「Clifford Brown With Strings (EmArcy)」は、早世した天才トランペット奏者クリフォード・ブラウン(Clifford Brown)が、カウント・ベイシー(Count Basie)楽団などへの編曲提供で有名な作編曲家、ニール・ヘフティ(Neal Hefti)編曲指揮によるストリングスをバックに録音したアルバム。
ジャズメンが吹き込んだストリングスアルバムの中でも「聖典」と呼べる1枚であり、チャーリー・パーカー(Charlie Parker)のストリングスアルバムと双璧をなす録音。
トランペット奏者の「お手本」が、ぎっしり詰まったアルバムだったりします。
有名ジャズ・スタンダードを多少のフェイク(誇張)を交えるものの、ほぼアドリブなし、メロディを素直になぞって吹いてるだけなのですが、ブラウニーの安定したテクニックと歌心溢れるトランペットには、ただただ、感動するばかり。
編曲と指揮を担当するニール・ヘフティもトランペット奏者であるためか、ブラウニーが吹くメロディを際立たせるツボを心得たストリングスを聴かせてくれます。
Clifford Brown – Clifford Brown With Strings (1955)
EmArcy MG-36005 / PolyGram K.K. PHCE-3059 [1996.12.20]
side 1 (A)
01. Yesterdays (Kern, Harbach) 2:59
02. Laura (Raskin, Mercer) 3:26
03. What's New (Haggart, Burke) 3:24
04. Blue Moon (Rodgers-Hart) 3:13
05. Can't Help Lovin' Dat Man (Hammerstein-Kern) 3:44
06. Embraceable You (G. & I. Gershwin) 3:01
side 2 (B)
07. Willow Weep For Me (Ronnell) 3:25
08. Memories Of You (Razaff, Blake) 3:32
09. Smoke Gets In Your Eyes (Kern, Harbach) 3:14
10. Portrait Of Jenny (Burdge, Robinson) 3:25
11. Where Or When (Rodgers-Hart) 3:28
12. Stardust (Carmichael, Parrish) 3:23
Clifford Brown (tp) Richie Powell (p) Barry Galbraith (g)
George Morrow (b) Max Roach (ds)
6 violins, 2 violas, 1 cello, Neal Hefti (arranger, conductor)
January 18-20, 1955 at Fine Sound, NYC.
ジャズミュージシャンが吹き込んだストリングス・アルバムを参考までに。
ジャズとクラッシック両方の演奏を録音してるウイントン・マルサリス(Wynton Marsalis)のストリングスアルバムですが、編曲はかなり刺激的な気がします。
アート・ペッパー(Art Pepper)晩年のストリングスもの。知られざるアルバムの一枚ではありますが、私は大好きです。
こちらも最晩年のチェット・ベイカー(Chet Baker)がストリングスを含む大編成バンドと共演したライブアルバム。
チェットお馴染みの名曲を、豪華なバックと共に、いつになく嬉しそうに気合い入れて演奏してます。