加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

★Blue Note BLP1500s

「J.R. Monterose - J.R. Monterose (Blue Note) 1956」超個性派テナー奏者唯一のブルーノートでのアルバム

癖の強い独特な奏法でジャズ・マニアを引き付けるテナーサックス奏者、J.R.モンテローズ(J.R. Monterose)。 数少ない白人系ハード・バッパーとして人気があるJ.R.モンテローズが、ブルーノート(Blue Note Records)に残した唯一のリーダー・アルバムが、…

「Kenny Dorham - Afro-Cuban (Blue Note) 1955」踊れるジャズの聖典

トランペッターのケニー・ドーハム(Kenny Dorham)が1955年、ブルーノート(Blue Note Records)で録音した二回のセッションから編纂されたアルバムが「Afro-Cuban (Blue Note BLP-1535)」です。 最初10インチ・レコード「Afro-Cuban (Blue Note BLP-5065…

「Paul Chambers - Bass On Top (Blue Note) 1957」ベーシストの「聖典」であり教科書的な大名盤

アルフレッド・ライオン(Alfred Lion)がプロデューサーとして全てを仕切る時代のブルーノート(Blue Note Records)で、べーシストではただ一人、リーダーアルバムを残せたのがポール・チェンバース(Paul Chambers)です。 当時、マイルス・デイヴィス(M…

「Paul Chambers - Whims Of Chambers (Blue Note) 1956」天才ベーシストのブルーノート第1弾

天才ベーシスト、ポール・チェンバース(Paul Chambers)のブルーノート(Blue Note Records)第1弾が1956年09月21日に録音されたアルバム「Whims Of Chambers (Blue Note BLP-1534)」です。 私は最初、「最後の復刻」シリーズのアナログ・レコードを買って…

「The Magnificent Thad Jones Vol. 3 (Blue Note) 1956」サド・ジョーンズのブルーノート最終作

1957年02月02日録音の「The Magnificent Thad Jones Vol. 3 (Blue Note BLP-1546)」は、ビックバンド畑で活躍するサド・ジョーンズ(Thad Jones)がコンボ編成で臨むブルーノート(Blue Note Records)第3弾のアルバムです。 サド・ジョーンズ(Thad Jones…

「The Magnificent Thad Jones (Blue Note) 1956」よく歌うふくよかなトランペット

名トランペッターで作編曲家でもあるサド・ジョーンズ(Thad Jones)が1956年07月14日に録音した「The Magnificent Thad Jones (Blue Note BLP-1527)」は、1956年03月13日録音の「Detroit-New York Junction (Blue Note BLP-1513)」に続くブルーノート(Blue…

「Horace Silver Trio And Art Blakey-Sabu (Blue Note) 1952,1953」初期ホレス・シルヴァーの作品集

ブルーノート(Blue Note Records)が1950年代、後にモダン・ジャズと呼ばれるスタイルの録音を始めてから、レーベルが一旦、新規録音を終える1979年まで在籍していたアーティストが、オーナーであるアルフレッド・ライオン(Alfred Lion)の親友でもあった…

「Jutta Hipp - At the Hickory House Vol. 2 (Blue Note) 1956」ユタ・ヒップの貴重なライブ録音(2)

短い活動期間の中、ブルーノート(Blue Note Records)に何枚かのアルバムを残したユタ・ヒップ(Jutta Hipp)の「At the Hickory House Vol. 1 (Blue Note BLP-1515)」に続くライブ盤第2弾が「At the Hickory House Vol. 2 (Blue Note BLP-1516)」です。 …

「Jutta Hipp - At the Hickory House Vol. 1 (Blue Note) 1956」ユタ・ヒップの貴重なライブ録音(1)

ユタ・ヒップ(Jutta Hipp)というドイツ出身の女性ピアニストは、ジャズ評論家レナード・フェザー(Leonard Feather)に見いだされアメリカに移住したものの、短期間の音楽活動の後、演奏の場から遠ざかり、以降は画家として活動していたそうです。 ネット…

「Herbie Nichols Trio (Blue Note) 1955,1956」孤高のピアニスト、ハービー・ニコルズ

ハービー・ニコルズ(Herbie Nichols)というピアニストは、ブルーノート(Blue note Records)5000番台にリーダー録音を残したエルモ・ホープ(Elmo Hope)同様、「知る人ぞ知る」的な存在のまま、現在に至る孤高の存在なんだそうです。 ハービー・ニコルズ…

