note BLP-1597)」は、ギターの名手、ケニー・バレルKenny Burrell)をリーダーに据え、今後、ブルーノート(Blue Note Records)での活躍がいっそう期待される若手を中心に集められたっぽい風情の、1958年05月14日に行われたスタジオ・ジャム・セッション風の録音であり、「Blue Lights Vol. 1 (Blue Note BLP-1596)」に続く2枚目のアルバムです。

 

「Kenny Burrell - Blue Lights Vol. 2 (Blue Note) 1958」期待の若手顔見せ興行的なアルバム(2)

アルバム・ジャケットを飾る色っぽいおねーさんが描かれたイラストは、後にポップ・アートの巨匠となるアンディ・ウォーホルAndy Warhol)の手によるものです。

 


ケニー・バレルKenny Burrell)以外のメンバーは、まずフロントに3名のホーン奏者を配しており、具体的にはトランペットのルイ・スミス(Louis Smith)、テナー・サックスのティナ・ブルックス(Tina Brooks)、同じくテナー・サックスのジュニア・クック(Junior Cook)。

 

リズム・セクションは、録音の前半がピアノのデューク・ジョーダンDuke Jordan)と、後半には同じくピアノのボビー・ティモンズBobby Timmons)が参加し、共演はない模様。

 

リズム隊の要、ベースのサム・ジョーンズSam Jones)、ドラムスのアート・ブレイキー(Art Blakey)の2名全曲参加といった具合です。

 

 

さて「Vol. 2」は、ピアノにボビー・ティモンズBobby Timmons)が座るセッションから始まりますので1曲目と、続いて同じセッションの3曲目も紹介していきます。

 

11分強のブルージーかつファンキーな1曲目「Rock Salt」は、ケニー・バレルKenny Burrell)の自作曲で、シングル盤「Kenny Burrell - Rock Salt, Part 1 & 2 (Blue Note 45-1717)」としても発売された模様。

 


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余裕たっぷりにきらめく音色でソロを聴かせるルイ・スミス(Louis Smith)、抑え気味ながらアラビアンスケールなど混ぜつつ攻めるジュニア・クック(Junior Cook)、骨太ファンキーなフレーズを聴かせるケニー・バレルKenny Burrell)、平凡なソロから徐々に自身の個性を出してくるティナ・ブルックス(Tina Brooks)、ファンキーなソロを聴かせるボビー・ティモンズBobby Timmons)とサム・ジョーンズSam Jones)という感じで、見事なソロ・リレーが続きます。

 

 

12分強の3曲目「Chuckin'」は、サム・ジョーンズSam Jones)の作品でテーマはケニー・バレルKenny Burrell)とサム・ジョーンズのユニゾンで始まり、間にボビー・ティモンズBobby Timmons)が挟まる感じ。

 

ソロ最初に登場するボビー・ティモンズBobby Timmons)はかなりファンキーで、続くケニー・バレルKenny Burrell)もノッてますね。

 

ややブルージーなティナ・ブルックス(Tina Brooks)、ルイ・スミス(Louis Smith)、ジュニア・クック(Junior Cook)、サム・ジョーンズSam Jones)。

 

最後は、ドラムスのアート・ブレイキー(Art Blakey)相手に3人のホーン奏者とケニー・バレルが4小節ソロ交換で演奏を盛り上げていきます。

 

 

残る2、4曲目はピアノにデューク・ジョーダンDuke Jordan)が座るセッションとなります。

 

7分弱の2曲目「The Man I Love」は、珍しくベースのサム・ジョーンズSam Jones)がテーマを弾き、そのままファンキーなソロに突入していきます。

 

続くルイ・スミス(Louis Smith)も好調ですね、デューク・ジョーダンDuke Jordan)の端正なソロも聴き処の一つかと。

 

 

アップテンポで演奏される10分弱の4曲目「Phinupi」は、ケニー・バレルKenny Burrell)の自作曲。

 


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軽快に飛ばすジュニア・クック(Junior Cook)、きっちりとスイングしつつ豪快なソロを展開するルイ・スミス(Louis Smith)、端正なソロを弾くケニー・バレルKenny Burrell)、珍しく明るいソロで迫るデューク・ジョーダンDuke Jordan)、豪快さの中に繊細さが見え隠れするドラム・ソロを聴かせるアート・ブレイキー(Art Blakey)と、アルバムのエンディングに相応しいソロ・リレーが続きます。

 

 

ハード・バップ・ジャズからファンキー・ジャズに移行する狭間に録音されたアルバムであるため、少し違和感めいた印象を長年持っていたアルバムではありましたが、好調なケニー・バレルKenny Burrell)を筆頭に、ルイ・スミス(Louis Smith)、ティナ・ブルックス(Tina Brooks)、ジュニア・クック(Junior Cook)ら若手ホーン奏者の好演、ピアノのデューク・ジョーダンDuke Jordan)とボビー・ティモンズBobby Timmons)が曲により入れ替わる事で生じる雰囲気の差異、ベースのサム・ジョーンズSam Jones)とドラムスのアート・ブレイキー(Art Blakey)の堅実なるサポートなど、色々な視点から、お楽しみいただける作品だと思います。

 

最後に、全編で寡作というか、幻のトランペッターであったルイ・スミス(Louis Smith)の快演が聴ける事は、特筆事項かと思われます。

 

 

Kenny Burrell - Blue Lights Vol. 2 (SBM)
Blue Note BLP-1597 / CDP 7243 8 57184 2 7 [1997.06.15]

side 1 (A)
01. Rock Salt (Kenny Burrell)  11:19
02. The Man I Love (Gershwin)  6:43

side 2 (B)
03. Chuckin' (Sam Jones)  12:10
04. Phinupi (Kenny Burrell)  9:45


#02,04  May 14, 1958 at Manhattan Towers, NYC.

Louis Smith (tp) Junior Cook (ts #4) 
Duke Jordan (p) Kenny Burrell (g) Sam Jones (b) Art Blakey (ds) 


#01,03  May 14, 1958 at Manhattan Towers, NYC.

Louis Smith (tp) Junior Cook (ts) 
Bobby Timmons (p) Kenny Burrell (g) Sam Jones (b) Art Blakey (ds) 

 

 

 

Blue Lights 1 & 2

Blue Lights 1 & 2

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