加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

「Sonny Stitt - Sonny Stitt Plays (Roost) 1955」超絶技巧派の残した傑作ワンホーン・アルバム

チャーリー・パーカーCharlie Parker)に肉薄する超絶技巧の持ち主であるサックス奏者、ソニー・ステット(Sonny Stitt)が1955年12月の15日と16日の2日間に渡り録音したアルバム「Sonny Stitt Plays (Roost LP-2208)」は、私が買ったCDの帯によると「ソニー・ステット絶頂期の記録で代表作」であり、「ワン・ホーン・カルテットの傑作」なんだそうです・・・。

 

「Sonny Stitt - Sonny Stitt Plays (Roost) 1955」超絶技巧派の残した傑作ワンホーン・アルバム

 

Sonny Stitt Plays (Roost LP-2208)」は、破天荒な人生を送った天才サックス奏者チャーリー・パーカーCharlie Parker)が、1955年03月12日に亡くなっているので、バーカーが亡くなってから9ヶ月後の録音というのも興味深い点。

 

というのも、ソニー・ステット(Sonny Stitt)はチャーリー・パーカーCharlie Parker)存命時、「(パーカーに)似てる、そっくりさん」と言われていたそうで、それを嫌がってか一時期、アルト・サックスではなくテナー・サックスを吹いていたという話もあったりします。

 

まあ、バード(チャーリー・パーカー)が亡くなった事で「憑き物が落ちた」というか周囲の「言動」から解放されたのでしょうね・・・。

 

アルバム「Sonny Stitt Plays (Roost LP-2208)」では全編、時折、超高速ビバップ・フレイズを混ぜつつ、思う存分吹きまくっております・・・。

 

しかし、ハンク・ジョーンズHank Jones)の端正なピアノに、カウント・ベイシーCount Basie)楽団の重鎮であるフレディ・グリーン(Freddie Green)が絡む事で、スイング感が増すのが面白いというか・・・ベイシー楽団の猛烈なるスイング感の源は、フレディ・グリーン(Freddie Green)である事を、あらためて思い知らされます・・・・。

 

 

さて、1~4曲目とCD追加曲である9曲目は、1955年12月15日の録音。バックを固めるメンバーは、リズム・ギターがフレディ・グリーン(Freddie Green)、ピアノがハンク・ジョーンズHank Jones)、ベースがウェンデル・マーシャル(Wendell Marshall)、ドラムスがシャドウ・ウィルソン("Shadow" Wilson)


軽快にスイングする1曲目の「There Will Never Be Another You」、バラッドの名演と言われる2曲目「The Nearness Of You」、そして冒頭のチャーリー・パーカーCharlie Parker)ばりの無伴奏ソロが凄いソニー・ステット(Sonny Stitt)の自作曲である3曲目「Biscuit Mix」、再びしっとりとしたバラッド演奏に戻る4曲目「Yesterdays」と4曲あっと言う間に聴き終えてしまいます。

 


www.youtube.com

 

なおCDには追加曲として9曲目に「The Nearness Of You [alternate take]」が収録されております。

 

 

5~8曲目とCD追加曲である10曲目は、1955年12月16日の録音。ギターのフレディ・グリーン(Freddie Green)が抜けた、カルテットによる演奏となりますが、こちらの編成の方が「バード味」強いというか、ストレートなビ・バップ風味がする演奏ですね・・・。

 


超アップテンポで演奏される5曲目「Afterwards」は、ソニー・ステット(Sonny Stitt)の自作曲。

 


www.youtube.com

 

続いてミディアムテンポで演奏される6曲目「If I Should Lose You」、ソニー・ステット(Sonny Stitt)自作のブルースである7曲目「Blues For Bobby」、冒頭から倍速フレーズが冴えわたる8曲目「My Melancholy Baby」と続きます。


CDには追加曲として10曲目に「If I Should Lose You [alternate take]」が収録されております。

 

1950年代に活躍したバップ系アルト・サックス奏者は、全員と言っても過言でない位、チャーリー・パーカーCharlie Parker)の影響下にあった訳ですが、ソニー・ステット(Sonny Stitt)位、技量と音色が似通ったミュージシャンも居なかったんでしょうねえ・・・。

 

今回、久しぶりにアルバム「Sonny Stitt Plays (Roost LP-2208)」を聴いたのですが、中々の名盤だと思います。

 

 

Sonny Stitt - Sonny Stitt Plays +2
Roost LP-2208 / 東芝EMI TOCJ-9404 [2002.04.26]


side 1 (A)
01. There Will Never Be Another You (H.Warren-M.Gordon)  4:35
02. The Nearness Of You (H.Carmichael-N.Washington)  5:10
03. Biscuit Mix (Sonny Stitt)  3:16
04. Yesterdays (Harbach-Kern)  4:59

side 2 (B)
05. Afterwards (Sonny Stitt)  3:17
06. If I Should Lose You (Rainger-Robin)  4:18
07. Blues For Bobby (Sonny Stitt)  4:51
08. My Melancholy Baby (Burnett-Norton)  5:39

CD Bonus Tracks
09. The Nearness Of You [alternate take]  5:24
10. If I Should Lose You [alternate take]  4:31


#01-04,09  December 15, 1955 at Capitol Studios in NYC.
Sonny Stitt (as) Freddie Green (g) Hank Jones (p) Wendell Marshall (b) "Shadow" Wilson (ds)

#05-08,10  December 16, 1955 at Capitol Studios in NYC.
Sonny Stitt (as) Hank Jones (p) Wendell Marshall (b) "Shadow" Wilson (ds)