「Gil Melle - Patterns In Jazz (Blue Note) 1956」極上なるウエスト・コースト風味のサウンド

ギル・メレ(Gil Melle)という白人系サックス奏者は、初期ブルーノート(Blue Note Records)において重要な役割を果たした人物として、一部ブルーノート・マニアに認知されている存在ではありますが、昨今のCD再発状況を眺める限り、一般的な人気があっ…

「Milt Jackson (Blue Note) 1948,1951,1952」初期MJQ含む録音と2つのモンク・セッションからの拾遺集

ジャズ・ヴィヴラフォンの名手、ミルト・ジャクソン(Milt Jackson)がブルーノート(Blue Note Records)に残した1952年04月07日のリーダー録音に加え、セロニアスモンクの第4回(1948年07月02日)と第5回(1951年07月23日)から選ばれた12曲を、12イ…

「The Eminent Jay Jay Johnson Vol. 2 (Blue Note) 1953,1954,1955」傑出した若手台頭の記録

「傑出した(Eminent)」トロンボーン奏者、J. J. ジョンソン(Jay Jay Johnson)がブルーノートに残した3枚の10インチ・アルバムを、2枚の12インチ・アルバムに再編集した第2弾が「The Eminent Jay Jay Johnson Vol. 2 (Blue Note BLP-1506)」です。…

「The Eminent Jay Jay Johnson Vol. 1 (Blue Note) 1953,1954」俊英達の競演と珍しい顔合わせ

「傑出した(Eminent)」ビバップ・トロンボーンの俊英、J. J. ジョンソン(Jay Jay Johnson)がブルーノートに残した3回のセッションは、3枚の10インチレコードとして発売されました。 その3回のセッションを2枚の12インチレコードに再編集したアル…

「The Amazing Bud Powell Vol. 2 (Blue Note) 1949,1951,1953」初期バド・パウエル好調期の記録

ブルーノート(Blue Note Records)のオーナー、アルフレッド・ライオン(Alfred Lion)が親身になり日々顔を合わせ世話をしていたのがバド・パウエル(Bud Powell)です。 前回記載した通り、バド・パウエルは「総合失調症」というやっかいな病を抱えており…

「The Amazing Bud Powell Vol. 1 (Blue Note) 1949,1951」天才バド・パウエル登場

ブルーノート(Blue Note Records)のオーナー、アルフレッド・ライオン(Alfred Lion)がこよなく愛したミュージシャンの一人が天才ピアニスト、バド・パウエル(Bud Powell)です。 ビバップを演奏するピアニストは全員、バド・パウエルの影響下にあると言…

「Miles Davis Vol. 2 (Blue Note) 1952,1953,1954」ブルーノートのマイルス(2)

マイルス・デイヴィス(Miles Davis)は「麻薬の虜」になっていた1952年から1954年にかけ、毎年1回の割合で、良き理解者として付き合っていたアルフレッド・ライオン(Alfred Lion)が経営するブルーノート(Blue Note Records)で録音を行っておりますが19…

「Miles Davis Vol. 1 (Blue Note BLP-1501)」ブルーノートのマイルス(1)

マイルス・デイヴィス(Miles Davis)は「麻薬の虜」になっていた1952年から1954年にかけ、毎年1回の割合で、良き理解者として付き合っていたアルフレッド・ライオン(Alfred Lion)が経営するブルーノート(Blue Note Records)で録音を行っております。 …

「Bud Powell - The Time Waits (Blue Note) 1958」フィリー・ジョーのドラムに賛否あり

天才ピアニスト、バド・パウエル(Bud Powell)のブルーノート(Blue Note Records)第4弾「The Time Waits (Blue Note BST-81598)」は、ドラムスにフィリー・ジョー・ジョーンズ(Philly Joe Jones)、ベースにサム・ジョーンズ(Sam Jones)を迎えたトリ…

「Bud Powell - The Amazing Bud Powell Vol. 3 - Bud! (Blue Note) 1957」パウエルのブルーノート復帰第1弾

1957年08月03日に録音された「The Amazing Bud Powell Vol. 3 - Bud! (Blue Note BLP-1571)」は天才ピアニスト、バド・パウエル(Bud Powell)のブルーノート(Blue Note Records)復帰第1弾となるアルバムです。 以前、トリオ編成にて行われた録音が1953年…

