「Roy Haynes - We Three (Prestige/New Jazz) 1958」変幻自在な3人対等のバンド
予測不能で個性的なリズムを叩き出すロイ・ヘインズ(Roy Haynes)。
1958年11月14日に録音されたアルバム「We Three」はロイ・ヘインズ名義ではありますが、「We Three」とタイトルをつけているので「3人対等」のバンドなのでしょう。
ジャケットを見ると、ベースのポール・チェンバースが頭一つ背が高いんですね。
サングラスをかけているのが、ピアノのフィニアス・ニューボーンかな。
アルバム全編でドラムのロイ・ヘインズ、ピアノのフィニアス・ニューボーン(Phineas Newborn Jr.)、そしてベースのポール・チェンバース(Paul Chambers)という、超技巧派達が繰り広げる刺激的な演奏をお楽しみいただけます。
私はこのアルバムを聴いて、ロイ・ヘインズのファンになりました。
全編で装飾音の如くドラムの音が延々鳴ってますが、意外なほど五月蝿く感じないです。って言うか、大好き(笑)。
ついでながらピアノのフィニアス・ニューボーンも、このアルバムでの演奏が一番好きです。
オープニングはいきなりセロニアス・モンク作曲かと思いきや、レイ・ブライアント作曲の「Reflection」。
ロイ・ヘインズのワン&オンリーなドラム・ソロから始まり、フィニアスの良く鳴るピアノが存分に楽しめる1曲です。
2曲目の「Sugar Ray」は、レイ・ロビンソン(Ray Robinson)に捧げたフィニアス・ニューボーンのオリジナル。
3曲目は、可愛らしい曲調の「Solitaire」。
これは50年代初期のポップ・チューンだそうでラスト、フィニアスの全部の鍵盤を使っているかのような壮大なピアノによる無伴奏ソロがいいですね。
4曲目(LP時代はB面1曲目)はブルージーな「After Hours」。
テーマ部からフィニアスの超絶早引きが炸裂します。
5曲目は、再びレイ・ブライアント作曲の「Sneakin' Around」。
ミディアム・テンポの、ちょっとクールな演奏です。
ラスト6曲目は、私の敬愛するタッド・ダメロンの「Our Delight」です。
アップテンポにもかかわらず、3人とも悠然とナイスなフレーズや複雑なリズム・パターンを次々と繰り出してきます。
このアルバム、間違いなく体育会系ノリ(私は文科系)な作品なので、体力のある時に聴きましょう。
むしゃくしゃした気分も、これを聴けば爽快になるかもしれません。
Roy Haynes - We Three (1958)
Prestige/New Jazz NJLP-8210 / OJCCD-196-2 / Victor Entertainment VICJ-60289 [1999.03.31]
side 1 (A)
01. Reflection (Ray Bryant) 4:20
02. Sugar Ray (Phineas Newborn Jr.) 6:22
03. Solitaire (Carl Nutter, King Guion, Renee Borek) 8:46
side 2 (B)
04. After Hours (Avery Parrish, Buddy Feyne, Robert Bruce) 11:13
05. Sneakin' Around (Ray Bryant) 4:21
06. Our Delight (Tadd Dameron) 3:59
Phineas Newborn (p) Paul Chambers (b) Roy Haynes (ds)
November 14, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
ロイ・ヘインズ(Roy Haynes)のもう一つの代表作も、盲目の怪人ローランド・カークを筆頭に個性的なメンバーが揃っているようです。
超絶技巧を誇るフィニアス・ニューボーン(Phineas Newborn Jr.)のアルバムも。
「ベーシストの聖典」とまで賞賛される、ポール・チェンバース(Paul Chambers)のアルバムもどうぞ。