ジャッキー・マクリーン(Jackie McLean)が、1962年03月16日に録音したアルバム「Let Freedom Ring (Blue Note BST-84106)」の第一印象は、敢えて喩えれば「美しきホラー映画のBGM」という感じですかね・・・。
主人公の綺麗な女性が部屋の中で何やら歓談している最中に、ふと窓に視線をずらすとそこには恐ろしいモンスターが・・・・。で驚いた彼女が「キャー」とカナキリ声を上げる、というシチュエーションにぴったり。
心臓の悪い人は聴かない方がよろしいというか、聴くなら覚悟して聴いて下さい(笑)。
このアルバムでジャッキー・マクリーン(Jackie McLean)は、何というか演奏中にマモノに憑りつかれたかの如く、ソロの途中で突如、「キーッ」といった咆哮を混ぜてきますので・・・。
まあソロ演奏中に、金切り声をあげさせようとするマモノと格闘している風にも聴こえますね。
うーん、珍奇なもの大好きのアルフレッド・ライオン(Alfred Lion)好みの作品なんでしょう。
こういう変なアルバムは、ジャーナリストには格好の燃料ですので、この作品を変に持ち上げる人がいたら扇動に乗らないようにしましょうね・・・(笑)。
確か小川隆夫さんの「ブルーノートの真実」だったと思われますが、当初このアルバムにはトランペットのドナルド・バード(Donald Byrd)が参加し、2管編成で録音する予定だったとか。
ただ残念なことに録音直前、ドナルド・バード(Donald Byrd)が唇を怪我してしまい不参加。
ドナルド・バード(Donald Byrd)が参加し、ピアノ少なめに演奏をまとめたら、初期オーネット・コールマン(Ornette Coleman)カルテットみたいなサウンドが聴けたかも・・・・なので、惜しい・・・実に惜しい。
そういえば、このアルバム「Let Freedom Ring (Blue Note BST-84106)」に参加しているドラムスのビリー・ヒギンズ(Billy Higgins)は確か、初期オーネット・コールマン(Ornette Coleman)カルテットのメンバーでしたね。
アルフレッド・ライオン(Alfred Lion)は、オーネット教(笑)に入信したジャッキー・マクリーン(Jackie McLean)の意向を汲み、アルフレッド自身が運営するブルーノート(Blue Note Records)で、初期オーネット・コールマン(Ornette Coleman)カルテット的な演奏を、このアルバムで再現する事を意識して企画したかもしれないですね。

Jackie McLean - Let Freedom Ring (RVG)
Blue Note BST-84106 / 7243 5 80908 2 6 [2003]
東芝 EMI TOCJ-6627 (2005.12.21) RVG Edition
side 1 (A)
01. Melody for Melonae (Jackie McLean) 13:31
02. I'll Keep Loving You (Bud Powell) 6:17
side 2 (B)
03. Rene (Jackie McLean) 10:01
04. Omega (Jackie McLean) 8:31
Jackie McLean (as) Walter Davis Jr. (p) Herbie Lewis (b) Billy Higgins (ds)
March 19, 1962 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
1曲目の「Melody for Melonae」は、マイナー調の劇的な構成の曲です。
オーソドックスなピアノ・トリオをバックにハードバップ的フレーズから、だんだんフリーキーな咆哮を混ぜてソロを進めていくマクリーンが何とも・・・・。
2曲目はバド・パウエル(Bud Powell)作の「I'll Keep Loving You」で、ウォルター・デイビスによる美しいピアノ・カデンツァから始まるバラッドです。
あんまり無茶せずソロ・フレーズを繋げて行くマクリーンにホッとしていたら、ラスト近くで思い出したように雄叫びあげ出します(笑)。
3曲目の「Rene」は、ややコミカルな曲調の1曲。
こういう曲調だと、ビリー・ヒギンズ(Billy Higgins)が生き生きとしますね。
4曲目、アルバムの最後を飾る曲は、躍動するメロディが楽しい「Omega」。曲としては一番まとまりがあるかな・・・。
ピアノのウォルター・デイビス(Walter Davis Jr.)がソロの途中、「四月の思い出(I`ll Remamber April)」をちょっと引用したりしてます。
まあ、BGM用に最適なオーソドックスなジャズを好む方々にはお勧めしません(笑)。
フリージャズに足を突っ込んだジャッキー・マクリーン(Jackie McLean)を聴くのであれら、ドラムスにトニー・ウィリアムス(Tony Williams)が参加した「Jackie McLean - One Step Beyond (Blue Note BST-84137)」を先にした方がよろしいです。



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