「Weather Report - Heavy Weather (Columbia) 1976」バードランド!バードランド!
ジョー・ザヴィヌル(Joe Zawinul)率いるウエザー・リポート(Weather Report)が
1976年に録音した大ベストセラー・アルバム「Heavy Weather (Columbia) 1976」。
直訳すると「荒天(悪天候)」。「ダウン・ビート(Down Beat)」誌での評価は「5つ星」。1977年には読者投票で「アルバム・オブ・ザ・イヤー」を獲得したそうです。
このバンドには他にウェイン・ショーター(Wayne Shorter)と、ジャコ・パストリウス(Jaco Pastorius)という2人の天才ミュージシャンを擁し、当時から大人気だったようです。
この中の「Birdland」は私が高校生の頃、ビックバンドで演奏した思い出深い1曲。
というか、つい最近まで「Birdland」以外、聴いた事がなかったという・・・(笑)。
ジョー・ザヴィヌルが弾いているであろう印象的なシンセベースによるイントロの後聴こえる音は、ギターかと思いきや、ジャコ・パストリウスが弾くフレットレス・ベースの音だそうで。
また、この独特な音は「ピッキング・ハーモニクス」という奏法らしいです(しどろもどろ)。
このバンドはベースが全面に出て、キーボードとサックスがサウンドの彩を添える感じが、何ともいえない浮遊感というか、不思議な高揚感を与えているのかなあ・・・と。
Weather Report - Heavy Weather (1976)
Columbia PC 34418 / Legacy CK 65108 [1997]
side 1 (A)
01. Birdland (Joe Zawinul) 5:59
02. A Remark You Made (Joe Zawinul) 6:53
03. Teen Town (Jaco Pastorius) 2:51
04. Harlequin (Wayne Shorter) 4:01
side 2 (B)
05. Rumba Mama (A. Acuna, M. Badrena) 2:11
06. Palladium (Wayne Shorter) 4:46
07. The Juggler (Joe Zawinul) 5:03
08. Havona (Jaco Pastorius) 6:02
Weather Report
Wayne Shorter (ss,ts) Joe Zawinul (p,el-p,synth,melodica,,g,tablavo)
Jaco Pastorius (el-b,mandocello,ds,steel-ds,vo) Alex Acuna (ds,handclaps)
Manolo Badrena (per,conga,tambourine,vo)
October, 1976 at Devonshire Sound Studios, North Hollywood, CA.
ライブ映像をぼーっと眺めていると、控えめのウェイン・ショーターより、半裸のジャコ・パストリウスがステージ上で動き回る姿が目に焼き付きます(笑)。
ついでに調べてみると「Heavy Weather (Columbia) 」が録音された1976年というのは、
ディスコ・ブームの真っ最中だったようで。
ジャズは人気と方向性を失いかけ、フリージャズのけん引役であったオーネット・コールマン(Ornette Coleman)が「Dancing In Your Head (Horizon Records)」なる痛快すぎるアルバムを発表したりと、まさに「混沌」とした時代であったようです。
ストレイト・アヘッド・ジャズの復活は1980年以降、大御所アート・ブレイキー(Art Blakey)やハービー・ハンコック(Herbie Hancock)らとの共演で頭角をあらわす天才トランペッター、ウイントン・マルサリス(Wynton Marsalis)の衝撃的な登場まで、おあずけ状態という感じかと・・・。