「The Jazz Messengers At The Cafe Bohemia Vol. 2 (Blue Note) 1955」充実したライブ録音、2枚目

リーダーを明示しないジャズ・ユニット「The Jazz Messengers」が1955年11月23日、ジャズ・クラブ「カフェ・ボヘミア(The Cafe Bohemia)」で行ったライブ録音の後半(Vol.2)、2枚目となる「The Jazz Messengers At The Cafe Bohemia Vol. 2 (Blue Note B…

「The Jazz Messengers At The Cafe Bohemia Vol. 1 (Blue Note) 1955」レギュラー・バンドによる充実したライブ録音

1955年当時、ニューヨークのミュージシャン達が「B」の付くジャズ・クラブを巡ると言った時は「Birdland」、「Basin Street」、そして今回の舞台「(Cafe) Bohemia」を巡る事を意味していたそうです。 さて、マイルス・デイヴィス(Miles Davis)との交流…

「Horace Silver and The Jazz Messengers (Blue Note) 1955」ジャズ・メッセンジャーズ名義のホレス・シルヴァー

ホレス・シルヴァー(Horace Silver)が「The Jazz Messengers」を従えた様に表記されたアルバムが「Horace Silver and The Jazz Messengers (Blue Note BLP-1518)」です・・・実際の処、ホレス・シルヴァーが「The Jazz Messengers」を率いていた事はない様…

「Horace Silver - Six Pieces Of Silver (Blue Note) 1956」恒久バンド化、最初の一歩

アルバム・ディスコグラフィー等で録音データを眺めると、ホレス・シルヴァー(Horace Silver)にとって1956年という年が重要な節目であった事が分かります。 1956年前半は、リーダー不在の人気バンド「ジャズ・メッセンジャーズ(The Jazz Messengers)」の…

「The Three Sounds - Introducing The 3 Sounds (Blue Note) 1958」金太郎飴的な人気ピアノ・トリオ

ブルーノート(Blue Note Records)の名盤ひしめく1500番台のトリを飾るアルバムが以前、他のブログで取り上げた際「偉大なるマンネリズム」と書いたバンド、スリー・サウンズ(The Three Sounds)の「Introducing The 3 Sounds (Blue Note BST-81600)」です…

「Kenny Dorham - 'Round About Midnight At The Cafe Bohemia (Blue Note) 1956」幻のバンド、ジャズ・プロフェッツのライブ録音

アップ・テンポの火を吹くかのようなソロ、一転してしみじみとしたバラードにおいても、かすれ気味だが艶のあるハスキー気味な音で、飄々と独特のメロディを吹き綴る、哀愁のハード・バップ・トランぺッター、ケニー・ドーハム(Kenny Dorham)。 ビバップ時…

「Johnny Griffin - Introducing Johnny Griffin (Blue Note) 1956」シカゴの俊英登場

最初期(1940年代後半)にはライオネル・ハンプトン(Lionel Hampton)楽団等のビックバンドで活動していた俊英、超絶速吹きテナー・サックス奏者のジョニー・グリフィン(Johnny Griffin)。 1956年04月17日に録音された「Introducing Johnny Griffin (Blue…

「Sonny Rollins - Sonny Rollins Vol. 1 (Blue Note) 1956」リユニオン・バンド的なアルバム

マックス・ローチ(Max Roach)からブルーノート(Blue Note Records)のオーナー、アルフレッド・ライオン(Alfred Lion)にある提案があったようです。 「ソニー・ロリンズの調子が上がってきているので、ブルーノートでも録音した方がいいよ(意訳)」 そ…

「Johnny Griffin - A Blowing Session (Blue Note) 1957」饒舌すぎるブローイング・セッション

1928年04月24日、イリノイ州シカゴで生まれたジョニー・グリフィン(Johnny Griffin)。最初はアルトサックスを吹いていたみたいですが1940年代、17歳でライオネル・ハンプトン(Lionel Hampton)楽団にて演奏を始めた頃には、すでにテナー・サックスに持ち…

「Hank Mobley With Donald Byrd And Lee Morgan (Hank Mobley Sextet) (Blue Note) 1956」M&M+バード

「Hank Mobley With Donald Byrd And Lee Morgan (Blue Note BLP-1540)」は、ジャズ評論家レナード・フェザー(Leonard Feather)が「テナー・サックスのミドル級チャンピオン」と評したハンク・モブレー(Hank Mobley)をリーダーとして、1956年11月25日に…