加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)がジャズ名盤の個人的感想など綴ってます。

「The Amazing Bud Powell Vol. 2 (Blue Note) 1949,1951,1953」初期バド・パウエル好調期の記録

ブルーノート(Blue Note Records)のオーナー、アルフレッド・ライオン(Alfred Lion)が親身になり日々顔を合わせ世話をしていたのがバド・パウエルBud Powell)です。

 

前回記載した通り、バド・パウエルは「総合失調症」というやっかいな病を抱えておりましたが、心身とも好調の時は神がかった演奏を聴かせてくれるという事で、ジャズ・クラブやレコード会社のオーナー達は、「外れ」事もある事も承知の上、要するに博打的な思いでバド・パウエルを雇っていたという話もあるそうです。

 

「The Amazing Bud Powell Vol. 2 (Blue Note) 1949,1951,1953」初期バド・パウエル好調期の記録


「The Amazing Bud Powell Vol. 2 (Blue Note BLP-1504)」は、トリオとソロによる演奏に
焦点を当てており、1953年08月14日の録音を中心に編纂されております。

 

バド・パウエルBud Powell)の他、ベースのジョージ・デュヴィヴィエ(George Duvivier)、ドラムスのアート・テイラーArt Taylor)が録音に参加しております。


1曲目「Reets And I」は、ベニー・ハリス(Bennie Harris)の作品。

 


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特徴的なうなり声を上げつつ、ミディアム・テンポの曲ながら、早弾きフレーズを随所に混ぜるなど、バド・パウエルは快調そのものの演奏を聴かせてくれます。


2曲目「Autumn In New York」は、フリーテンポによりきらびやかなイントロから始まり、複雑なブロック・コードを多用したややクラシカルな雰囲気で演奏が進められます。


3曲目「I Want To Be Happy」は、アップテンポで演奏されます。
バドは好調そのものですが、ブラシのみでリズムを刻むアート・テイラーが大変そうですね(笑)。

 

5曲目「Sure Thing」も、ほぼスイングしないクラシカル風味の演奏ですね。
しかし、まあ、バドの両手がそれぞれ複雑な動きをしてますね。これぞ、まさに天才の演奏。

 

6曲目「Polka Dots And Moonbeams」は、心に染み入るようなバラッドでの演奏です。


7曲目「Glass Enclosure」は、バド・パウエルの自作曲で、壮大なイントロ部分とテーマ部、そして後半部分における曲調の落差が激しい、かなり複雑な構成。

 


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8曲目「Collard Greens And Black Eyed Peas」は、オスカー・ペティフォード (Oscar Pettiford)の作品で、ブルース進行の曲だと思われますが、高速ソロフレーズが頻繁に顔を出す、ご機嫌な演奏であります。


10曲目「Audrey」は、バド・パウエルの自作曲で、軽快にスイングする感じが素晴らしいです。

 

 

第1回目にあたる1949年08月09日のクインテット編成による録音は、バド・パウエルBud Powell)の他、トランペットのファッツ・ナバロ(Fats Navarro)、テナー・サックスのソニー・ロリンズSonny Rollins)というフロントに、ベースのトミー・ポッター(Tommy Potter)、ドラムスのロイ・ヘインズ(Roy Haynes)という編成で録音されましたが、「The Amazing Bud Powell Vol. 2 (Blue Note BLP-1504)」では、トリオ編成による録音だけが収録されております。


11曲目「You Go To My Head」は、セロニアス・モンクの推薦で起用されたロイ・ヘインズのブラシが冴え渡っております。バドのソロも快調そのもの。


12曲目「Ornithology [alternate master]」は、アップテンポ気味に軽快にスイングする1曲で、バドの高揚気味なソロフレーズも冴えわたっております。

 


第2回目の1951年05月01日の録音は、バド・パウエルBud Powell)の他、ベースのカーリー・ラッセル(Curly Russell)とドラムスのマックス・ローチMax Roach)というトリオ編成で「WOR Studios」にて行われておりますが、「The Amazing Bud Powell Vol. 2 (Blue Note BLP-1504)」では、バド・パウエルのソロによる演奏のみ収録されております。


4曲目「It Could Happen To You」は、バラッド風味の演奏で、時折混ざる高速フレーズが、凡百のピアニストとの格の違いを示しているように思われます。

 

9曲目「Over The Rainbow」も、バラッド風味の演奏ですが、冒頭からキマりまくる高速フレーズが、素晴らしいです。

 


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The Amazing Bud Powell Vol. 2 (RVG)
Blue Note BLP-1504 / Toshiba EMI TOCJ-9027 [1998.09.30]

side 1 (A)
01. Reets And I (Bennie Harris)  3:21
02. Autumn In New York (Vernon Duke)  2:53
03. I Want To Be Happy (Vincent Youmans)  2:53
04. It Could Happen To You (Burke-Van Heusen)  3:15
05. Sure Thing (Gershwin, Kern)  2:40
06. Polka Dots And Moonbeams (Burke-Van Heusen)  4:04

side 2 (B)
07. Glass Enclosure (Bud Powell)  2:25
08. Collard Greens And Black Eyed Peas (Pettiford)  3:04
09. Over The Rainbow (Harburg, Arlen)  2:58
10. Audrey (Bud Powell)  2:58
11. You Go To My Head (Gillespie, Coots)  3:14
12. Ornithology [alternate master] (Bennie Harris)  3:10


#11,12  August 9, 1949 at WOR Studios, NYC. 
Bud Powell (p) Tommy Potter (b) Roy Haynes (ds)

#04,09  May 1, 1951 at WOR Studios, NYC.
Bud Powell (p)

#01-03,05,06,07,08,10  August 14, 1953 at WOR Studios, NYC.
Bud Powell (p) George Duvivier (b) Art Taylor (ds)

 

ジ・アメイジング・バド・パウエル Vol.2

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「The Amazing Bud Powell Vol. 2 (Blue Note) 1949,1951,1953」初期バド・パウエル好調期の記録

 

The Amazing Bud Powell Vol. 2 
Blue Note BLP-5041

side 1 (A)
01. Reets And I (B. Harris) 3:20
02. Autumn In New York (V. Duke) 2:53
03. I Want To Be Happy (V.Youmans) 2:51
04. Sure Thing (Kern-Gershwin)    2:40

side 2 (B)
05. The Glass Enclosure (Bud Powell) 2:22
06. Collard Greens and Black-Eye Peas (O. Pettiford) 3:03
07. Polka Dots And Moonbeams (Burke-Van Heusen) 4:02
08. Audrey (Bud Powell) 2:56


Bud Powell(p) George Duvivier(b) Art Taylor(ds)
August 14,1953 at WOR Studios, NYC.

 

THE COMPLETE AMAZING BUD POWELL

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他者の追随を許さない狂気を孕んだ初期の演奏がもてはやされ、後期の寛いだ演奏は敬遠される傾向にあるようですが、色々な処で言及している様に、私は後期の寛いだ演奏の方が好きです。

 

初期の演奏はBGM代わりに聴き流す事が出来ないというのが大きな理由ですが、他のミュージシャンの演奏もそうですが、「体育会系」というか「演奏テクニックのひけらかし」的な演奏には、まったく感情移入出来ないんですわ、正直な話・・・。