フランスが生んだテナーの俊英・バルネ・ウィラン(Barney Wilen)がリーダー名義の、MJQ(Modern Jazz Quartet)ゆかりのアメリカン・リズム・セクションとの共演盤。
一部識者には「50年代フレンチ・ジャズの傑作」とも評されている模様。
バックのピアノトリオは、アメリカから欧州に移住したドラムのケニー・クラーク(Kenny Clarke)に、ベースがパーシー・ヒース(Percy Heath)という、もろMJQ人脈。
ミルト・ジャクソン(Milt Jackson)は何と!珍しくピアノで参加しております。
繰り出されるフレーズは、ビブラフォンでの演奏とあんまり変らないんですが、何故か好きなんですよねえ。
私はこのアルバムを、ミルトのブルース・フィーリング溢れる味わい深いピアノを聴くための1枚として認識してたりします。
アメリカの一流リズム・セクションに煽られるバルネが、負けじとソリー・ロリンズ(Sonny Rollins)ばりの豪快なテナーを聴かせてくれます。バルネのテナーの音、かなり固めですが。
ジャンゴ・ラインハルト(Django Reinhardt)作曲の「Swing 39」と、「Minor Swing」の2曲のみ、パーカッションが加わります。
そういえば、MJQ(Modern Jazz Quartet)の演奏で「Django」という名曲もありましたね。
「Swing 39」におけるドラムとパーカッションだけによるオープニングから、バルネをはじめとした他のメンバーが入る部分は何回聴いてもぞくぞくします。
バルネ自身の作曲による表題曲「Swingin' Parisian Rhythm (Jazz Sur Seine)」も、快演。
Barney Wilen - Jazz Sur Seine
Philips P-77.127L / Emarcy/Gitanes Jazz Productions 548-317-2 [2000]
Jazz In Paris 26
side 1 (A)
01. Swing 39 (Django Reinhardt) 4:27
02. Vamp (Django Reinhardt) 4:19
03. Ménilmontant (Charles Trenet) 3:33
04. John's Groove (Raymond Fol) 3:39
05. B.B.B. "Bag's Barney Blues" (Barney Wilen) 6:36
side 2 (B)
06. Swingin' Parisian Rhythm (Jazz Sur Seine) (Barney Wilen) 4:27
07. J'Ai Ta Main (Charles Trenet) 2:20
08. Nuages (Django Reinhardt) 5:50
09. La Route Enchantée (Charles Trenet) 3:05
10. Que Reste-t-il De Nos Amours (Charles Trenet) 2:45
11. Minor Swing (Django Reinhardt) 3:46
12. Epistrophy (Thelonious Monk) 2:45
Barney Wilen (ts) Milt Jackson (p) Percy Heath (b) Kenny Clarke (ds)
Gana M'Bow (per #01,11)
February 13 and 14, 1958 in Paris.
さて「セーヌ川のジャズ(Jazz sur Seine)」 というアルバム、CDでは最初、フランス映画「彼奴を殺せ(Un Temoin dans la Ville)」のサントラ・アルバムと「2イン1」で発売されてました。
初期CDなのに「ドイツプレス(製造)」なせいか、音良かったんですよね。
その後フランス盤「Jazz In Paris」シリーズの一枚として、単独で発売されました。
バルネのアルバムは結構集めているので、別のアルバムもおいおいと・・・。