1959年04月15日に録音された、リーダーが誰かすら明確でないブローイング・セッション風のアルバム「Young Men From Memphis – Down Home Reunion (United Artists Records UAS-5029)」。
実力派あるものの、どちらかという玄人好みなメンバー、まあ、こういう企画ものでなければ顔を合わせる事もなかったであろう、かなり珍しい顔ぶれが一堂に揃っていたりします。
つまり、トランペットのブッカー・リトル(Booker Little)、同じくトランペットのルイ・スミス(Louis Smith)、アルト・サックスのフランク・ストロージャー(Frank Strozier)、テナー・サックスのジョージ・コールマン(George Coleman)、ピアノのフィニアス・ニューボーンJr.(Phineas Newborn Jr.)、ギターのカルヴィン・ニューボーン(Calvin Newborn)、ベースのジョージ・ジョイナー(George Joyner)、ドラムスのチャールス・クロスビー(Charles Crosby)という、よくもまあ、これだけ渋めなメンバーを集めたものだなあ・・・というのが、正直な感想だったりします。
まあ、このアルバムを企画・プロデュースしたのが、短期間の活動の後、ブルーノート(Blue Note Records)に音源の大半を売却してしまった「トランジション(Transition Recrds)」の創業者、トム・ウィルソン(Tom Wilson)だそうなので、個人的にはルイ・スミス(Louis Smith)の参加はなるほどなあ・・・と思ったりする訳でございます。
演奏内容はというと、簡単なテーマ・アンサンブルの後、各人のソロが続く感じで、それほど凝ったモノではないのですが、渋めの実力派が揃っている事もあり、短いながらも印象的なソロが次々と飛び出します。
個人的な好みで言うと、「Things Ain't What They Used To Be」におけるトランペットのブッカー・リトル(Booker Little)とルイ・スミス(Louis Smith)のソロ。
そして「After Hours」におけるピアノのフィニアス・ニューボーンJr.(Phineas Newborn Jr.)あたりのソロが印象に残りますね。
アルバムの最後を飾る「Star Eyes」は、アルト・サックスのフランク・ストロージャー(Frank Strozier)と、ピアノのフィニアス・ニューボーンJr.(Phineas Newborn Jr.)を中心に据えた演奏ですが、演奏曲目から察する事が出来る人は二人を、チャーリー・パーカー(Charlie Parker)とバド・パウエル(Bud Powell)に見立てて聴いてみるのも一興かと思われます。
Young Men From Memphis – Down Home Reunion
United Artists Records UAS-5029 / 東芝EMI TOCJ-9457 [2002.11.20]
Super Bit Jazz Classics / Remastered by Ron McMaster
side 1 (A)
01. Things Ain't What They Used To Be (Ellington-Persons) 10:44
02. Blue 'N' Boogie (Gillespie-Paparelli) 8:11
side 2 (B)
03. After Hours (Bruce-Parrish) 8:24
04. Star Eyes (De Paul-Raye) 10:24
Booker Little (tp #1,2) Louis Smith (tp #1,2) Frank Strozier (as #1,2,4)
George Coleman (ts #1,2) Phineas Newborn Jr. (p) Calvin Newborn (g #1-3)
George Joyner (b) Charles Crosby (ds).
April 15, 1959 at Olmsted Studios, NYC.
Producer, Liner Notes – Tom Wilson
各メンバーの参加アルバムを少しだけ掲載しておきます。