「Art Blakey and The Jazz Messengers - The Big Beat +1 (Blue Note) 1960」ウェイン・ショーター加入第1弾
アート・ブレイキー(Art Blakey)率いる「The Jazz Messengers」が、音楽監督兼テナーサックス奏者としてウェイン・ショーター(Wayne Shorter)を迎え入れたスタジオ録音第1弾が、今回ご紹介する1960年03月06日に録音されたアルバム「The Big Beat (Blue Note BLP-4029)」です。
トランペットのリー・モーガン(Lee Morgan)、ピアノのボビー・ティモンズ(Bobby Timmons)、ベースのジミー・メリット(Jymie Merritt)というメンバーによる演奏は、1961年の熱狂的な歓迎を受けた日本公演での実況録音等でも聴く事が出来ます。
1958年10月30日に録音された「Moanin' (Blue Note BLP-4003)」に連なるファンキー路線は維持しつつ、モード奏法を導入する事で、やや洗練された演奏となっております。
1曲目の「The Chess Players」は、ウェイン・ショーター(Wayne Shorter)の作品。
ファンキー路線は維持しつつも、シリアスで洗練された演奏が繰り広げられております。
2曲目の「Sakeena's Vision」も、ウェイン・ショーター(Wayne Shorter)の作品。
ややアップテンポ気味な演奏ですが、リー・モーガン(Lee Morgan)、ウェイン・ショーター(Wayne Shorter)、アート・ブレイキー(Art Blakey)の順で、それぞれの個性を前面に押し出した魅力的なソロが続きます。
3曲目の「Politely」は、前任トランペット奏者でもあるビル・ハードマン(Bill Hardman)の作品。
「Moanin'」タイプのファンキーな演奏となっており、ジミー・メリット(Jymie Merritt)のベースソロをたっぷり聴く事が出来ます。
4曲目の「Dat Dere」は、ボビー・ティモンズ(Bobby Timmons)が書いた人気曲。
ファンキー風味のやや複雑でキメの多いテーマを経て、リー・モーガン(Lee Morgan)、ウェイン・ショーター(Wayne Shorter)、ボビー・ティモンズ(Bobby Timmons)とソロが続きますが、絶頂期にある彼らのソロは文句のつけようがないですね。ソロの後に登場するマーチ風のセカンド・テーマもまたよし。
5曲目の「Lester Left Town」は、ウェイン・ショーター(Wayne Shorter)の作品。
哀愁漂うハードバップ系統の曲で、ウェイン・ショーター(Wayne Shorter)、リー・モーガン(Lee Morgan)と存分にはち切れんばかりの魅力的なソロを聴かせてくれます。
6曲目の「It's Only A Paper Moon」は、古典的な名曲に、モード奏法を取り入れているであろう、大胆なアレンジを施した1曲。
ウェイン・ショーター(Wayne Shorter)お得意のマジカルな雰囲気を混ぜつつ、爽快な疾走感が心地よい演奏が続きます。
CD再発時に追加された「It's Only A Paper Moon (alternate take)」は本テイクより、ややテンポを落とした演奏となっております。
Art Blakey and The Jazz Messengers - The Big Beat +1 (RVG)
Blue Note BLP-4029 / 7243 5 63800 2 8 [2005] RVG Edition
side 1 (A)
01. The Chess Players (Wayne Shorter) 9:31
02. Sakeena's Vision (Wayne Shorter) 6:02
03. Politely (Bill Hardman) 6:01
side 2 (B)
04. Dat Dere (Bobby Timmons) 8:44
05. Lester Left Town (Wayne Shorter) 6:23
06. It's Only A Paper Moon (Rose, Harburg, Arlen) 6:36
Bonus Track
07. It's Only A Paper Moon (alternate take) (Rose, Harburg, Arlen) 6:18
Lee Morgan (tp) Wayne Shorter (ts) Bobby Timmons (p) Jymie Merritt (b)
Art Blakey (ds)
March 6, 1960 at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
以前ご紹介したアート・ブレイキー(Art Blakey)関連のアルバム・リンクも貼っておきます。