ティナ・ブルックス(Tina Brooks)、幻の名盤「Back To the Tracks (Blue Note)」。
いかにもブルー・ノート(Blue Note Records)らしい傑作なのですが、リアルタイムでは発売中止、お蔵入りとなってしまったモノ。
レコードを入れる袋にジャケットがモノクロで印刷されたものが存在する事から、一時期、発売されたものだと誤認したファンが、血眼になって探しまわったという逸話(伝説)も残っている模様。
米「connoisseur cd series」でCD発売された時は薄紫色に着色されてましたが、日本で発売された時は、LP・CDとも緑色だったかな。
これは、ジャケットに彩色に関して「正解」が存在しないので、ジャケットを制作した担当者の解釈違いで色が変わるため。
あと、黄色が強めの緑のジャケットもあるか・・・。
さて、ジャケットの彩色違いの話はこのくらいにして。
ブルーノートが唯一、リアルタイムで発売したのがティナ・ブルックスのリーダー作「Tina Brooks - True Blue(BST-84041)」。
続く客演盤「Freddie Hubbard - Open Sesame(BST-84040)」は、軽快なハード・バップ・アルバムだったりします。
しかしながらこのアルバム「Back To the Tracks」は、番号続きの「Jackie McLean - Jackie's Bag(BST-84051)」後半(B面)の雰囲気を引き継ぐ、ダークでブルージーな演奏多めです。
これは、ダークでブルージーな演奏が得意な、ブルー・ミッチェル(Blue Mitchell)とケニー・ドリュー(Kenny Drew)の参加が、いい意味で作用しているからだと推測します。
軽快なリズムが心地よい「Back To the Tracks」と「The Blues and I」。
ジャッキー・マクリーン(Jackie McLean)の「Jackie's Bag(BST-84051)」セッションから追加されたブルージーな「Street Singer」。
ティナが作曲しフレディ・ハバード(Freddie Hubbard)のデビュー作(BST-84040)で
披露された「Open Sesame」と「Gypsy Blue」ラインのエキゾチックな「The Ruby and The Pearl」。
まあ、何でお蔵入りしたのか不思議なほどアルバム全曲、素晴らしい出来だと思います。
ワン・ホーンで演奏される美しいバラッド「For Heaven's Sake」で、ティナのテナーを堪能してみて下さい
Tina Brooks - Back To The Tracks (RVG)
Blue Note BST-84052 (unissued) /BRP-8033 [1990] / 東芝EMI TOCJ-9032 [1998.09.30]
side 1 (A)
01. Back To The Tracks (Tina Brooks) 8:05
02. Street Singer (Tina Brooks) 10:20
side 2 (B)
03. The Blues And I (Tina Brooks) 8:56
04. For Heavens Sake (Meyer, Bretton, Edwards) 6:06
05. The Ruby And The Pearl (Lovingston, Evans) 5:09
#02 September 1, 1960 at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
Blue Mitchell (tp) Jackie McLean (as) Tina Brooks (ts)
Kenny Drew (p) Paul Chambers (b) Art Taylor (ds)
#01,03-05 October 20, 1960 at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
Blue Mitchell (tp) Tina Brooks (ts) Kenny Drew (p) Paul Chambers (b) Art Taylor (ds)
Jackie McLean - Jackie's Bag (Blue Note BST-84051)
Jackie McLean, Tina Brooks - Street Singer (Blue Note GXF-3067)