アート・ブレイキー率いるジャズ・メッセンジャーズ(Art Blakey and The Jazz Messengers)が残したアルバムの中で、一番地味で聴く機会が少ないのがこの「京都(Kyoto)」ではないかと思われます。
今日、どの音源紹介しようかな・・・と、パソコンデータを眺めていたら、このアルバムが目についたので。
最初OJC盤のレコードで持っていたのですが、都合で一回手放した後、つい最近CDで再入手したもの聴いてます。
さて、1961年初来日の際、各地で大歓待を受けたアート・ブレイキー(Art Blakey)。
そんな経緯で親日家であった事は容易に想像つきますが、アルバムタイトルに日本の古都「京都(Kyoto)」と命名するまで入れ込んでいたというのも驚きでした。
3管編成のフロントは、トランペットのフレディ・ハバード(Freddie Hubbard)、トロンボーンのカーティス・フラー(Curtis Fuller)、テナーサックスのウェイン・ショーター(Wayne Shorter)という鉄壁のメンバーが顔を揃えてます。
リズムセクションはピアノのシダー・ウォルトン(Cedar Walton)、ベースのレジー・ワークマン(Reggie Workman)に御大アート・ブレイキー(Art Blakey)という布陣。
1曲目、アップテンポで演奏される「The High Priest」はカーディス・フラー(Curtis Fuller)の作曲。
タイトルは身分の高い僧「高僧」や「僧正」を意味しているようですが、京都には寺院が多いですからねえ。
低音の効いた3管ならではのテーマ・アンサンブルは、この時期のジャズ・メッセンジャーズならでは。
2曲目「Never Never Land」は、スローテンポで演奏される美しいバラッド。
3曲目「Wellington's Blues」は、アート・ブレイキー(Art Blakey)自作のファンキーなブルース。
ヴォーカルの方は、アート・ブレイキーの親族の方でしょうか(詳しく調べてません)。
4曲目「日本橋(Nihon Bash)」は日本の人気ジャズミューシャン、渡辺貞夫さん作曲のようです。
東洋を色濃く感じさせる旋律は、ウェイン・ショーター(Wayne Shorter)のマジカルなソロにぴったり。
5曲目「京都(Kyoto)」は、3拍子で演奏されるフレディ・ハバード(Freddie Hubbard)の曲。
ピアノとベースの印象的なイントロから、ミディアム・テンポの3拍子でテーマが演奏されると、あー、如何にもフレディらしい曲だなあ・・・と思ったりします。
Art Blakey and The Jazz Messengers - Kyoto (1964)
Riverside RS-9493 / Universal Music UCCO-9441 [2008.06.18]
side 1 (A)
01. The High Priest (Curtis Fuller) 5:55
02. Never Never Land (Green, Comden, Styne) 5:50
03. Wellington's Blues (Art Blakey) 5:03
side 2 (B)
04. Nihon Bash (Sadao Watanabe) 8:30
05. Kyoto (Freddie Hubbard) 7:03
Art Blakey and The Jazz Messengers
Freddie Hubbard (tp) Curtis Fuller (tb) Wayne Shorter (ts) Cedar Walton (p)
Reggie Workman (b) Art Blakey (ds) Wellington Blakey (vo #5)
February 20, 1964 in NYC.
まあ、アルバム「京都(Kyoto)」は、まさに「知る人ぞ知る」というアルバムではないかと。
日本でもあまり再発回数されないため、中古市場のCDがそれなりの価格で取引きされておりました。
収録曲が5曲32分とコンパクトすぎて、別テイクなどの追加曲収録もないのも、積極的に再発されない要因なのかなあ・・・と思ったりします。
アート・ブレイキー率いるジャズ・メッセンジャーズ(Art Blakey and The Jazz Messengers)が残した日本語タイトルのアルバムでは、「雨月 (Ugetsu)」というライブ盤が有名だと思います。
「雨月 (Ugetsu)」は、私も結構好きな1枚。