加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

「Lee Morgan – The Rumproller (Blue Note) 1965」「月の砂漠」をエキゾチックに快演

リー・モーガンLee Morgan)の「The Rumproller (Blue Note BST-84199)」は、「The Sidewinder (BN4157)」の大ヒットを引っさげてのブルーノート(Blue Note Records)復帰第3弾。

 

このジャケットは、ユニクロのコラボTシャツシリーズ、UTコレクション「ブルーノートレコード 2022 春夏」にも採用されたので、久しぶりに引っ張り出してみました。

興味のある方は、ユニクロのお店やサイトを眺めてみて下さい。

 

「Lee Morgan – The Rumproller (Blue Note) 1965」「月の砂漠」をエキゾチックに快演

「The Sidewinder (BST-84157)」同様、テナーサックスのジョー・ヘンダーソンJoe Henderson)が参加。

 

 

前回以上のヴァラエティに富んだ作風をものともせず、摩訶不思議なフレーズを展開しております。

 

「The Rumproller」は、私の大好きなアンドリュー・ヒル(Andrew Hill)作曲による軽快なジャズ・ロック。

 


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ソロ1番手のモーガンは余裕しゃくしゃくで、小憎らしいほどキュートでタメの効いたフレーズを連発。
2番手のジョー・ヘンダーソンはいつも通り、パルス波を放射するかのようなフレーズを繰り出し次第にヒートアップしていきます。

 


「Desert Moonlight(月の砂漠)」はもちろん、日本の名曲「♪つーきのー、さばーくをー」の月の砂漠(作詞 加藤まさを・作曲 佐々木すぐる)です。

 


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オリジナル盤ではしれっと「作曲:リー・モーガン」と記載されていたそうですが、流石に日本ではそうも行きません(笑)。


イロモノかと思いきや、結構シリアスに聴ける1曲であります。

 


「Eclipso」はカリプソ風味満点のとっても陽気な曲。

 

照り付ける太陽の真下、パラソル差してジュースでも飲みながら聴きたい1曲です(笑)。

 


「Edda」はワルツ・テンポ。モーガンの盟友、ウェイン・ショーターの作曲です。

 

陰陽混ぜ合わせたテーマが、いかにもショーターらしい。こういう作風には、ジョー・ヘンダーソンのくねくねしたテナー・ソロが合いますね。
モーガンもソロの最初から思い切りブロー、気持ちよさそうにやや破天荒なフレーズを重ねて行きます。

 


ラストの「The Lady」はバラッド。モーガンは珍しくミュートを付けて演奏に挑みます。

 


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しっかし、ファッツ・ナヴァロ(Fats Navarro)直系の暖かみある音色は絶品ですね。


「Venus Di Mildew」は、CD発売時の追加曲です。

 

Lee Morgan – The Rumproller +1 (RVG)
Blue Note BST-84199 / 7243 5 21229 2 9 [1999] RVG Edition

sided 1 (A)
01. The Rumproller (Andrew Hill)  10:31
02. Desert Moonlight (Lee Morgan)  9:23

side 2 (B)
03. Eclipso (Lee Morgan)  6:59
04. Edda (Wayne Shorter)  7:24
05. The Lady (Rudy Stevenson)  7:32

CD Bonus Track
06. Venus Di Mildrew (Wayne Shorter)  6:26


#01-05 April 21, 1965 at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ. 
#06 April 9, 1965 at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ. 

Lee Morgan (tp) Joe Henderson (ts) Ronnie Mathews (p) 
Victor Sproles (b) Billy Higgins (ds) 

 

 

私の大好きなアンドリュー・ヒル(Andrew Hill)が、軽快なジャズ・ロック「The Rumproller」提供しておりますが・・・。

 

ブラック・ファイア

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ハービー・ハンコックHerbie Hancock)と同じ位の期待と共に売り出し中だったアンドリュー・ヒル

 

Empyrean Isles

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ブルーノート(Blue Note Records)から次々アルバムを発売したものの売れ行き芳しくなかったのか。

 

なら、ハービー同様、ジャズロック風の曲で何とかヒットを出そうというというアルフレッド・ライオン(Alfred Lion)の執念めいた配慮がうかがえます。