加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

「Barney Wilen - Alain Jean-Marie - Dream Time (DEUX Z) 1991」晩年の傑作デュオ

フランスのサックス奏者・バルネ・ウィラン(Barney Wilen)と、ピアニストであるアラン・ジーン・マリー(Alain Jean-Marie)による1991年、スイス「The Festival de Cully」での実況録音盤「Dream Time (DEUX Z ZZ-84108)」。

 

「Barney Wilen - Alain Jean-Marie - Dream Time (DEUX Z) 1991」晩年の傑作デュオ

 

元々は、スイスのローザンヌを拠点とするラジオ局「Radio Suisse Romande」が録音したものだそうで、スタジオ録音とは違う観客を前にした一発録音のためか、自身の演奏にこだわりを持つ頑固者のバルネ・ウィランらしいピリピリした緊張感が、CDからも伝わって来るようです。

 

バルネ・ウィラン(Barney Wilen)のファンであるなら「一家に1枚」という感じで、お勧め出来る1枚です。

 

なお、私が持ってるCDはゴールドCDなので、普通のCDより音がまろやかで良いです。

 

 

しょっぱな1曲目、「My Funny Valentine」のコード進行を下敷きにしたっぽいアップテンポで演奏される「Things of the Fugue」から、緊張感漂うテンションの高い演奏が繰り広げられます。

 

2曲目、ラテン系の陽気なピアノ・バッキングから始まる「Latin Alley」では、バルネ・ウィランがソプラノ・サックスを使用していますが、テナー・サックスで演奏した「Paris Mood (Alfa Jazz)」に収録されたスタジオ・バージョンより、数段良い出来だと思います。

ちなみに演奏の合間、お客さんの拍手が演奏後しばらくしてから鳴り出すので、お客さんも演奏に聴き惚れていることが伺えます。

 

3曲目のバラッド「'Round Midnight」、4曲目ラテン風味の「Repetition」を経て、5曲目のアップテンポで演奏される、これまたラテン風味の「No Problem」に続く流れが良いですね。

 

6曲目の「I'm A Fool to Want You」は、それまでの演奏で熱気を帯びた会場をクールダウンさせるかのような、クールなバラッド風の演奏です。

 

7曲目「Afternoon in Paris」はミディアム・テンポの軽快な演奏で、バルネ・ウィラン(Barney Wilen)とアラン・ジーン・マリー(Alain Jean-Marie)がリラックスしつつもノッてる感じが伝わってきます。

 

アルバムを締めくくる8曲目「Goodbye」では、「これでライブが終わるのは名残惜しいですがー」という気持ちが、音からも伝わってくるように思えます。

 

最後まで緊張感が持続出来る、素晴らしいライブだと思います。

 


www.youtube.com

 

Barney Wilen - Alain Jean-Marie - Dream Time
COPSI/DEUX Z ZZ-84108 [1992] (France)

01. Things of the Fugue (Barney Wilen / Alain Jean-Marie) 7:51
02. Latin Alley (Alain Jean-Marie) 8:08
03. 'Round Midnight (thelonious Monk) 8:01
04. Repetition (Neal Hefti) 2:41
05. No Problem (Duke Jordan) 9:36
06. I'm A Fool to Want You (J.Wolf/Herron) 6:06
07. Afternoon in Paris (John Lewis) 7:50
08. Goodbye (Gordon Jenkins) 6:39


Barney Wilen (ts, ss) Alain Jean-Marie (p)

Live recording at The Festival de Cully (Suisse)
by the Radio Suisse Romande, March 23th, 1991


Produced by Deux Z, Catherine Peillon

Cover painting "Broken hearts" by Marie Moor

 

 

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近年、発掘されたデュオによる演奏もCD化されましたが、演奏の出来はこの「Dream Time (DEUX Z ZZ-84108)」が、勝っていると思います。

 

 

バルネ・ウィラン(Barney Wilen)晩年の名盤やライブが、次々とリマスターされ発売されておりますので、興味のある方はどうぞ。

 

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