加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

「Horace Silver – Horace-Scope (Blue Note) 1960」鉄壁メンバーによる人気盤

ホレス・シルヴァーHorace Silver)率いる鉄壁なるクインテットが、1960年07月08日と09日の2日間に渡りスタジオ録音したアルバムが「Horace-Scope (Blue Note BLP-4042)」です。

 

「Horace Silver – Horace-Scope (Blue Note) 1960」鉄壁メンバーによる人気盤

このアルバムに参加しているクインテットのメンバーはピアノのホレス・シルヴァーHorace Silver)の他、トランペットのブルー・ミッチェルBlue Mitchell)、テナーサックスのジュニア・クック(Junior Cook)、ベースのジーン・テイラー(Gene Taylor)、ドラムスのロイ・ブルックス(Roy Brooks)です。

 

「Horace Silver – Horace-Scope (Blue Note) 1960」鉄壁メンバーによる人気盤

※ジャケット裏は「Discogs」からお借りしました。

 

鉄壁のメンバーが揃っているだけあり、どんな複雑でリズムのキメが多く、さらにアップテンポの曲であっても、軽々と演奏しているように感じます。


また、主にジュークボックス用のシングル盤として、「Horace Silver - Strollin' / Nica's Dream (Blue Note 45-1784)」と、「Horace Silver - Me And My Baby / Where You At (Blue Note 45-1785)」が発売された模様。

 


全曲、ホレス・シルヴァーHorace Silver)の作品かとおもいきや、3曲目の「Without You」のみ、ドン・ニューイ (Don Newey) という人の作品でした。


蛇足ですが、かつて、ラズウェル細木先生の漫画「ときめきJAZZタイム」に、この「Horace-Scope (Blue Note BLP-4042)」が、日本では入手困難だとしてネタ扱いされたものですが・・・。

 

 

東芝EMIさんが1980年代後半から怒涛のブルーノート再発を行った結果、今やCDであれば比較的、容易に入手出来る様になりました(笑)。

 

 

1曲目「Strollin'」は、ゆったりとしたテンポで演奏される曲であり、ホレス・シルヴァーHorace Silver)の楽譜集(マイナスワン)にも掲載されている人気曲。

 


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2曲目「Where You At?」は、ラテン風味のアップテンポで演奏される、独特の複雑すぎるメロディが如何にもホレスらしい1曲。

 


3曲目「Without You」は前述の通り、ドン・ニューイ (Don Newey) という人の作品。

 

耽美的なバラッド風味の演奏であり、ホレスのロマンチストぶりが伺える曲でもあります。

 


4曲目「Horace-Scope」は以前、トリオ・バージョン(Blue Note BLP-1520)で録音
されたものを、クインテット編成で再録したもの。

 

前のめり気味にグイグイ迫るホレス特有の「ガコン」という擬音がぴったりなバッキングが印象的な1曲です。

 

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5曲目「Yeah!」も以前、トリオ・バージョンで録音されたものを、クインテット編成で再録したもの。

 


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ラテン風味のリズムにのり、急速調で複雑なテーマ・メロディが演奏されますが、それを難なく吹きこなすフロントの2人は、まあ凄いですね・・・ソロ後に出て来るセカンド・メロディも、中々難度高いですね・・・自分で吹きたくねえ(笑)。

 


6曲目「Me And My Baby」は、「The Preacher」タイプの陽気で能天気な感じの、聴いていると踊りだしたくなるような、シングル盤として発売されたのも納得の1曲で、ジーン・テイラー(Gene Taylor)のベース・ソロが挟まれた後、セカンド・テーマが演奏されます。

 


7曲目「Nica's Dream」は、ラテン風味で程よい哀愁感がたまらない、ホレスのファンお馴染みの1曲。

 


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ホレス・シルヴァーHorace Silver)の楽譜集(マイナスワン)だけでなく、ジャズの楽譜集に幅広く収録されている曲であり、ビックバンド用の編曲も多数あったりするので、クインテット編成以上のバンドでは比較的よく演奏されておりますね。

 

なお「Nica's Dream」は、アメリカのジャズ界最大のパトロンであっただろう、ロスチャイルド財閥のイギリス家系の末裔だというニカ男爵夫人に捧げた曲でもあります。

 

ニカ男爵夫人は、チャーリー・パーカーCharlie Parker)の最後に立ち会ったり、セロニアス・モンク(Theronious Monk)を一家まとめて経済的に支援したりと、ジャズの歴史に興味のある方なら一度は目にした事のある名前だと思います。

 

「Horace Silver – Horace-Scope (Blue Note) 1960」鉄壁メンバーによる人気盤

Horace Silver – Horace-Scope (RVG)
Blue Note BLP-4042 / 東芝EMI TOCJ-9130 [1999.08.25] 24 Bit By RVG

side 1 (A)
01. Strollin' (Horace Silver)  4:59
02. Where You At? (Horace Silver)  5:38
03. Without You (Don Newey)  4:54
04. Horace-Scope (Horace Silver)  4:42

side 2 (B)
05. Yeah! (Horace Silver)  6:27
06. Me And My Baby (Horace Silver)  5:58
07. Nica's Dream (Horace Silver)  6:48


#01-03  July 8, 1960 at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
Blue Mitchell (tp) Junior Cook (ts) Horace Silver (p) Gene Taylor (b) Roy Brooks (ds) 

#04-07  July 9, 1960 at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
Blue Mitchell (tp) Junior Cook (ts) Horace Silver (p) Gene Taylor (b) Roy Brooks (ds) 

 

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ホレス・シルヴァーHorace Silver)の他のアルバムは、下記リンクからどうぞ。

 

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「BN-LA」時代のクインテットでの録音に、アンサンブルをダビングするという企画ものアルバム群も、ようやく再発されましたね。

 

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