加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

「Art Blakey and The Jazz Messengers - 'S Make It (Limelight) 1964」リー・モーガンの快演

「Art Blakey and The Jazz Messengers」が1964年11月14日、16日、25日の3日間かけて録音したアルバムが「'S Make It (Limelight LS-86001)」です。

 

音楽監督であったウェイン・ショーター(Waynes Shorter)が抜け、バンドとしてのまとまりにはやや欠ける気がしますが、多分、音楽監督の座を引き継いだであろう、リー・モーガンLee Morgan)の快演が心地よいアルバムでございます。

 

「Art Blakey and The Jazz Messengers - 'S Make It (Limelight) 1964」

 

さて、「'S Make It (Limelight LS-86001)」が録音された時期は、バンド・メンバーが入れ替わり、録音するレコード会社もブルーノート(Blue Note Records)から「Limelight」に移っていたりします。

 

リーダーのアート・ブレイキー(Art Blakey)の他、トランペットには復帰したリー・モーガンLee Morgan)、トロンボーンカーティス・フラーCurtis Fuller)、テナーサックスのジョン・ギルモア(John Gilmore)、ピアノのジョン・ヒックス(John Hicks)、ベースのビクター・スプロールズ(Victor Sproles)という感じで、ブルーノート(Blue Note Records)で録音された「Indestructible (Blue Note BST-84193)」と、大幅にメンバーが入れ替わっておりますね。

 

長年バンドで音楽監督を務めていたウェイン・ショーター(Waynes Shorter)は、マイルス・デイヴィスMiles Davis)に半ば強引に引き抜かれ、1964年09月末の欧州演奏旅行に同行しております・・・。

 

 

ブルーノート(Blue Note Records)時代と比較すると、各曲の演奏時間が6分以内に収まり、明るく楽しい演奏多めになっている感じですかね・・・。

 

1曲目「Faith (From The Broadway Musical "I Had A Ball")」は、4分弱と短い演奏ながらも、トロンボーンカーティス・フラーCurtis Fuller)、トランペットのリー・モーガンLee Morgan)のはちきれんばかりな溌剌としたソロを聴く事が出来ます。

 


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2曲目「'S Make It」は、チャッチーでファンキーなテーマが印象的なリー・モーガンLee Morgan)からの提供曲。

 


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切れ味するどく余裕たっぷりなソロを聴かせるリー・モーガンLee Morgan)、豪快にブローするカーティス・フラーCurtis Fuller)、ツボを押さえたファンキーなソロを聴かせるジョン・ヒックス(John Hicks)、やや癖のある音色でホンカーの如きブローを聴かせるジョン・ギルモア(John Gilmore)と、各メンバーのソロを聴き処満載。

 

 

3曲目「Waltz For Ruth」は、3拍子で書かれたジョン・ヒックス(John Hicks)の作品。キュートで明るめな曲調で各メンバーの軽快なソロが続きます。

 

4曲目「One For Gamal」は、これまた軽快でファンキー風味なリー・モーガンLee Morgan)の作品。

リー・モーガンLee Morgan)、カーティス・フラーCurtis Fuller)の肩肘張らないソロもいいですね。

 

5曲目「Little Hughie」は、ちょっとジャズ・ロック風味なカーティス・フラーCurtis Fuller)の作品。

 


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ホンカーみたいなブローを聴かせるジョン・ギルモア(John Gilmore)、ジャズ・ロックならお手のもの・・・という風情で豪快にブローするリー・モーガンLee Morgan)、タンギング強めにブローするカーティス・フラーCurtis Fuller)、ファンキー・ピアノのツボを押さえたソロを聴かせてくれるジョン・ヒックス(John Hicks)と、メンバーそれぞれの個性を楽しむ事が出来る1曲であります。

 

 

6曲目「Olympia」は、ジョン・ヒックス(John Hicks)の書いたバラッド風味の曲。

ソロ1番手に登場するリー・モーガンLee Morgan)の吹き過ぎないソロが素晴らしいですね。

 

 

7曲「Lament For Stacy」は、シリアスな雰囲気漂うリー・モーガンLee Morgan)の作品。

バラッドを吹くリー・モーガンLee Morgan)の凄さを実感出来る1曲であります。

 

 

Art Blakey and The Jazz Messengers - 'S Make It
Limelight LS-86001 / Universal Music UCCM-9098 [2002.07.24]


side 1 (A)
01. Faith (From The Broadway Musical "I Had A Ball") (J. Lawrence, S. Freeman)  3:42
02. 'S Make It (Lee Morgan)  5:38
03. Waltz For Ruth (John Hicks)  5:44
04. One For Gamal (Lee Morgan)  3:38

side 2 (B)
05. Little Hughie (Curtis Fuller)  5:33
06. Olympia (John Hicks)  5:48
07. Lament For Stacy (Lee Morgan)  5:35


Art Blakey and The Jazz Messengers
Lee Morgan (tp) Curtis Fuller (tb) John Gilmore (ts) John Hicks (p) 
Victor Sproles (b) Art Blakey (ds) 

November 14, 16 and 25, 1964 at Radio Recorders, Los Angeles, CA.

 

 

 

マイルス・デイヴィスMiles Davis)にウェイン・ショーター(Waynes Shorter)を引き抜かれる直前の1964年02月20日にはアルバム「Art Blakey And The Jazz Messengers - Kyoto (Riverside RM-493)」を。

 

kaji-jazz.hatenablog.com

 

 

1964年04月から05月にかけアルバム「Art Blakey And The Jazz Messengers - Indestructible (Blue Note BST-84193)」を録音しております。

 

kaji-jazz.hatenablog.com

 

 

また、1964年08月11日にはアート・ブレイキー(Art Blakey)をドラムスに迎えた「Lee Morgan - Tom Cat (Blue Note LT-1058)」が録音されておりますね。

 

トム・キャット

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Tom Cat

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