加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)がジャズ名盤の個人的感想など綴ってます。

「The Amazing Bud Powell Vol. 5 - The Scene Changes (Blue Note) 1958」ジャズ喫茶の人気盤

「The Scene Changes (Blue Note)」は、モダンジャズピアノの巨人、バド・パウエルBud Powell)が、トリオ編成でブルーノート(Blue Note Records)に録音した渡欧直前の録音です。

 

「The Amazing Bud Powell Vol. 5 - The Scene Changes (Blue Note) 1958」ジャズ喫茶の人気盤

日本では1曲目に収録された「クレオパトラの夢(Cleopatra's Dream)」だけが何故か大人気。

バドが唸り声をあげながら弾く、日本人好みのマイナー調の曲は、ジャズ喫茶の独特な空間で聴くと格別なんでしょうねえ。

 


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「The Scene Changes (Blue Note)」は、日本が誇る文化施設である「ジャズ喫茶」では、発売当初から人気盤であったようです。

 

どの曲も優劣つけがたいですね。

しかし、曲名を眺めていると、バドが渡欧後の活動にほのかな期待を見出してる様子が伺えます。

 

The Amazing Bud Powell Volume 5 - The Scene Changes +1 (RVG)
Blue Note BST-84009 / 東芝EMI TOCJ-66405 [2006.09.20]

 

side 1 (A)
01. Cleopatra's Dream (Bud Powell)  4:25
02. Duid Deed (Bud Powell)  5:08
03. Down with It (Bud Powell)  4:01
04. Danceland (Bud Powell)  3:44
05. Borderick (Bud Powell)  2:01

side 2 (B)
06. Crossin' The Channel (Bud Powell)  3:31
07. Comin' Up (Bud Powell)  7:58
08. Gettin' There (Bud Powell)  5:04
09. The Scene Changes (Bud Powell)  4:04

CD Bonus Tracks
10. Comin' Up [alternate take] (Bud Powell)  5:27


Bud Powell (p) Paul Chambers (b) Art Taylor (ds) 

December 29, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.

 

 

さて。

私的には狂気を孕んだ初期の演奏より、後期のくつろいだ風の演奏の方が好み。

 

バーブ(Verve Records)に残された後期のアルバム群は「演奏にムラがある」という世評もあり、あまり人気がないらしいですが、私は大好きです。

作業のBGMとして利用する分には、録音スタジオから突然、行方不明になったと思ったら、クスリをキメてハイになって戻ってきて、すぐさま演奏したらしい「Un Poco Loce」みたいな狂気を孕んだ演奏より、たとえ演奏中にバドの指がもつれてたとしても、寛いだ演奏の方がいいですもの。

 


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バド・パウエルBud Powell)は、ブルーノート(Blue Note Records)のオーナー、アルフレッド・ライオン(Alfred Lion)の回想からも読み取れる通り、ある種の精神疾患に起因すると思われる、おかしな行動をとる事があったようです。

 

 

そのため、1947年から1948年の10月まで病院に強制収容となり、収容された病院で「電気ショック療法」による治療を受けたそうです。

 

当初「ジャズピアノの天才」とまで呼ばれ、神がかった演奏を繰り広げていたバドが病院退院後、別人のような演奏をするのは、「電気ショック療法」による治療の弊害だと言われております。

 


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しかし、表題曲「クレオパトラの夢(Cleopatra's Dream)」は、渡欧後に録音されたライブ盤で聴いた事ないんですよね。「クレオパトラの夢」のライブ・バージョンって存在するのかしら?

 

最後にバドが病院を退院し、渡欧した1958年付近の録音を大雑把に紹介しておきます。

 

●1958年

「The Amazing Bud Powell Vol. 4 - Time Waits (Blue Note BLP 1598)」

 

「The Amazing Bud Powell Vol. 5 - The Scene Changes (Blue Note BLP 4009)」

 

●1959年

 

Bud Powell - Bud In Paris (Xanadu 102)」

 

「Art Blakey, Bud Powell, Barney Wilen, Wayne Shorter, Lee Morgan - Paris Jam Session (Fontana 680 207 TL)」

 

●1963年

Bud Powell in Paris

Bud Powell in Paris

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Bud Powell In Paris (Reprise R6098)」