マイルス・デヴィス(Miles Davis)が「Birth Of The Cool (Capitol)」のプロジェクトを始動させ、スタジオ録音も進めていた同じ時期。
マイルスは、作編曲者として有名なタッド・ダメロン(Tadd Dameron)のバンドの一員として、フランスはパリで開催されたジャズ・フェスティバルに出演しております。
その時のライブを収録したものがアルバム「Miles Davis & Tadd Dameron - In Paris Festival International De Jazz」です。
トランペットは順当であれば、ファッツ・ナバロ(Fats Navarro)が参加していたはずですが、何らかの理由でマイルス・デヴィス(Miles Davis)が抜擢されたものと思われます。
同フェスティバルにはマイルスのかつてのボス、チャーリー・パーカー(Charlie Parker)のクインテットも参加していたりしたためか、中々気合の入った演奏を聴くことが出来ます。
タッド・ダメロン(Tadd Dameron)のバンドなんで、マイルスがファッツ・ナバロ(Fats Navarro)っぽいビバップスタイルの、熱すぎる演奏を聴かせてくれるのが面白かったりします。
「Birth Of The Cool (Capitol)」で、ビバップからの脱却を模索していた時期に、「お仕事ですからー」と、ビバップ時代に逆戻りした演奏を、平然とやっちゃうマイルス(笑)。
チャーリー・パーカーのバンドには、マイルスが後任に推薦したケニー・ドーハム(Kenny Dorham)が参加してますし、ドラムスは旧知のマックス・ローチ(Max Roach)なんで、「ビバップ・スタイルの演奏で対抗するしかなかった」という方便も考えられますけどね・・・音はやや悪いですが、燃え上がるライブであります。
Miles Davis & Tadd Dameron - In Paris Festival International De Jazz, May, 1949
Columbia JC-34804 / SME Records SRCS-9724 [2001.02.21]
side 1 (A)
01. Rifftide (Coleman Hawkins) 4:34
02. Good Bait (Count Basie, Tadd Dameron) 5:48
03. Don't Blame Me (Dorothy Fields - Jimmy McHugh) 4:19
04. Lady Bird (Tadd Dameron) 5;06
side 2 (B)
05. "Wah" "Hoo" (Cliff Friend) 5:33
06. Allen's Alley (Denzil Best) 4:19
07. Embraceable You (Ira Gershwin - George Gershwin) 4:00
08. Ornithology (Charlie Parker - Benny Harris) 3:51
09. All The Things You Are (Oscar Hammerstein II - Jerome Kern) 4:16
Miles Davis (tp) James Moody (ts) Tadd Dameron (p)
Barney Spieler (b) Kenny Clarke (ds)
May 8-15, 1949 at Salle Pleyel, Paris, France.
チャーリー・パーカー(Charlie Parker)クインテットの演奏も見つけました。
同フェスティバルの様子は、日本のチャーリー・パーカー・マニアの方がまとめたページがあるようです。
「Birth Of The Cool (Capitol)」との違いを、お楽しみください。