寡作なテナーサックス奏者、ティナ・ブルックス（Tina Brooks）の、ブルーノート（Blue Note Records）からリアルタイムに発売された唯一のアルバムが「True Blue (Blue Note BLP-4041)」です。
フロントの相方には当時、新進気鋭のトランペット奏者だったフレディ・ハバード（Freddie Hubbard）を器用し、ピアノにデューク・ジョーダン（Duke Jordan）、ベースはサム・ジョーンズ（Sam Jones）、ドラムスはアート・テイラー（Art Taylor）という堅実なるメンバーを揃え、「ハードバップど真ん中」と表現するのが一番しっくりする、勢いある演奏を聴かせてくれます。
「Freddie Hubbard - Open Sesame (Blue Note BLP-4040)」と番号続きでフロント２管が同じメンバーという事で、２枚のアルバムでフレディ・ハバード（Freddie Hubbard）とティナ・ブルックス（Tina Brooks）を同時に売り出しにかかろうとしていた事が読み取れます。
また、ジュークボックス用のシングル盤として、約８分の曲をＡＢ面に分割収録した「Tina Brooks - Good Old Soul, Part 1 & 2 (Blue Note 45-1782)」が発売された様です。
番号続きで「Tina Brooks - True Blue / Theme For Doris (Blue Note 45-1783)」も計画されていた様ですが、何らかの理由でお蔵入りした模様。
では、アルバム収録された６曲を簡単にご紹介していきますが、ＣＤのバージョンよっては、別テイクが２曲程追加されたものもあります。
ちなみに「True Blue (Blue Note BLP-4041)」に収録された曲は、「Nothing Ever Changes My Love For You」を除き全曲、ティナ・ブルックス（Tina Brooks）のオリジナル楽曲です。
１曲目「Good Old Soul」は、タイトル通りソウルフルな楽曲でありますが、デューク・ジョーダン（Duke Jordan）、サム・ジョーンズ（Sam Jones）、アート・テイラー（Art Taylor）という生え抜きのハードバッパー達がリズム隊を固める事で、ソウル風味強めの哀愁あるハードバップな演奏となっております。
また、ＣＤボーナス・トラックとして８曲目に約30秒程短い「Good Old Soul (alternate take)」が収録されております。
２曲目「Up Tight's Creek」は、軽快なテンポで演奏される１曲ですが、程よいブルース・フィーリングが良いですね。
３曲目「Theme For Doris」は、ブルージーでちょっとダークな感じの１曲。
テーマ・バッキングだけではありますが、フレディ・ハバード（Freddie Hubbard）が珍しくミュート・トランペットを聴かせてくれます。
アルバム・タイトル曲でもある４曲目「True Blue」は、リズム・パターンが面白い１曲。
ティナ・ブルックス（Tina Brooks）、フレディ・ハバード（Freddie Hubbard）共に、軽快なブローを聴かせてくれます。
ＣＤボーナス・トラックとして７曲目に約10秒程長めの「True Blue (alternate take)」が収録されております。
５曲目「Miss Hazel」は、アップテンポで演奏されるやや哀愁漂う１曲。
６曲目「Nothing Ever Changes My Love For You」は唯一、ティナ・ブルックス（Tina Brooks）の楽曲ではありませんが、ゆったりとした演奏が魅力の１曲です。
Tina Brooks - True Blue +2 (RVG)
Blue Note BLP-4041 / Blue Note 7243 8 75264 2 6 [2005] RVG Edition
side 1 (A)
01. Good Old Soul (Tina Brooks) 8:07
02. Up Tight's Creek (Tina Brooks) 5:17
03. Theme For Doris (Tina Brooks) 5:53
side 2 (B)
04. True Blue (Tina Brooks) 4:57
05. Miss Hazel (Tina Brooks) 5:32
06. Nothing Ever Changes My Love For You (J. Segal, M. Fisher) 7:53
CD Bonus Tracks
07. True Blue (alternate take) (Tina Brooks) 5:06
08. Good Old Soul (alternate take) (Tina Brooks) 7:35
Freddie Hubbard (tp) Tina Brooks (ts) Duke Jordan (p) Sam Jones (b) Art Taylor (ds)
June 25, 1960 at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
![True Blue [12 inch Analog]](https://m.media-amazon.com/images/I/41fcH5wIa-L._SL500_.jpg "True Blue [12 inch Analog]")
個人的にはお蔵入りした音源が1985年にボックスセットの１枚として公開され、後に日本のレコード会社（東芝EMI）が、モノクロ版のみ公開されていたアルバム・ジャケットに想像（笑）で着色し、発売した「Back To The Tracks (Blue Note BLP-4052)」の方が、ソウルフルで大好きだったりします（笑）。
ティナ・ブルックス（Tina Brooks）が参加した他のアルバムは、こちらから・・・。
