上品なタッチ。程よくブルージーで、程よくファンキー。
アルバム冒頭「ゴールデン・イヤリングス(Golden Earrings)」の気品漂う演奏から始まる「Ray Briant Trio (Prestige)」は、レイ・ブライアント(Ray Bryant)というより、数多あるジャズ・ピアノ・トリオの中でも屈指の名盤。
※ジャケット裏の写真は「Discogs」からお借りしました。
日本が誇る文化である「ジャズ喫茶」の高級スピーカーで聴きたい1枚でもあります。
後年聴かれる特徴的な演奏スタイルである、強力なファンキータッチで弾き倒す事はありませんが、それが逆に、このアルバムの聴きやすさにつながっている気がします。
小川隆夫さんの、ジャズマンのインタビューで名盤を解説する本「ジャズマンが愛する不朽のJAZZ名盤100」によると、発売当時も良く売れたらしいです。
クセのなくてややロマンチック風味なところが、ビル・エヴァンス(Bill Evans)のアルバム群同様、いわゆる初心者向けであり、売り上げにプラスしたのが「Ray Briant Trio (Prestige)」かと思われます。
Ray Briant - Ray Briant Trio (1957)
Prestige PRLP-7098 / OJCCD-793-2 / Victor Entertainment VICJ-60279 [1999.02.03]
side 1 (A)
01. Golden Earrings (Jay Livingston, Ray Evans, Victor Young) 4:48
02. Angel Eyes (Matt Dennis) 3:18
03. Blues Changes (Ray Bryant) 4:56
04. Splittin' (Ray Bryant) 4:32
side 2 (B)
05. Django (John Lewis) 4:59
06. The Thrill Is Gone (Lew Brown, Ray Henderson) 4:49
07. Dahoud (Clifford Brown) 3:58
08. Sonar (Gerald Wiggins, Kenny Clarke) 3:21
Ray Bryant (p) Ike Isaacs (b) Charles "Specs" Wright (ds)
April 5, 1957 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
レイ・ブライアント(Ray Bryant)は、ペンシルベニア州フィラデルフィア出身なんだそうで。
ちなみに兄のトミー・ブライアント(Tommy Bryant)はベース奏者であり、パパ・ジョー・ジョーンズのアルバムで共演してますね。
で、「Ray Briant Trio (Prestige)」は、アルバムタイトルが「Piano Piano Piano Piano」と表記される事もあるんですね。
という事で、初期で私が好きだったり、有名だったりするアルバムをざっとご紹介しておきます。
日本ではあんまり再発の機会がないですが、パパ・ジョー・ジョーンズのアルバムは、ピアノがレイ・ブライアントのトリオによるアルバムです。
●1957年
Ray Bryant Trio - Piano Piano Piano Piano (Prestige PRLP-7098)
●1958年
Jo Jones Plus Two (Vanguard VRS-8525)
Ray Bryant - Alone With The Blues (New Jazz NJLP-8213)
●1959年
Jo Jones Trio (Everest LPBR 5023)
Ray Bryant Plays (Signature LP-6008)
●1960年
Ray Bryant Trio - Con Alma (Columbia CL-1633)
●1972年
Ray Bryant - Alone At Montreux (Atlantic SD-1626)
以降のアルバムは割愛致します(笑)。