パシフィック・ジャズ（Pacific Jazz Records）におけるチェット・ベイカー（Chet Baker）のヴォーカルものといえば、「Chet Baker Sings (Pacific Jazz PJ-1222)」が断トツの人気盤で、私含め多くの人が、それ１枚を聴く事で満足してしていると思います。
さて、当方所有はしていたものの、紹介記事を書こうと思うまで、棚にしまわれたままだった「Chet Baker Sings and Plays with Bud Shank, Russ Freeman and Strings (Pacific Jazz PJ-1202)」。
今、「Flacファイル」に変換しパソコンで聴き直しているのですが、中々の傑作アルバムである事に、今頃気がつきました（笑）。
1955年03月07日録音のラス・フリーマン（Russ Freeman）を含むカルテットによる６曲に、1955年02月28日に録音されたバド・シャンク（Bud Shank）のフルート、そして優雅なハープとストリングスを加えた編成の４曲を合わせ、計１０曲からなる「Chet Baker Sings and Plays with Bud Shank, Russ Freeman and Strings (Pacific Jazz PJ-1202)」。
このアルバムがリアルタイムで発売された頃、かなりの人気者となっていたであろうチェット・ベイカー（Chet Baker）の、ヴォーカルのみならず、トランペットの魅力までも余すとこなく捉えた１枚です。
カルテット編成による１曲目の「Let's Get Lost」からは、この時代におけるチェット・ベイカー（Chet Baker）最大の特徴である硬派でありつつも、青春時代の何ともいえぬ甘酸っぱさの様なモノが、彼のヴォーカルとトランペット・プレイから溢れてくるようです。
続くストリングスとハープ、フルートを加えた２曲「This Is Always」では、カルテット演奏で感じられる青春時代の何ともいえぬ甘酸っぱさの様なモノを、さらに甘い砂糖でコーティングした様な、昭和の時代の「少女漫画」の如き、うら若き女性達にはたまらないであろうサウンドに仕上がっております。
こんなカルテット編成の演奏と、甘くせつないストリングスが被さる演奏が絶妙に配置されたアルバムですが、若き頃のチェット・ベイカー（Chet Baker）のヴォーカルとトランペットの魅力を存分にお楽しみいただけるアルバムだと思います。
アルバム紹介文を書くために、棚から引っ張り出して聴き直したおかげで、パソコンで気軽に聴ける愛聴盤がまた１枚、増えました（笑）。
Chet Baker - Chet Baker Sings and Plays with Bud Shank, Russ Freeman and Strings
Pacific Jazz PJ-1202 / 東芝EMI TOCJ-9302 [2001.07.25]
side 1 (A)
01. Let's Get Lost (Jimmy McHugh, Frank Loesser) 3:44
02. This Is Always (Harry Warren, Mack Gordon) 3:07
03. Long Ago And Far Away (Jerome Kern, Ira Gershwin) 3:58
04. Someone To Watch Over Me (George Gershwin, Ira Gershwin) 3:02
05. Just Friends (John Klenner, Sam M. Lewis) 2:42
side2 (B)
06. I Wish I Knew (Harry Warren, Mack Gordon) 3:59
07. Daybreak (Ferde Grofé, Harold Adamson) 2:41
08. You Don't Know What Love Is (Gene de Paul, Don Raye) 4:50
09. Grey December (Frank Campo) 3:41
10. I Remember You (Victor Schertzinger, Johnny Mercer) 3:12
#01,03,05,07,08,10 March 7, 1955 at Capitol Studios, Los Angeles, CA.
Chet Baker (tp,vo) Russ Freeman (p) Carson Smith (b) Bob Neel (ds)
#02,04,06,09 February 28, 1955 at Capitol Studios, Los Angeles, CA.
Chet Baker (tp,vo) Bud Shank (fl) Russ Freeman (p) Red Mitchell (b) Bob Neel (ds)
with Corky Hale (harp) Ray Kramer (cello) Ed Lustgarten (cello)
Kurt Reher (cello) Eleanor Slatkin (cello)
Frank Campo (arr) Johnny Mandel (arr) Marty Paich (arr)
![Chet Baker Sings & Plays [12 inch Analog]](https://m.media-amazon.com/images/I/41WzvSq2iqL._SL500_.jpg "Chet Baker Sings & Plays [12 inch Analog]")
