フリージャズの先駆者、オーネット・コールマン(Ornette Coleman)や、彼の演奏に感化されて過激な演奏に手を染めたジョン・コルトレーン(John Coltrane)らの影響をモロに受け、60年代を疾走してきたジャッキー・マクリーン(Jackie McLean)。
過激な時代の熱気孕む1967年に録音されたのが、人気盤「Demon's Dance (Blue Note BST-84345)」です。
私の場合、ウディ・ショウ(Woody Shaw)の熱い演奏と、日本でやたら人気の高い名曲「Sweet Love Of Mine」聴きたさに棚から取り出すのですが。
1曲目のオドロオドロしい「Demon's Dance」。
何だかエルヴィン・ジョーンズ(Elvin Jones)っぽいドラムだなーと、メンバー確認すると、ドラムはジャック・ディジョネット(Jack DeJohnette)なんですね。
ついでに、マッコイ・タイナー(McCoy Tyner)っぽいピアノを弾いてるのは、ラモント・ジョンソン(Lamont Johnson)です。
解散寸前の熟成しきったジョン・コルトレーン(John Coltrane)カルテットに通じる、むせかえるような熱さ、これが60年代後半の雰囲気なんでしょうか。
一転して2曲目はカル・マッセイ(Cal Massey)作曲、辛口バラッドの「Toyland」。
熱い3曲目の「Boo Ann's Grand」は、時代の息吹感じる熱風吹き付けるウディ・ショウの作品ですね。
哀愁漂う4曲目、ボサ・ノバ風ビートに乗せた「Sweet Love Of Mine」は、ソロ後半、ウディ・ショウの歯止め利かない凄まじいブローが聴き所です。
そういえばこの曲、「Lee Morgan - Cornbread(BST-84222)」に収録されたリー・モーガンの名曲「Ceora」にも通じるものがありますね。
5曲目、テーマ部でリズムが目まぐるしく変わる「Floogeh」。
比較的オーソドックスなソロをとるマクリーンに吃驚します(笑)。続くウディ・ショウも余裕たっぷり、快調に飛ばします。
ラスト6曲目は、カル・マッセイ作曲の「Message From Trane」。
カル・マッセイの曲は、リー・モーガンがよく演奏していましたね。
これ真面目に聴いてみると、何となく曲調が「Giant Steps」に似ている気がします。
Jackie McLean - Demon's Dance (RVG)
Blue Note BST-84345 / 東芝EMI TOCJ-9112 [1999.07.23]
side 1 (A)
01. Demon's Dance (Jackie McLean) 7:10
02. Toyland (Cal Massey) 5:24
03. Boo Ann's Grand (Woody Shaw) 6:59
side 2 (B)
04. Sweet Love Of Mine (Woody Shaw) 6:05
05. Floogeh (Jackie McLean) 5:23
06. Message From Trane (Cal Massey) 5:29
Woody Shaw (tp,flh) Jackie McLean (as) Lamont Johnson (p)
Scott Holt (b) Jack DeJohnette (ds)
December 22, 1967 at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
60年代の熱気孕んだ熱い作品、体調万全にしてお聴き下さいませ。