盲目のジャズ・ピアニスト、レニー・トリスターノ（Lennie Tristano）は、「トリスターノ派」と呼ばれるミュージシャン達の育成にも注力しておりました。
彼に師事した有名ミュージシャンをパッと思い出してみると、リー・コニッツ（Lee Konitz）、ビル・エヴァンス（Bill Evans）などですね。
そんなレニー・トリスターノ（Lennie Tristano）が残した最重要アルバムと目されているのが、今回ご紹介する「Lennie Tristano（邦題：鬼才トリスターノ） (Atlantic LP-1224)」です。
テープ速度を変えて再録音したり、オーバー・ダビングで曲を仕上げるという、当時としては革新的な手法で制作された４曲と、ライブ録音５曲で構成されたアルバムです。
１曲目「Line Up」と、４曲目「東32丁目（East Thirty-Second）」は、一旦録音した演奏をテープ速度を変え再生し録音し直すという手法で収録されている模様。
いずれの曲もアップテンポのリズムにのり、シングルトーンによるかなり長めのソロ・フレーズが果てなく続いていきます。
ちなみに「Line Up」はよく知られた「All Of Me」の変奏曲なんだそうですが、一聴して「All Of Me」だとは気がつかないほど、個性的な演奏が繰り広げられております。
チャーリー・パーカー（Charlie Parker）に捧げた曲らしい２曲目「Requiem」と、３曲目の「Turkish Mambo」は、オーバー・ダビングという、録音したベースとなる音源に、さらに別の演奏（ソロ・パート）を重ねるという手法で収録されているそうです。
アルバム後半は、1955年06月11日に収録されたライブ録音であり、「トリスターノ派」の筆頭格、リー・コニッツ（Lee Konitz）を従え、有名スタンダードを穏やか、かつ、クールに演奏しております。
Lennie Tristano - Lennie Tristano (1956)
Atlantic LP-1224 / Warner Music Japan WPCR-25151 [2007.01.24]
side 1 (A)
01. Line Up (Lennie Tristano) 3:33
02. Requiem (Lennie Tristano) 4:51
03. Turkish Mambo (Lennie Tristano) 3:37
04. East Thirty-Second (Lennie Tristano) 4:32
05. These Foolish Things (Harry Link, Holt Marvell, Jack Strachey) 5:43
side 2 (B)
06. You Go To My Head (J. Fred Coots) 5:19
07. If I Had You (Jimmy Campbell, Reg Connelly, Ted Shapiro) 6:24
08. Ghost Of A Chance (Bing Crosby, Ned Washington, Victor Young) 6:00
09. All The Things You Are (Jerome Kern, Oscar Hammerstein) 6:04
#01-04 1954-1955 at Lennie Tristano's home studio, NYC.
Lennie Tristano (p) Peter Ind (b #1,4) Jeff Morton (ds #1,4)
#05-09 June 11, 1955 at The Sing-Song Room, Confucius Restaurant, NYC.
Lee Konitz (as) Lennie Tristano (p) Gene Ramey (b) Art Taylor (ds)
![Lennie Tristano [Analog]](https://m.media-amazon.com/images/I/31DCZRbCVJL._SL500_.jpg "Lennie Tristano [Analog]")
リー・コニッツ（Lee Konitz）関連の過去記事へのリンクを貼っておきます。
