加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

「The Magnificent Thad Jones Vol. 3 (Blue Note) 1956」サド・ジョーンズのブルーノート最終作

1957年02月02日録音の「The Magnificent Thad Jones Vol. 3 (Blue Note BLP-1546)」は、ビックバンド畑で活躍するサド・ジョーンズThad Jones)がコンボ編成で臨むブルーノート(Blue Note Records)第3弾のアルバムです。

 

「The Magnificent Thad Jones Vol. 3 (Blue Note) 1956」サド・ジョーンズのブルーノート最終作

 

サド・ジョーンズThad Jones)の他、トロンボーンベニー・パウエル(Benny Powell)、アルト・サックスのジジ・グライス(Gigi Gryce)、ピアノのトミー・フラナガンTommy Flanagan)、ベースのジョージ・デュヴィヴィエ(George Duvivier)、ドラムスのエルヴィン・ジョーンズElvin Jones)というメンバーでの録音となります。

 

3管編成に加え、名盤請負人の異名を持つピアノのトミー・フラナガンと、奔放なドラムで演奏を盛り上げるエルヴィン・ジョーンズのドラムスが加わる事で、第2弾「The Magnificent Thad Jones (Blue Note BLP-1517)」ではあまり感じる事の出来なかった演奏の躍動感を感じる事の出来るアルバムです。

 

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1曲目「Slipped Again」は、サド・ジョーンズThad Jones)の自作曲。

 


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エルヴィン・ジョーンズの奔放なドラムスに3管アンサンブルが絶妙に絡み合い、その合間にサド・ジョーンズがふくよかなトランペットを存分に聴かせてくれます。

 


2曲目「Ill Wind」は、バラッド風の演奏。

 

冒頭、サド・ジョーンズ無伴奏ソロに続き、優し気なトロンボーンとアルト・サックスの2管アンサンブルが入る辺りは、ビックバンド風味の編曲ですね。

ここでのサド・ジョーンズのソロは、早世したファッツ・ナバロ(Fats Navarro)に通じるものが感じられます。

 


3曲目「Thadrack」は、アップテンポで演奏されるサド・ジョーンズThad Jones)の自作曲。

 

哀愁漂うハード・バップ風味のテーマではありますが、サド・ジョーンズのふくよかなトランペット・ソロが始まると、ちょっと中間派的な雰囲気に変わります。

まあ、ソロ2番手に登場するジジ・グライスに、ぴったりの曲調なような気もします(笑)。

 


4曲目「Let's」は、これまたアップテンポで演奏されるサド・ジョーンズThad Jones)の自作曲。

 


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凝りに凝ったテーマ部の後、サド・ジョーンズ、ジジ・グライス、ベニー・パウエルと奔放なソロが続き、トミー・フラナガンは高揚気味ではありますが、流石に端正なソロを聴かせてくれます。しかし、エルヴィン・ジョーンズのドラム・ソロも素晴らしいですね。

 


5曲目「I've Got A Crush On You」は、「The Magnificent Thad Jones (Blue Note BLP-1517)」のセッションで録音された曲ですが同アルバムには収録されなかった曲。

 


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この曲だけピアノのバリー・ハリス(Barry Harris)、ベースのパーシー・ヒース(Percy Heath)、ドラムスのマックス・ローチMax Roach)という布陣です。

 

サド・ジョーンズが朗々と吹くトランペットは、清々しい朝靄の中での演奏といった風情でございます。

 

 

Thad Jones - The Magnificent Thad Jones Vol. 3 (RVG)
Blue Note BLP-1546 / 東芝EMI TOCJ-9199 [2000.03.23] 24 Bit By RVG

side 1 (A)
01. Slipped Again (Thad Jones)  6:21
02. Ill Wind (Arlen, Koehler)  7:05

side 2 (B)
03. Thadrack (Thad Jones)  5:43
04. Let's (Thad Jones)  8:47
05. I've Got A Crush On You (Gershwin)  7:38


#01-04  February 2, 1957 at Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.

Thad Jones (tp) Benny Powell (tb) Gigi Gryce (as) Tommy Flanagan (p) 
George Duvivier (b) Elvin Jones (ds) 


#05  July 14, 1956 at Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.

Thad Jones (tp) Barry Harris (p) Percy Heath (b) Max Roach (ds)

 

 

 

 

何かの記事でブルーノート(Blue Note Records)のオーナー、アルフレッド・ライオン(Alfred Lion)が、早世したファッツ・ナバロ(Fats Navarro)の後継としてサド・ジョーンズThad Jones)の録音を行ったという話を読んだ事がありまして、読んだ当時はいまいちピンと来なかったんですが。

 

ザ・ファビュラス・ファッツ・ナヴァロ Vol.1

 

今回、第2弾「The Magnificent Thad Jones (Blue Note BLP-1517)」と第3弾「The Magnificent Thad Jones Vol. 3 (Blue Note BLP-1546)」を続けて聴く事で、なるほどサド・ジョーンズには、ファッツ・ナバロっぽい感じもあるんだなあ・・・と認識出来ました(笑)。

 

 

このアルバムでサド・ジョーンズブルーノート(Blue Note Records)での録音が途絶えてしまったのが残念ではありますが、その穴埋めをするかの様に、リー・モーガンLee Morgan)やドナルド・バードDonald Byrd)などの有望なトランペットの新人を発掘し、育てていく事となります。

 

 

 

1956年03月13日録音の第1弾「Detroit-New York Junction (Blue Note BLP-1513)」の記事は、こちらからどうぞ。

 

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