「Donald Byrd - Byrd In Flight (Blue Note) 1960」ハードバップ・ファンにお勧めなアルバム
ドナルド・バード(Donald Bryd)のアルバム「Byrd In Flight (Blue Note BLP-4048)」は、1960年01月17日と25日のセッションの相方がハンク・モブレー(Hank Mobley)、1960年07月25日のセッションの相方はジャッキー・マクリーン(Jackie McLean)というハードバップ・ファンには感涙モノの、さりげに豪華なメンバーが揃ったアルバムです。
またアルバム「Byrd In Flight (Blue Note BLP-4048)」に収録された曲は2枚のシングル「Donald Byrd - Little Boy Blue / Gate City (Blue Note 45-1798)」、「Donald Byrd - Bo / Ghan (Blue Note 45-1799)」としても発売されております。
またこれらのセッションで録音された曲は未発表含め、1960年11月11日に録音された2枚のライブ・アルバム「Donald Byrd - At The Half Note Cafe Vol.1 (Blue Note BLP-4060)」、「Donald Byrd - At The Half Note Cafe Vol.2 (Blue Note BLP-4061)」でも聴く事が出来ます。
蛇足ですが、私所有の1996年に発売された「Blue Note Connoisseur Series」の1枚「Donald Byrd - Byrd In Flight(Blue Note CDP 7243 8 52435 2 3)」には、「Child's Play (Duke Pearson)」、「Carol (Donald Byrd)」、「Soulful Kiddy (Donald Byrd)」の3曲が追加収録されております。
現在、入手困難ではありますが中古屋さん等で見かけた場合は、即確保される事を推奨致します。
しかし約30年間、他の超有名アルバムではやや出来の悪い別テイクまで「新発見!」とか言って既存CDに収録する日本の某レコード会社が、このアルバムになるとすでに公表されてる3曲を追加した日本盤CDを発売してくれいないのが、長年の謎だったりするんなんですけど・・・。
さて、1、3、4,7~9曲目が1960年01月17日と25日のセッションで、トランペットのドナルド・バード(Donald Bryd)の他、フロントの相方がテナー・サックスのハンク・モブレー(Hank Mobley)、リズム隊はピアノがデューク・ピアソン(Duke Pearson)、ベースがダグ・ワトキンス(Doug Watkins)、ドラムスがレックス・ハンフリーズ(Lex Humphries)です。
2,5、6曲目は1960年07月25日のセッションで、トランペットのドナルド・バード(Donald Bryd)の他、フロントの相方がアルト・サックスのジャッキー・マクリーン(Jackie McLean)、リズム隊はピアノがデューク・ピアソン(Duke Pearson)、ベースがレジナルド・ワークマン(Reginald Workman)、ドラムスがレックス・ハンフリーズ(Lex Humphries)で、2曲目「Little Boy Blue」はジャッキー・マクリーン(Jackie McLean)が抜けたカルテットによる演奏となっております。
1曲目「Ghana」は、ドナルド・バード(Donald Bryd)の自作曲で、印象的なイントロに続き、緩急激しいリズミックでキャッチーなテーマがフロントの二人によって演奏されます。
続くドナルド・バード(Donald Bryd)の優雅かつ伸びやかなソロ、デューク・ピアソン(Duke Pearson)の端正で知性的なピアノ・ソロ、ハンク・モブレー(Hank Mobley)のこれまた理知的なソロと続いた後、レックス・ハンフリーズ(Lex Humphries)の情熱的なドラムソロと、魅惑的なソロが続きます。
2曲目「Little Boy Blue」は、カルテットによる演奏で、ドナルド・バード(Donald Bryd)お得意のバラッド・プレイを堪能出来る1曲です。
3曲目「Gate City」は、デューク・ピアソン(Duke Pearson)の作品で、確か「Duke Pearson - Profile (Blue Note BLP-4022)」では、「Gate City Blues」という曲名で演奏されていたブルース。途中に登場するドナルド・バード(Donald Bryd)とハンク・モブレー(Hank Mobley)のコール&レスポンス的な掛け合いが面白いですね。
4曲目「Lex」は、ドナルド・バード(Donald Bryd)の、これまたキャッチーな自作曲であり、ややファンキーでハード・バップ的なテーマ・メロディに、ゆったりとしたモード風のコード進行を絡ませる絶妙な構成は素晴らしいというか、ひれ伏すしかないですね。
