加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

「Duke Pearson - Tender Feelin's (Blue Note) 1959」ピアノ・トリオの人気盤

端正で知的な演奏が魅力のピアニスト、デューク・ピアソンDuke Pearson)。

 

後年、ブルーノート(Blue Note Records)の裏方としても活躍するデューク・ピアソンDuke Pearson)のリーダー・アルバム第2弾が、今回ご紹介する1959年12月16日と12月19日の二回に渡り録音された「Tender Feelin's (Blue Note BLP-4035)」です。

 

「Duke Pearson - Tender Feelin's (Blue Note) 1959」ピアノ・トリオの人気盤

デューク・ピアソンDuke Pearson)のブルーノート(Blue Note Records)における
代表作を挙げろ・・・と言われたら、ほとんどの識者が、この「Tender Feelin's (Blue Note BLP-4035)」を推薦すると思われるほどの人気盤です。

 

ちなみに私も東芝EMIが企画したアナログレコード「最後の復刻」シリーズでこのアルバムに出会い、昭和から平成に代わる時期、地方の国立大学在籍中に、カセットにコピーして愛聴していたものです。

 

さて、知性派ピアニストの耽美的なピアノ・トリオであった第1作目「Profile (Blue Note BLP-4022)」が、約2ヶ月前の1959年10月25日録音であるためか、演奏メンバーは第1作目と同じくベースはジーン・テイラー(Gene Taylor)、ドラムスはレックス・ハンフリーズ(Lex Humphries)となっております。

 

デューク・ピアソンDuke Pearson)の知的で程好いブルージーさを感じる演奏スタイルは、初期の「レイ・ブライアントRay Bryant)」と「ジーン・ハリス(Gene Harris)」を足して2で割った風にも感じられますし、ホーン・ライクなフレーズに時々ピアノを鈴(ベル)のようにかき鳴らす感じは、落ち着いたジーン・ハリス(Gene Harris)率いる「スリー・サウンズ(The Three Sounds)」といった印象を与えます。

 

4曲目の「When Sunny Gets Blue」と、6曲目「On Green Dolphin Street」のみ1959年12月16日の録音で、残り5曲は12月19日となっております。

 

ブルーノート(Blue Note Records)のディスコグラフィを眺めると、1959年12月16日に録音された曲がほぼ破棄され、12月19日に再録音されているのが分かります。


7曲目の「3 A.M.」は、12月19日のみ演奏され、12月16日のみ演奏された「Something's Gotta Give」と、12月16日と12月19日の両日録音された「One For My Baby」の2曲が破棄されております。

 

破棄された「Something's Gotta Give」と「One For My Baby」に関しては、キャノンボール・アダレイCannonball Adderley)の名演「枯葉(Autumn Leaves)」別テイクの公開の例もあるので、いずれ未発表音源として発掘・公開される事があるかもしれませんね・・・。

 

 

1曲目「Bluebird Of Happiness」は軽快なテンポで演奏される、デューク・ピアソンDuke Pearson)の魅力が詰まった1曲。

 


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2曲目「I'm A Fool To Want You」は、耽美的なバラッド演奏であります。

 


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この曲は、デューク・ピアソンDuke Pearson)がバンドを抜けた後となりますが、1961年09月21日に録音された「Donald Byrd – Royal Flush (Blue Note BST-84101)」でも絶品バラッドとして演奏されております。

 

 


3曲目「I Love You」は、ドラムスのレックス・ハンフリーズ(Lex Humphries)が叩き出す軽快なリズムが心地よい一曲。


4曲目「When Sunny Gets Blue」は、朝靄立ち込める早朝の爽やかな雰囲気にぴったりな1曲。

 

5曲目「The Golden Striker」は、MJQのピアニスト、ジョン・ルイス(John Lewis)の作品で、テーマ部におけるタンバリンによる装飾音が、何とも可憐な雰囲気を漂われます。


6曲目「On Green Dolphin Street」は、やや鷹揚でゆったりとした演奏。

 


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7曲目「3 A.M.」は、 デューク・ピアソンDuke Pearson)自作のブルース。

 

全ての録音の最後に録られたもので、他に用意した曲を録り終えた後、ボツにした曲が発生した関係か、「1曲足りないから、ブルースを弾いてみて」という風に、アルフレッド・ライオン(Alfred Lion)にリクエストされて弾いた何気ない曲の様にも思われます。

 

深夜の「After Hours」的な雰囲気が、全編に流れるややけだるい感じのブルースではあります。

 

 

「Duke Pearson - Tender Feelin's (Blue Note) 1959」ピアノ・トリオの人気盤

Duke Pearson - Tender Feelin's (RVG)
Blue Note BLP-4035 / 東芝EMI TOCJ-7027 [2007.08.22]

side 1 (A)
01. Bluebird Of Happiness (Harmati/Hayman)  4:21
02. I'm A Fool To Want You (Wolf/Herron/Sinatra)  5:24
03. I Love You (Cole Porter)  4:34
04. When Sunny Gets Blue (Fisher/Segal)  5:09

side 2 (B)
05. The Golden Striker (John Lewis)  5:28
06. On Green Dolphin Street (Kaper/Washington)  6:47
07. 3 A.M. (Duke Pearson)  8:56


#01-03,05,07  December 19, 1959 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
Duke Pearson (p) Gene Taylor (b) Lex Humphries (ds)

#04,06  December 16, 1959 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
Duke Pearson (p) Gene Taylor (b) Lex Humphries (ds)

 

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デューク・ピアソンDuke Pearson)関連のアルバム紹介記事を、下記に付記しておきます。

 

kaji-jazz.hatenablog.com

 

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