「Sonny Rollins - Moving Out (Prestige) 1954」典型的なハード・バップ・アルバム
テナー・サックス界の巨人、ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)のアルバム「Moving Out (Prestige PRLP-7058)」は、典型的なハード・バップといった風情の良盤だと思います。
1954年08月18日に録音された1~4曲目でバックを固めるのはケニー・ドーハム(Kenny Dorham)、エルモ・ホープ(Elmo Hope)、パーシー・ヒース(Percy Heath)、そして「Abdullah Buhaina」なる変名で参加するアート・ブレイキー(Art Blakey)と、ハード・バップ期の録音としては最強の部類に入るであろうメンバーが揃っております。
エルモ・ホープ(Elmo Hope)が時折、ホレス・シルヴァー(Horace Silver)風なピアノの弾き方をしているので、アート・ブレイキー(Art Blakey)のドラムとは、最適なコンビネーションでは・・・と思ったりします。
1~4曲目はいずれもソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)の自作曲で、時にはおおらか、時には豪快に吹きまくるソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)を堪能する事が出来ます。
急速調で演奏される典型的なハード・バップ風味溢れる1曲目「Movin' Out」と2曲目「Swingin' For Bumsy」、一転しておおらかに吹き上げる3曲目「Silk N' Satin」とアナログ・レコードのA面に相当する3曲が続きます・・・。
ゆったりとしたテンポでありながら、ソロでは倍速テンポで吹きまくるロリンズに惚れ惚れする4曲目「Solid」も良いですね。
5曲目「More Than You Know」のみ1954年10月25日の録音で、バックはセロニアス・モンク(Thelonious Monk)、トミー・ポッター(Tommy Potter)、アート・テイラー(Arthur Taylor)という、こちらも豪華なメンバーとなっております。
で、「More Than You Know」は、ゆったりとした優しい雰囲気で演奏は進みまして、ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)のやや理性が効いた豪快な演奏の後、セロニアス・モンク(Thelonious Monk)の美しくしっとりと聴かせるソロに続きます。
Sonny Rollins - Moving Out
Prestige PRLP-7058 / OJC-058 / Victor Entertainment VICJ-41603 [2006.07.26]
side 1 (A)
01. Movin' Out (Sonny Rollins) 4:29
02. Swingin' For Bumsy (Sonny Rollins) 5:47
03. Silk N' Satin (Sonny Rollins) 4:00
side 2 (B)
04. Solid (Sonny Rollins) 6:25
05. More Than You Know (Rose, Eliscu, Youmans) 10:49
#01-04 August 18, 1954 at Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
Kenny Dorham (tp) Sonny Rollins (ts) Elmo Hope (p)
Percy Heath (b) Art Blakey as "Abdullah Buhaina" (ds)
#05 October 25, 1954 at Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
Sonny Rollins (ts) Thelonious Monk (p) Tommy Potter (b) Arthur Taylor (ds)
ついでに、ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)関連の過去記事も貼っておきますね。