5曲目「Bo」は、スロー・ファンク風味なデューク・ピアソン(Duke Pearson)の作品で、ファンキーなテーマ・メロディを作編曲をこなす知的なメンバーが揃っているので、「野となれ山となれ」的な勢い優先、気迫のみで最後まで押し通すような粗さとは
一線を画した理知的な演奏が繰り広げられます。
6曲目「My Girl Shirl」は、デューク・ピアソン(Duke Pearson)の作品。
アルバム「Donald Byrd - At The Half Note Cafe Vol.1 (Blue Note BLP-4060)」の冒頭で、
ライブならではの臨場感溢れるド迫力の演奏を聴く事が出来ますが、こちらのバージョンはやや優雅とゆうか、理知的な雰囲気が漂う、何というか爽やかな演奏となっております。
残る3曲は前述の通り、「Donald Byrd - Byrd In Flight(Blue Note CDP 7243 8 52435 2 3)」のみに収録されたボーナス・トラックであり、「Donald Byrd - At The Half Note Cafe Vol.1 (Blue Note BLP-4060)」と、「Donald Byrd - At The Half Note Cafe Vol.2 (Blue Note BLP-4061)」にそれぞれ、CDボーナス・トラックだけの曲もありますが、ライブ・バージョンが収録されていたりします。
7曲目「Child's Play」は、デューク・ピアソン(Duke Pearson)の作品で、冒頭聴こえるベル風のピアノが心地よい、軽快な1曲です。
8曲目「Carol」は、耽美的な雰囲気漂うドナルド・バード(Donald Bryd)の自作曲で、この手のバラッドは、ドナルド・バード(Donald Bryd)の独断場ですね。
9曲目「Soulful Kiddy」は、ファンキーなドナルド・バード(Donald Bryd)の自作曲であり、途中、効果的なリフを挟みつつ、各メンバーのファンキーなソロが紡がれていきます。
Donald Byrd - Byrd In Flight +3 (SBM)
Blue Note BLP-4048 / Blue Note CDP 7243 8 52435 2 3 [1996]
Blue Note Connoisseur Series
side 1 (A)
01. Ghana (Donald Byrd) 7:20
02. Little Boy Blue (E. Field, M. Adelstein) 7:28
03. Gate City (Duke Pearson) 5:04
side 2 (B)
04. Lex (Donald Byrd) 7:37
05. Bo (Duke Pearson) 6:34
06. My Girl Shirl (Duke Pearson) 5:48
CD Bonus Tracks
07. Child's Play (Duke Pearson) 6:56
08. Carol (Donald Byrd) 5:42
09. Soulful Kiddy (Donald Byrd) 5:37
#03,09 January 17, 1960 at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
Donald Byrd (tp) Hank Mobley (ts) Duke Pearson (p) Doug Watkins (b) Lex Humphries (ds)
#01,04,07,08 January 25, 1960 at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
Donald Byrd (tp) Hank Mobley (ts) Duke Pearson (p) Doug Watkins (b) Lex Humphries (ds)
#02,05,06 July 10, 1960 at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
Donald Byrd (tp) Jackie McLean (as #5,6) Duke Pearson (p) Reginald Workman (b)
Lex Humphries (ds)
前述した1960年11月11日に録音されたライブ・アルバム「Donald Byrd - At The Half Note Cafe Vol.1&2 (Blue Note BLP-4060/4061)」では、ピアノのデューク・ピアソン(Duke Pearson)と、ドラムスのレックス・ハンフリーズ(Lex Humphries)が引き続き参加。ほど良い緊張感の中、白熱した演奏を聴かせてくれます。
最後に、ドナルド・バード(Donald Bryd)関連のアルバム紹介記事を貼っておきますね。