チェット・ベイカー(Chet Baker)が1977年02月20日、「Galaxy Records」に録音したアルバム「Chet Baker - Once Upon A Summertime (Galaxy GXY-5150)」は、ベースにロン・カーター(Ron Carter)が参加して、マイルス・デイヴィス(Miles Davis)の60年代クインテットの名演で知られる「E.S.P.」が収録されていたりと、マイルス寄りの演奏を聴かせてくれるアルバムです。
アンニュイなジャケットに惑わされ、あまーいストリングス入りのアルバムだと思って聴き始めると、チェット・ベイカー(Chet Baker)の溌剌とした演奏に吃驚するかもしれません。
「E.S.P.」におけるチェット・ベイカー(Chet Baker)のマイルス・デイヴィス(Miles Davis)なりきりぶりは拍手喝采ものの出来であり、テナーサックスのグレゴリー・ハーバート(Gregory Herbert)、ピアノのハロルド・ダンコ(Harold Danko)も、マイルス・バンドの各メンバーになり切った演奏を聴かせてくれます。
こういう60年代マイルス・クインテットの演奏がお好きな方には、近年再発された「contemporary jazz quintet」のアルバムをお勧めしときます。
さて、テナーサックスで参加するグレゴリー・ハーバート(Gregory Herbert)さんに関しては、よく知らないのですが、60年代マイルス・クインテットの演奏をする際の相方としては、十分健闘していると思います。
また、ケニー・ドーハム(Kenny Dorham)作曲のブルース「Shifting Down」は、他の方のブログ記事を眺めると、マイルス・デイヴィス(Miles Davis)作曲の「Dawn」と同じ曲であるという話もあったりします。
エレクトリック化に嫌気がさしてマイルスのバンドを辞したロン・カーター(Ron Carter)ですが、1970年代頃のアルバムでよく見かけますね・・・。
中でも、ホレス・シルヴァー(Horace Silver)の「Silver 'N'」シリーズは、お勧めしときます。
Chet Baker - Once Upon A Summertime
Galaxy GXY-5150 / Victor VICJ-60145 [1998]
side 1 (A)
01. Tidal Breeze (Harold Danko) 6:50
02. Shifting Down (Kenny Dorham) 7:20
03. E.S.P. (Miles Davis, Wayne Shorter) 5:38
side 2 (B)
04. The Song Is You (Kern, Cahn) 9:14
05. Once Upon A Summertime (La Valse Des Lilas) (Barclay, Legrand) 11:22
Chet Baker (tp) Gregory Herbert (ts) Harold Danko (p) Ron Carter (b) Mel Lewis (ds)
February 20, 1977 in NYC.