加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

「Horace Silver – Doin' The Thing - At The Village Gate (Blue Note) 1961」鉄壁コンビを擁する熱狂ライブ

ブルーノート(Blue Note Records)の看板アーティストの一人、ホレス・シルヴァーHorace Silver)。

ライブアルバム「Doin' The Thing - At The Village Gate (Blue Note BST-84076)」は、フロントにトランペットのブルー・ミッチェルBlue Mitchell)、テナーサックスのジュニア・クック(Junior Cook)という鉄壁コンビを擁するホレス・シルヴァークインテット絶頂期のライブを濃縮した1枚。

 

「Horace Silver – Doin' The Thing - At The Village Gate (Blue Note) 1961」鉄壁コンビを擁する熱狂ライブ

ブルーノート(Blue Note Records)ライブアルバムは2枚組で発売するのが普通なんですが、あえて1枚になったのは、ホレス本人の意向を汲んだものでしょうかねえ。

 

録音データを眺めると、2日間で重複含め27曲ほど録音されているようですが。

 

初日に演奏された「Senor Blues」含めライブアルバムとして発表された4曲、CD時代に2曲追加された合計6曲以外の音源は、いまだ未発表のままとなっております。

 

とにかく、観客の熱狂具合が凄い!

オープニングの「Filthy McNasty」終了後、鳴り止まない拍手と歓声でホレス・シルバーのアナウンスを続けるのを途中止め、観客の興奮が冷めるのを見計らうほどです。


さて1曲目の「Filthy McNasty」は、シャッフル・ビート気味のファンキー・ナンバー。

 


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いきなりホレスの「ガボッ」という合いの手、全開(笑)。フロントの2人も軽快に飛ばしてます。

 

 

続く迫力満点の「Doin' The Thing」はアップテンポで、かなり複雑なラインの曲。

この曲を暗譜して演奏するのは、かなり難儀だと思われます。しかもホレス、ソロのバックで煽りまくるし・・・。

 


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で、トランペットのブルー・ミッチェルBlue Mitchell)は、ソロの途中で「スイングしなけりゃ意味ないね」の一部を引用したりします。

 


ミディアム・テンポの3曲目「Kiss Me Right」は、「Nica's Dream」に通じる刹那系ナンバー。

 

このタイプの曲だと、ジュニア・クック(Junior Cook)が活き活きしますねえ。

 


オリジナル・アルバムだとラスト4曲目「The Gringo」も「Nica's Dream」系の曲かな。

 


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演奏終了直後に「The Theme: Cool Eyes」が続くところは、ライブならではの構成です。

 

Horace Silver – Doin' The Thing - At The Village Gate +2 (RVG)
Blue Note BST-84076 / 0946 3 62682 2 4 [2006] / TOCJ-7134  24 Bit By RVG

side 1 (A)
01. Filthy McNasty (Horace Silver)  11:02
02. Doin' The Thing (Horace Silver)  11:16

side 2 (B)
03. Kiss Me Right (Horace Silver)  9:18
04. The Gringo - The Theme: Cool Eyes (Horace Silver)  12:03

Bonus Tracks
05. It Ain't S'posed To Be Like That (Horace Silver)  6:21
06. Cool Eyes (full version) (Horace Silver)  3:56


Blue Mitchell (tp) Junior Cook (ts) Horace Silver (p) 
Gene Taylor (b) Roy Brooks (ds) 

May 19 & 20, 1961 at Village Gate, Greenwich Village, NYC.

 

ドゥーイン・ザ・シング+2

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CDボーナス・トラックの「It Ain't S'Posed To Be Like That」は、ややスローテンポの「The St. Vitus Dance」といった風情の曲。

 

ゆったり目の演奏であるため、他の曲の勢いが削がれるのでオリジナルアルバムへの収録を見送ったものと思われます。

 

ボーナス・トラック2曲目は「The Theme: Cool Eyes」のフルバージョン「Cool Eyes -Full Version-」。

 

フルバージョンと命名されているものの、頭のテーマすっとばしてブルー・ミッチェルとジュニア・クック、そしてホレス・シルヴァーの短いソロが演奏され、テーマに戻るという感じの構成です。

 

Live at Newport 58

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Live in Paris February 1959

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Live at the Half

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ホレス・シルヴァーHorace Silver)のライブアルバムも、ブートまがいの音源含め、結構発売されているんですね。