加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)がジャズ名盤の個人的感想など綴ってます。

「Jackie McLean - Capuchin Swing (Blue Note) 1960」小気味よいハードバップ・アルバム

ジャッキー・マクリーンJackie McLean)の「Capuchin Swing (Blue Note BST-84038」は、比較的リラックスして聴ける1枚。

 

「Jackie McLean - Capuchin Swing (Blue Note) 1960」小気味よいハードバップ・アルバム


ブルーノートでの前作「Swing, Swang, Swingin'(BST-4024)」に引き続き、ピアニストとしてウォルター・ビショップ(Walter Bishop Jr.)を起用。

 

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トランペットは当時、ホレス・シルヴァークインテットで活躍中だったブルー・ミッチェルBlue Mitchell)が参加しております。

 

 

で、マクリーンとミッチェルというブルージーな持ち味のフロント2人で参加しているのに、全体的に明るい雰囲気なのは何故かと考えてみると多分、バド・パウエルBud Powell)を頂点とするビバップ・ピアニストの一人、ウォルター・ビショップの影響力が大きいからなのだと思われます。

 

Bud Powell In Paris

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  • Warner Records
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ウォルター・ビショップはオリジナルを2曲提供した上、何故かトリオだけの演奏もあったりしますから。

その辺りを考慮すると、このアルバムの音楽監督的役割をウォルター・ビショップが担っていたのかもしれません。

 

要するに「Capuchin Swing (Blue Note BST-84038」は、ウォルター・ビショップを中心に聴くと結構楽しめるアルバムかと思われます。


また、「Capuchin Swing」という謎めいたアルバム・タイトルについてですが。

アルバムジャケットにも登場している当時、ジャッキー・マクリーンの家で飼われていたオマキザル属のペット猿、「Mr. Jones」君からつけられたようです。

 

なお、オマキザル属の英語名称「Capuchin」は、その頭の形(毛並み?)が「カプチン・フランシスコ修道会(ラテン語で Ordo Fratrum Minorum Capuccinorum)」の僧が身に付ける修道服の頭巾(カプッチョ。イタリア語で cappuccio)に似ていることに由来しているそうです。

 

ついでにイタリアで好まれるコーヒーの飲み方の一つ「カプチーノ(イタリア語で Cappuccino)」も、名前の由来は「カプチン・フランシスコ修道会」からなんだそうです。

 


さて1曲目、ブルーノート首脳陣の一人、フランシス・ウルフ(Fracsis Wolff)の名前をもじった「Francisco」は、ジャッキー・マクリーンの作曲です。

 


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良く考えると、「カプチン・フランシスコ修道会」にも引っかけているかもしれません(笑)。
アップテンポで、適度なキメのバック・リフが用意されているあたりが好きですね。
軽快なハード・バップとでも表現しておきましょう。

 

2曲目、ミディアム・テンポの「Just For Now」は、ウォルター・ビショップの作曲。
テーマ部から、ウォルター・ビショップを中心として歯切れ良く演奏が進んで行きます。

 

3曲目、トリオのみで演奏される「Don't Blame Me」は、ピアノ・トリオで良く演奏されるスタンダード・ナンバー。リズム隊3人による、小気味良い演奏をご堪能下さい。

 


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オリジナル・ライナーによると、ウォルター・ビショップは1955年頃からこのアレンジで演奏していたようです。

 

4曲目、ジャッキー・マクリーンのオリジナル「Condition Blue」は、ホレス・シルヴァークインテットが演奏しそうなタイプの曲。


この曲でのウォルター・ビショップのバッキング、ホレスみたいで面白いです(笑)。

 


タイトル曲でもある5曲目の「Capuchin Swing」もジャッキー・マクリーンのオリジナル。どうもこの曲、私の大好きな「Star Eyes」のコード進行を下敷きに書かれた曲のようです。

 


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演奏が進むにつれて、「Star Eyes」のテーマ・フレーズがソロのあちこちに顔を出します(笑)。


ラスト6曲目、アルフレッド・ライオン(Alfred Lion)の名前をもじった「On The Lion」は、ウォルター・ビショップの作曲で、これまた、軽快なハード・バップと表現した方がいいかな。

 

ウォルター・ビショップが結構張り切ったソロを披露してくれます。

 

Jackie McLean - Capuchin Swing (RVG)
Blue Note BST-84038 / 東芝EMI TOCJ-9156 [1999.11.26]

side 1 (A)
01. Francisco (Jackie McLean)  9:31
02. Just For Now (Walter Bishop Jr.)  7:31
03. Don't Blame Me (McHugh-Fields)  4:21

side 2 (B)
04. Condition Blue (Jackie McLean)  8:11
05. Capuchin Swing (Jackie McLean)  6:08
06. On The Lion (Walter Bishop Jr.)  4:44


Blue Mitchell (tp #1,2,4-6) Jackie McLean (as #1,2,4-6) 
Walter Bishop Jr. (p) Paul Chambers (b) Art Taylor (ds)
April 17, 1960 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.

 

カプチン・スイング

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「Capuchin Swing (Blue Note BST-84038」は、小気味よいハードバップ・アルバムでありますが。

 

まあ、リーダーのジャッキー・マクリーンを中心に聴くなら「Swing, Swang, Swingin'(BST-84024)」がお勧めかなあ・・・と。