「Gerry Mulligan - Night Lights +1 (Philips) 1962」ウエスト・コースト・ジャズとボサノヴァの親密なる関係性
「Night Lights (Philips)」は、ウエストコースト・ジャズ隆盛の立役者の一人、バリトンサックスのジェリー・マリガン(Gerry Mulligan)がリーダーのアルバム。
名曲「カーニバルの朝(Morning of The Carnival)」や、ショパンの「24のプレリュード第4番ホ短調 Op.28-4(Prelude in E Minor)」を軽快なボサノヴァのリズムに乗せて演奏しております。
他、軽快なジェリー・マリガン自作の「Festival Minor」など、魅力的な曲が詰まったアルバムです。
共演するのは、フリューゲルホルンのアート・ファーマー(Art Farmer)、ヴァルブ・トロンボーンのボブ・ブルックマイヤー(Bob Brookmeyer)、ギターのジム・ホール(Jim Hall)など、控えめながらツボを心得た演奏が光る名手達が揃っております。
このアルバムが某通販サイトのベストセラー一覧に掲載されていたので、「パシフィック・ジャズ(Pacific Jazz Records)」や「CTI Records」などに残された有名アルバムしか聴いた事なかった私、半信半疑(何でこのアルバム売れてるの?)で、ここ2ヶ月ほど、図書館(ほんぽーと)から借りてた後、延々聴いておりました。
ネットで検索した情報やライナーノートを読むと、60年代に音楽業界を席巻した「ボサノヴァ(Bossa Nova)」という音楽スタイルは、50年代にジェリー・マリガン達が演奏していたいわゆる「ウエスト・コースト・ジャズ(West Coast Jazz)」に多大な影響を受けていたんだとか・・・。
そういわれると、サウンドのクールさやお洒落さの加減とか、共通する項目が幾つか
浮かび上がってきたりします。
あと、BGMで使用すれば、どんなシーンにも無難に合うサウンドだようなあ、このアルバム。
なお、ボーナストラックの7曲目「Night Lights (1965 Version)」は、1965年に録音されたアルバム「Feelin' Good (Limelight LS-86030)」の未発表音源なんだそうで、ストリングス入りでジェリー・マリガンがクラリネットを演奏しております。
Gerry Mulligan - Night Lights +1
Philips PMS-600-108 / Universal Music UCCU-9093 [2005.09.14]
side 1 (A)
01. Night Lights (Gerry Mulligan) 5:00
02. Morning of The Carnival (Luiz Bonfa, Antonio Maria) 5:33
03. In the Wee Small Hours of the Morning (David Mann, Bob Hilliard) 5:42
side 2 (B)
04. Prelude in E Minor (Frederic Chopin) 4:19
05. Festival Minor (Gerry Mulligan) 6:53
06. Tell Me When (Gerry Mulligan) 4:12
Bonus Tracks
07. Night Lights (1965 Version) (Gerry Mulligan) 2:55
#01-06 September 12 and October 3, 1962 at Nola Penthouse Studios, NYC.
Gerry Mulligan (bs, p #1) Art Farmer (flh) Bob Brookmeyer (valve-tb)
Jim Hall (g) Bill Crow (b) Dave Bailey (ds)
#07 October, 1965
Gerry Mulligan (cl) Pete Jolly (p) Jony Gray (g) Jimmy Bond (b)
Hal Blaine (ds) Unidentified string section (strings)
いやー、しかし、ボサノヴァ誕生に「ウエスト・コースト・ジャズ(West Coast Jazz)」が関わってたとは・・・。
音楽スタイル誕生にかかわるあれこれは、色々調べてみないと分からない事が多いですね(笑)。