加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

「Bobby Timmons - The Soul Man! (Prestige) 1966」絶好調のウェイン・ショーターだけ聴こう

「The Soul Man! (Prestige PRST-7465)」は、ボビー・ティモンズBobby Timmons)[1935 - 1974]最後期の1966年、ジャズ・メッセンジャーズ時代の同僚・ウェイン・ショーターWayne Shorter)を迎えたアルバム。

 

「Bobby Timmons - The Soul Man! (Prestige) 1966」絶好調のウェイン・ショーターだけ聴こう

兎に角、独自のサウンドを明確に押し出し始めた絶好調のウェイン・ショーターを聴くため購入したアルバムです(断言)。

 

「The Soul Man! (Prestige)」はボビー・ティモンズのリーダーアルバムでありながら、全編ダークなウェイン・ショーター色に染まっていたりします。

 

この感じ、ウェイン・ショーター音楽監督を務めたアート・ブレイキー(Art Blakey)とジャズ・メッセンジャーズのアルバム群に通じるものを感じたりします。

 

 

ベースにロン・カーターRon Carter)、ドラムスにジミー・コブ(Jimmy Cobb)と、新旧マイルス・デイヴィスMiles Davis)バンドのメンバーが顔を揃えているのも、面白いポイント。

 

ロン・カーターのベースが聴こえると一瞬、あれ?マイルス・デイヴィスのアルバム
じゃないよね?とか思ったり。

 

ネットで検索すると日本で発売されたレコードでは、ジャケットにジャズ・メッセンジャーズ時代のウェイン・ショーターが映る写真が使われているものがあり、「あー、皆考える事同じだわー」と安心したり・・・まあ、ウェイン・ショーターを聴くためのアルバムです(二度目の断言)。

 


さて1曲目は、ボビー・ティモンズ自作で5拍子のファンキー・ナンバー「Cut Me Loose Charlie」。

 

2曲目は、ジャズロック風味のウェイン・ショーター作「Tom Thumb」。

 


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ジミー・コブの小気味良いビートにのり、ショーターが快演を繰り広げてます。
LP(を録音したカセットテープ)で聴いてた頃は、この1曲だけで十分だった記憶があります。


3曲目ボビー・ティモンズ自作の「One Way Street」は、やや躁気味な演奏に感じされます。

 

続く4曲目、ボビー・ティモンズ自作の軽快な「Damned If I Know」は、大雑把に言うと「So Tired」タイプの曲。

 


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5曲目、ロン・カーターの「Tenaj」、最初は優雅なワルツ。テーマの終わり頃にテンポチェンジが、ある何とも摩訶不思議な曲です。

 

 

6曲目、これまたロン・カーターの「Little Waltz」は、ラストらしくしっとりと。

 


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久しぶりに聴くジミー・コブ(Jimmy Cobb)のブラシワークが素敵です。

 

Bobby Timmons - The Soul Man! (1966) 
Prestige PRST-7465 / Wave Jazz Classics PR-7465 (analog) 

 

side 1 (A)
01. Cut Me Loose Charlie (Bobby Timmons) 5:44
02. Tom Thumb (Wayne Shorter) 7:05
03. One Way Street (Bobby Timmons) 7:19

side 2 (B)
04. Damned If I Know (Bobby Timmons) 6:19
05. Tenaj (Ron Carter) 7:04
06. Little Waltz (Ron Carter) 6:36


Wayne Shorter (ts) Bobby Timmons (p) Ron Carter (b) Jimmy Cobb (ds)
January 20, 1966 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.

 

ザ・ソウル・マン!

ザ・ソウル・マン!

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最後になりますが「The Soul Man! (Prestige)」録音当時のウェイン・ショーターWayne Shorter)は、マイルス・ディビス (Miles Davis)の「60'sクインテット」に参加。

 

マイルスのバンドは勿論、自身のリーダーアルバムでもジャズの歴史に残るであろう名演や問題作を次々と録音していた時期と重なります。

 

ジ・オール・シーイング・アイ

ジ・オール・シーイング・アイ

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ちなみに、前年1965年の10月(October 15, 1965)には、「Wayne Shorter - The All Seeing Eye (Blue Note BST-4219)」を。

 

 

クリスマス直前(December 23, 1965)には、壮絶なる「Miles Davis At Plugged Nickel (CBS/Sony)」の録音に参加。

 

 

このアルバムの約2週間後(February 3, 1966)には名盤「Wayne Shorter - Adam's Apple (Blue Note BST-84232)」を録音。

 

約1年後(March 10, 1967)には、自身のリーダー作「Wayne Shorter - Schizophrenia (Blue Note BST-84297)」で「Tom Thumb」を再演してます。